国語言葉の意味

「木鐸」の意味や使い方は?例文や類語を現役文学部生がわかりやすく解説!

よお、ドラゴン桜の桜木建二だ。この記事では「木鐸」について解説する。

端的に言えば木鐸の意味は「教え導く者」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本語検定一級を持ち、文学部に所属する現役大学生ライターである文学少女を呼んだ。一緒に「木鐸」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/文学少女

文学部で学んでいる読書好きの現役大学生。大学のみならず、日々の読書や日本語検定・漢字検定などで学んだ知識を活かして、種々の言葉を丁寧に解説する。

「木鐸」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto

どちらかといえば堅めの文章で使われることが多い語です。正確な意味まで把握せずとも、国語の時間や新聞の論説などで見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。それでは早速「木鐸」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「木鐸」の意味は?

「木鐸」は「ぼくたく」と読み、具体的な物体を指す時と象徴的に使われる時があります。意味は次のとおりです。

 古代中国で、法令などを広く人民に示すときに振り鳴らした、木の舌のついている大きな鈴。
 世の人を教え導く人。社会の指導者。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「木鐸」

一般的にこの語が使われる場合、多くは引用した辞書の2に当たる抽象的な意味です。「人民を教え導くもの」という意味からは指導者をイメージするかもしれませんが、現代社会においては新聞又は新聞記者を指す表現として機能していました。世論を喚起して正しい方向へと導くジャーナリズムの重要性を表した用例です。しかし、マスコミの権威が失われつつあることやそもそも古風な表現であることを背景に、今日では使用される機会は減少傾向にあります。

ちなみに引用の1のように実際の法令などを知らせるベルとして使われた場合、文事の周知には木鐸、武事の周知には金鐸のように使い分けられていました。

「木鐸」の語源は?

次に「木鐸」の語源を確認しておきましょう。

実際のベルとしての木鐸は、鈴の舌(内側にぶら下がっている音の出る部分)が木製であることからそのまま名付けられました。上で触れた金鐸は舌の部分も金属製のものです。

抽象的な意味の方は、「論語」内の八佾篇に記されている故事成語が基になっています。諸国を放浪していた孔子が、儀という地を訪れた時のことです。国境の役人は孔子のことを「天は将に夫子を以て木鐸とさんとす(天はあなたを乱れた世に正しい道を伝える「木鐸」とされたので、諸国を放浪しているのです)」と慰めました。ここから、民衆を教え導くものとしての意味が生まれたのです。

\次のページで「「木鐸」の使い方・例文」を解説!/

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