この記事では「はたまた」について解説する。

端的に言えば「はたまた」の意味は「または」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

現役学生ライターのタビビトを呼んです。一緒に「はたまた」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タビビト

現役の文学部学生ライター。学生生活の中で数多くの芸術関係の執筆を行い、学生の頃から多種多様な書籍を読破してきた生粋の文化系。読書量に比例する文章力で日本語をわかりやすく解説していく。

「はたまた」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「はたまた」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「はたまた」の意味は?

「はたまた」には、次のような意味があります。

それともまた。あるいはまた。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「将又(はたまた)」

「はたまた」とは「あるいは」「それともまた」などの意味を持ち、主に疑問形の2つの文章の間に接続詞として用いる言葉です。「○○か?はたまた、●●か?」というように「○○」か「●●」の間で揺れ動く疑問を受け手に投げかけるための接続詞という事ですね。

「はたまた」は、日常会話で用いることは少ないもののテレビなどではよく耳にする言葉なのではないでしょうか。視聴者に疑問を投げかける際、「それとも」や「あるいは」よりも「はたまた」を用いたほうが劇的で受け手も真剣に考えたくなってしまいますよね。

そんな「はたまた」には、「将又」という漢字表記があることを知っていましたか?この漢字表記について、次の語源の欄で詳しく見ていきましょう。

「はたまた」の語源は?

次に「はたまた」の語源を確認しておきましょう。「はたまた」は漢字表記すると「将又」であるという事を前述しました。「はたまた」の語源を理解していくには、まずこの「将」と「又」という漢字をそれぞれ読み解いていきましょう。

まず「将」という漢字です。「将」には、「ほかのことと関連させて、羅列して述べること」という副詞の働きがあります。この副詞の働きの意味を単語で表現すると、「または」「それとも」になるという事がお分かりいただけるでしょうか。よって「将」自体に「あるいは」という接続詞としての意味があることがわかります。

「又」も「または」「あるいは」という意味があるので、「将又」は「あるいは」や「または」、「それとも」といった意味のある二つの漢字を組み合わせることによってその意味を強調している言葉だという事がわかりますね。

\次のページで「「はたまた」の使い方・例文」を解説!/

「はたまた」の使い方・例文

「はたまた」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.彼女があの森で目撃したのは河童か、天狗か、はたまた妖精か。


2.その女性はこれから始めるダイエットをどの方法にするかについて、運動か、食事制限か、はたまたそのどちらもかで悩んでいた。


3.彼女に告白するためにデートの機会を得たが、最近話題のてんぷら屋か、はたまた大手の人気寿司屋やか、どちらが彼女がよろこぶだろうか。

「はたまた」は、二つや三つの別の方向に対してどの方向にいくか迷っているという様子を表現することがわかりますね。大体の場合は二択で「Aか、はたまたBか」という用い方をしますが、選択肢が三つある場合は「Aか、Bか、はたまたCか」という用い方をします。あまり選択肢が多くなると究極の選択という感じが薄れるので、多くても三つほどに抑えることが好ましいです。

「はたまた」は日常会話の中で用いられることは少ないものの、舞台や小説などのセリフやテレビなどのエンタメの文面上で多く用いられます。「はたまた」の正しい使い分け方を覚えておくと、自分が何か作品を作り出すときに役に立つかもしれませんよ。

「はたまた」の類義語は?違いは?

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次に、「はたまた」の類義語とその使い分けを見ていきましょう。

「翻って(ひるがえって)」

「はたまた」の対義語は、「翻って」で読み方は「ひるがえって」です。「翻って」とは、「これとは反対に」「別の方向では」という意味を表現します。それぞれ別の特徴を持った方向性のそのどちらか?という疑問を提示する「はたまた」とは意味が類似していることがわかりますね。

しかし「はたまた」が別々の方向性の間に立っているとしたら、「翻って」は一つの方向を主軸としてその方向とは反対のもう一方の物事を提示するときに用います。つまり、「A案から翻ってB案になった」という場合であればA案が主軸になっているという事ですね。「「はたまた」の場合はA案にもB案にも属することなく客観的にその二つの選択肢を吟味しているというイメージです。よって「はたまた」と「翻って」を用いる場合には、主軸がどこにあるのかというところに注目して使い分けましょう。

\次のページで「「はたまた」の対義語は?」を解説!/

「はたまた」の対義語は?

