

端的に言えば「こじつけ」の意味は「無理矢理」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
現役学生ライターのタビビトを呼んだ。一緒に「こじつけ」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/タビビト
現役の文学部学生ライター。学生生活の中で数多くの芸術関係の執筆を行い、小学生の頃から多種多様な書籍を読破してきた生粋の文化系。読者量に比例する文章力で日本語をわかりやすく解説していく。
「こじつけ」の意味は?
「こじつけ」には、次のような意味があります。
関係のない物事を無理に理由をつけ関係づける。また、無理に理屈づける。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「こじつける」
「こじつけ」は、「こじつける」の名詞形です。本来であれば関係のない物事同士を、無理矢理理由づけて関連させることを表現する言葉。それがたとえ意識的であっても無意識であっても、結果的に嘘をついていることには変わりないので基本的にはネガティブなニュアンスで用いられます。
物事を説明する際になんとか説得力を持たせようと、自分で考えた関連づきそうなものや正しそうな理屈を根拠もなく持ち出すことなどはよく見かける光景ですよね。このようなよかれと思ってしたことでも、事実的根拠に基づいていないことであれば、「それはこじつけである」というように非難されてしまいます。
「こじつけ」の語源は?
次に「こじつけ」の語源を確認しておきましょう。
「こじつけ」の語源は、「故事付ける」であるという説が有力とされています。「故事」とは、昔から伝わるいわれや物語のことを指す言葉です。この「故事」を無理やり引っ張ってきて、本来無関係であるはずのものに無理やり関連づけるという意味で、「故事を関連付ける」から「故事付ける」になり現代ではひらがなで「こじつける」と用いられるようになりました。現代では関係のない物事同士を無理やり関連付けること全般に対して用いますが、もともとは昔の物語や言い伝えを現在のことと無理やり結びつけることに対して用いていたということですね。
もう一つ、「故実付ける」が語源であるという説もあります。「故実」とは昔からの決まりや習わしのことを指す言葉です。「故事付ける」にしても「故実付ける」にしても、「昔のこと」を「現在のこと」に無理やり関連付けるという意味では変わらないということがわかりますね。
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