「何とはなしに」の使い方・例文
「何とはなしに」の使い方について例文を挙げて解説していきます。この言葉は、たとえば以下のように用いられますよ。
1.文雄は彼女の顔を見るのが何とはなしに後ろめたかった。少し距離を置いて考えてみたけど無責任な回答ばかりが頭に浮かんだ。最後に会った時言われた言葉が今時分思い起こされた。
2.何とはなしに歩いていたら専門店の前に来ていた。「お客様、何かお探しのものはございますか」と声を掛けられ、特別欲しいものはなかったが店内をぐるぐる見て回り結局、百科事典と国語辞典、佐竹秀雄と樺島忠夫の小説を買って帰った。
3.出版関連の会社に就職したと増田や植垣から話は聞いていたけど、信ぴょう性に欠けていたし、何より直接本人に会って確かめたかったので、何とはなしに彼女に話しかけてみることにした。
例文1からはなかなか声を掛けられずにいる様子が、例文2からは何も考えずに歩いていたらたまたま店の前に来ていたということが読み取れます。また例文3は何気なさをよそおいながら話しかけてみようとする様子が伺えますね。
その1「なんとなく」
「なんとなく」は理由や目的もなく無意識に行動する様子を表し、動詞にかかる修飾語として用いられますよ。客観的な根拠や明確な目的がなくその動作だけを行うというニュアンスです。また自然の成り行きに任せる無意識の暗示があります。例えば「花子ちゃんはなんとなくその辺に立っててください」は第三者に意図的だと気づかれないように何気なくというニュアンスで無造作の暗示を伴いますし、また「人生の目的も定めずになんとなく毎日を過ごす若者が多くなった」は結果として有意義な行為を行わないという意味になり、無関心の暗示を伴うでしょう。
この「なんとなく」は「何気なく」に似ていますが、「何気なく」は行動するにあたって明確な意図や意識が働いていない暗示があります。ちなみに「何とはなしに」との違いは、「何とはなしに」は話者自身の主観的な感覚として漠然と感じるというニュアンスで用いられ、話者以外の対象の状態を表す場合には用いられるという点です。
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