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「はたまた」は、「または」や「あるいは」など二又に分かれた別々の方向性の物事の間に立ってどちらなのかという疑問を表現する言葉でした。

「はたまた」の対義語とはどのようなものなのでしょうか。

早速見ていきましょう。

「いずれにせよ」

「はたまた」の対義語は、「いずれにせよ」です。

「いずれにせよ」とは、どの道に行ったとしても結果は同じであるという意味を表現する言葉。一見別々の道が、進んでいくと一つの道になっているというような現象をイメージしていただくと分かりやすいかと思います。「はたまた」はどちらか一方を選べばもう一方の可能性は捨てるしかない、究極の選択というニュアンスが含まれているので、どちらを選んでも一緒という「いずれにせよ」とは反対の意味を表現するという事がわかりますね。

「はたまた」はどちらか一方だけ「いずれにせよ」はどちらを選んでも変わらないというように覚えましょう。

「はたまた」を使いこなそう

この記事では「はたまた」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「はたまた」は日常会話の中で用いることは少ないものの、舞台や小説の中の少し古めかしいセリフの中や、テレビ番組のテロップなどで頻繁に見かける言葉ですよね。「将又」という漢字表記を知っている人は少ないと思うので、この機会にしっかりと覚えて周りの人に教えてみてくださいね。二つの道の間で迷っているときは「はたまた」、どちらかに主軸を置いている場合は「翻って」、どちらを選んでも同じ結末になる場合は「いずれにせよ」。今回紹介したこの三つのそれぞれのニュアンスは、それぞれ使い分けることができるようにしましょう。

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国語言葉の意味

「はたまた」の意味や使い方は?例文や類語を現役学生ライターがわかりやすく解説!

「はたまた」の使い方・例文

「はたまた」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.彼女があの森で目撃したのは河童か、天狗か、はたまた妖精か。


2.その女性はこれから始めるダイエットをどの方法にするかについて、運動か、食事制限か、はたまたそのどちらもかで悩んでいた。


3.彼女に告白するためにデートの機会を得たが、最近話題のてんぷら屋か、はたまた大手の人気寿司屋やか、どちらが彼女がよろこぶだろうか。

「はたまた」は、二つや三つの別の方向に対してどの方向にいくか迷っているという様子を表現することがわかりますね。大体の場合は二択で「Aか、はたまたBか」という用い方をしますが、選択肢が三つある場合は「Aか、Bか、はたまたCか」という用い方をします。あまり選択肢が多くなると究極の選択という感じが薄れるので、多くても三つほどに抑えることが好ましいです。

「はたまた」は日常会話の中で用いられることは少ないものの、舞台や小説などのセリフやテレビなどのエンタメの文面上で多く用いられます。「はたまた」の正しい使い分け方を覚えておくと、自分が何か作品を作り出すときに役に立つかもしれませんよ。

「はたまた」の類義語は?違いは?

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次に、「はたまた」の類義語とその使い分けを見ていきましょう。

「翻って(ひるがえって)」

「はたまた」の対義語は、「翻って」で読み方は「ひるがえって」です。「翻って」とは、「これとは反対に」「別の方向では」という意味を表現します。それぞれ別の特徴を持った方向性のそのどちらか?という疑問を提示する「はたまた」とは意味が類似していることがわかりますね。

しかし「はたまた」が別々の方向性の間に立っているとしたら、「翻って」は一つの方向を主軸としてその方向とは反対のもう一方の物事を提示するときに用います。つまり、「A案から翻ってB案になった」という場合であればA案が主軸になっているという事ですね。「「はたまた」の場合はA案にもB案にも属することなく客観的にその二つの選択肢を吟味しているというイメージです。よって「はたまた」と「翻って」を用いる場合には、主軸がどこにあるのかというところに注目して使い分けましょう。

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