端的に言えば嫉みの意味は「ねたむこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
情報誌系のライターを10年経験した柊 雅子を呼んです。一緒に「嫉み」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/柊 雅子
イベントの司会や雑誌の記事作成を仕事としてきたライター、柊 雅子。進んで家事を行ってくれる夫を見て「多分この人は嫉みを受けるという言葉とは無縁だろうなぁ」と思ったという。そんな彼女が「嫉み」について解説する。
「嫉み」の意味は?
「嫉み」には、次のような意味があります。
1.そねむこと。ねたみ。嫉妬(しっと)。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「嫉み」
「嫉み」(そねみ)は「妬み」(ねたみ)という単語と同時に用いられ、しばしば「妬み嫉み」という表現で用いられますね。「羨望」「ヤキモチをやくこと」という意味の「嫉妬」(しっと)は「嫉」と「妬」の二文字でできていて、「嫉」にも「妬」にも「嫉妬」という意味があります。
では「嫉み」と「妬み」の違いはどこにあるのでしょうか。例えばビジネスシーンで考えてみましょう。営業担当するAとB、二人の人間がいたとします。Aは人当たりがよくトークも上手くて、営業先に好かれるタイプ。その結果、営業成績はトップクラスです。それに対してBは商品知識が豊富なものの、営業先では話すことが苦手で営業成績もAには遠く及びません。BはAのことを「商品知識もなく、自分よりただシャベリが上手いというだけの人間」と思い、良い感情をもつことができないという心理状態。それと同時に商品知識がありながら、営業先と良い関係を築けない自分を歯痒く思っています。
このように「嫉み」は「妬み」と同じように「嫉妬」という意味合いをもつ言葉ですが、「嫉み」は自分自身に対してネガティブな感情が強い表現といえますね。
「嫉み」の語源は?
次に「嫉み」の語源を確認しておきましょう。
「嫉」という漢字は「女」と「疾」という漢字を組み合わせた会意兼形声文字。二文字以上の漢字の意味と形でできた漢字を会意文字といい、意味と音を組み合わせてでできた漢字を形声文字といいます。そしてこの二つを合わせてできた漢字を会意兼形声文字と言うのです。
「嫉」は「女の疾」。「疾」は「病」という意味。昔、女性は感情に左右されるものと考えられ、「そねみ」は女性の病のように思われていたところから「嫉」という漢字ができました。この考え方はあくまでこの漢字ができた頃の話です。
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