国語言葉の意味

「したためる」の意味や使い方は?例文や類語を日本語研究家がわかりやすく解説!

よお、ドラゴン桜の桜木建二だ。この記事では「したためる」について解説する。

端的に言えば「したためる」の意味は主には「書き記す」だが、実は古くはより多くの意味を持っていた言葉なんだ。もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

博士(文学)の学位を持ち、日本語を研究している船虫堂を呼んだ。一緒に「したためる」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/船虫堂

博士(文学)。日頃から日本語と日本語教育に対して幅広く興味と探究心を持って生活している。生活の中で新しい言葉や発音を収集するのが趣味。モットーは「楽しみながら詳しく、わかりやすく言葉をご紹介」。「したためる」は井上陽水の「心もよう」で覚えた。

「したためる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「したためる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。現代日本語では「したためる」は「書き記す」の意味で用いられることが多いです。また、現代語の辞書では「書き記す」のほかに「食事をする」という意味も載っています。今回は「書き記す」の意味を中心に、その他の意味も確認しながら「したためる」に迫っていきましょう。

「したためる」の意味は?

まずは、国語辞典の記述を確認して意味を明らかにしていきましょう。参照する辞書は、大修館書店の『明鏡国語辞典』と、小学館の『精選版 日本国語大辞典』tです。「したためる」は漢字表記では「認める」と書き、次のような意味があります。

したた・める【認める】〔他下一〕
1.〔やや古風な言い方で〕書き記す。
「手紙を-」
2.食事をする。
「夕食を-」

出典:明鏡国語辞典(大修館書店)「したためる」より

したた・める【認】
〘他マ下一〙 したた・む 〘他マ下二〙
1. 整理する。処理する。処置する。かたづける。また、管理する。
※延宝版宇津保(970‐999頃)蔵開中「ふばこには、唐の色紙を二つに折りて、葉(えふ)したためて」
※宇治拾遺(1221頃)九「国の政をしたためおこなひ給あひだ」
2. ととのえる。用意する。準備する。特に、食事の支度をする。料理をする。
※落窪(10C後)四「まかり下るべき程いと近し。したたむべき事共のいと多かるを」
※古今著聞集(1254)一八「侍ども寄りあひて、大鴈を食はんとて、したためける所へ」
3. 食事をする。食べる。
※宇治拾遺(1221頃)一「かくて夜明にければ、物食ひしたためて、出てゆくを」
※義経記(室町中か)五「菓子ども引き寄せて、思ふ様にしたためて、居たる所に」
4. 煮るの意の女房詞。
※御湯殿上日記‐明応九年(1500)四月二九日「またはくよりかまほこ、はまあふり、ことやうしたためておひらもまいる」
5. 書きしるす。
※讚岐典侍(1108頃)下「よみし経をよくしたためてとらせんと仰られて」
※俳諧・奥の細道(1693‐94頃)市振「あすは古郷に返す文したためて」

出典:精選版 日本国語大辞典(小学館)「したためる」より

辞書の規模と性格が明確にわかる結果となりました。

『明鏡』のほうは、現代日本語を使う人・学ぶ人が使いやすい視点で、現代日本語で使用されやすい用法が掲載されています。すなわち、「書き記す」と「食事をする」という意味です。

『精選版 日本国語大辞典』は大型の大辞典なので時代に沿って「したためる」がもっている意味を網羅的に掲載しています。順に見ていきましょう。1.整理する、2.ととのえる(食事の字仕度をする)、3.食事をする、4.「煮る」の女房詞、そして最後に5.書きしるすと5つの意味が掲載されています。

なお余談ですが、4.にある女房詞(にょうぼうことば)とは中世に発達したもともとは天皇の御所につかえる女房が使っていた言葉でその後武家に使える女性や市井の女性にも使われるようになりました。現代語の中でも「しゃもじ(もとは杓子)」、「おでん(もとは田楽)」などが痕跡的に残っています。

\次のページで「「したためる」の語源は?」を解説!/

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