国語言葉の意味

「就中」の意味や使い方は?例文や類語を日本語研究家が解説!

よお、ドラゴン桜の桜木建二だ。この記事では「就中」について解説する。

「就中」のよみかたは「なかんずく(なかんづく)」で、端的に言えば就中の意味は「その中でも特に」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

博士(文学)の学位を持ち、日本語を研究している船虫堂を呼んだ。一緒に「就中」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

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ライター/船虫堂

博士(文学)。日頃から日本語と日本語教育に対して幅広く興味と探究心を持って生活している。生活の中で新しい言葉や発音を収集するのが趣味。モットーは「楽しみながら詳しく、わかりやすく言葉をご紹介」。高校の時、漢文の成績はいまいちだった。今の方が面白みを感じている。

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「就中」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「就中」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。まず、「就中」は「なかんずく」と読み、旧かなづかいでは「なかんづく」と書きます。少々古めかしい感じがするのではないかと思いますが、それもそのはずで、この言葉は漢文訓読由来の言葉なのです。端的に言うとその意味は「その中でも特に」という意味。では、「就中」の詳しい意味について迫っていきましょう。

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「就中」の意味は?

まずは、国語辞典の記述を確認して意味を明らかにしていきましょう。参照する辞書は、小学館の『精選版 日本国語大辞典』です。「就中」には、次のような意味があります。

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なかん-ずく ‥づく【就中】
〘副〙 (「中(なか)に就(つ)く」の音便形。古くは「に」を伴っても用いられた) その中でとりわけ。特に。〔色葉字類抄(1177‐81)〕
※高野本平家(13C前)四「諸衆何ぞ愁歎せざらんや。就中(ナカンツク)に延暦・園城両寺は門跡二に相分るといへども」
[補注]漢文訓読語に由来するが、いわゆる訓点資料には見られない。平安朝の作品に「なかについて」の形が見られること、「観智院本名義抄」に「就中 ナカニツイテ ナカムツクニ」と併記されていることなどから、「就中」と漢字で書かれたものの読みは、どちらともきめられない。なお、「文机談‐五」には「なかずく」の形も見える。→中(なか)に就いて

出典:精選版 日本国語大辞典(小学館)「就中」より

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辞書の記述にもあるように、「就中」の意味は「その中でも特に」とか「とりわけ」という意味です。そして、その由来は「漢文訓読語」にあると書かれています。そもそも「漢文訓読語」とはなんでしょうか。それは、漢文を訓読、つまり古代中国語の文献を日本語の文法に即して読んだ時に生じる、いかにも漢文らしい文体や言葉づかいのことを言います。

現代日本語では、話し言葉で用いる人はなかなかいないのではないでしょうか。しかし、書き言葉、特に硬い文体の文章ではまだまだ現役の言葉です。歴史的に見ると「就中」を「なかんずく」と読むか「なかについて」と読むか、決まっていなかったようですが、現代通用しているのは「なかんずく」の方だけですね。

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「就中」の語源は?

次に「就中」の語源を確認しておきましょう。前述の通り、この言葉はいわゆる「漢文訓読語」であり、漢文を訓読する際に用いられる以下にも漢文らしい言葉で、レ点を付けて「就レ中」と帰って読むように示す場合もあるようです。

そうなると、私たちは「就中」が「その中でも特に」という意味であることがすでに分かっているわけですから、レ点で返った「就」と言う言葉に「特に」とか「とりわけ」という意味があるのではないかと考えるのは当然のことでしょう。しかし、「就」という漢字にはそのような意味はありません。

ではなぜ「就中」が「その中でも特に」という意味を持つのでしょうか。それは、古代中国語の文献で、漢語(古代中国語)として「就中」という言葉があってその言葉の意味が「その中でも特に」であったことがヒントになります。それを当時の日本人が意味を理解したうえで「就中」の漢字の並びを見て「就レ中」、つまり「なかんづく=なかんずく」と訓読みしたというのが「就中=なかんずく」の真相であるようです。

ちなみに、「就中」という並びの単語は現代の中国語でも使用されているようで、いくつか意味はあるようですが「なかんずく」に相当する意味もあります。

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