
端的に言えば一目散にの意味は「まっしぐら」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「一目散に」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/AYA
長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「一目散に」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説していく。
「一目散に」の意味や語源・使い方まとめ

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「一目散に」と聞いて、「逃げる」と思いつくのは私だけでしょうか。日常でよく使う言葉なので、意味は何となく理解している人も多いと思いますが、そもそも「一目散」とは何でしょうか?今回はそんな「一目散に」について詳しく解説していきます。
それでは早速「一目散に」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「一目散に」の意味は?
「一目散に」には、次のような意味があります。
1.わき目もふらずに走るさま。
2.一散。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「一目散に」
「一目散に」とは「いちもくさんに」と読み、「わき目もふらずに走るさま」の意。「一散」も一目散と同じ意味で、「逸散」と表記することもありますよ。この言葉は「一目散」だけでも成り立ちますが、多くは「に」を伴って用いられます。冒頭で「逃げる」を連想すると書きましたが、他にも「~に飛んでくる」や「~に走り出す」などの言葉を接続して使われる事が多いですね。
「一目散に」の語源は?
次に「一目散に」の語源を確認しておきましょう。この言葉には2つの説があるのでどちらも紹介しておきますね。
わき目もふらずに走るさまの「一散または逸散」と、ちょっと見る・一目ですべてを見渡すことの「一目」、この2つが組み合わさり「一目散」になったという説が一つで、こちらの方が信憑性が高いとされています。もう一つは日本民俗信仰における台風や暴風雨の神様「一目連」が、非常に速いスピードで突風などを起こしながら走り回っていた様子を転じて「一目散」と変化させたという説ですよ。
「一目連」については迷信というイメージもありますが、言葉の語源を調べるとき、信憑性は別として古くから語り継がれている物は多いですし、迷信の一言で済ませる事ができないような説得力も含まれているような気がします。知識が一つ増えると考えれば、覚えておいても損はないですね。
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