
1.最も高くに位置する棟木には、象徴的な意味が与えられることもある。
2.三角屋根は、棟木と垂木のシンプルな構造がメリットだ。
3.棟木を取り付けることを「棟上げ」と言う。
棟木は建築業界の専門用語であり、意味に幅は有りません。ここでは特に3番の文章にある「棟上げ」について説明します。これは読んで字のごとく、棟木を持ち上げ最上部に取り付ける作業を指す語です。実は日常的に使う「建前」と言う語も、元々はこの作業過程を意味するものでした。
棟木は骨組みの中で一番最後に設置する部材であるため、棟上げの日は骨組みが完成した日です。伝統的にはこの日に合わせて「上棟式」という儀式を行います。詳しい内容は省略しますが、建物を清めた後に餅を撒いたりお神酒などをお供えしたりするというものです。この儀式により、施主の家内安全や工事の無事を神様にお願いすると共に、棟梁をはじめとする業者さんや迷惑をかけている近隣の住民への感謝を示します。近年では減少傾向にありますが、もし家を建てる機会があれば検討してみてもいいかもしれませんね。
「棟木」の類義語は?違いは?

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「棟木」の類義語を見ていきましょう。部品名を表す専門用語であり厳密に同義の単語は存在しません。そのため、ここでは関連する概念を紹介する形とします。
その1「母屋」
「もや」と読みます。棟木と平行に配置され垂木を支える働きをする部材です。意味の欄でも述べたトライアングルを想像した際に、一番上の角の部分を支えているのが棟木であり、その角を挟む辺の部分(=垂木)を支えているのが母屋と理解するとよいでしょう。なお母屋は棟木と違い、複数本設置するのが基本です。
その2「軒桁」
読み方は「のきげた」です。棟木や母屋と平行に配置されている部材で、屋根組みの一番下で屋根荷重を柱に伝える木材のことを言います。母屋同様の説明をするならば、一番上の角の部分を棟木が支えその角を挟む二辺の部分(=垂木)を支えているのが母屋である時、その二辺の端(棟木から最も遠い部分)を支えているのが軒桁です。
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