この記事では「わなわな」について解説する。
端的に言えば「わなわな」の意味は「恐怖・興奮・寒さなどのためにわななき震えるさま」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「わなわな」の意味や例文、類語などを見ていきます。

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仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。

「わなわな」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「わなわな」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「わなわな」の意味は?

「わなわな」には、次のような意味があります。

[副](スル)激しい怒り・恐れ・寒さなどでからだが小刻みにふるえるさま。ぶるぶる。「わなわな(と)身をふるわせる」「怒りに唇をわなわなさせる」

出典:コトバンク

「わなわな」は継続して大きく震える様子を表す擬態語怒り・恐怖・寒さ・病気などで人体やその一部が継続して大きく震える様子を表し慨嘆の暗示があります。震え方は対象の全体が一度につき動かされるニュアンスがあるでしょう。

「わなわな」の語源は?

「わなわな」は擬態表現なので語源はありませんが、漢字で「戦戦」と書きます。それでは「戦」の漢字の成り立ちについて説明しましょう。「戦」は武器を表す「戈(ホコ)」と戦う意味の音を示す「單(セン)」とを合わせた字。武器を交えて「たたかう」意味を表します。

\次のページで「「わなわな」の使い方・例文」を解説!/

「わなわな」の使い方・例文

「わなわな」の使い方について例文を挙げて解説していきます。この言葉は、たとえば以下のように用いられますよ。

1.父の手は怒りのあまりわなわなと震えていた。俺は過去のことは完全に忘れたと思っていたのだが不意に恐怖を覚え、緊張が体を駆け巡り思わずがくがくと身振いしてしまった。

2.救出された乗客の大半は恐怖にわなわな震えていた。その後も余震が続き、私は身ぶるいしながらも振動が体に伝わって困惑している人々をしり目に家族の安否確認に走った。

3.自分の意志とは関係なく全身がわなわなと痙攣するので不安定な気持ちになっていた。百科事典やネット等で思い当たる症状を調べてみたところある病気が当てはまることが分かった。

例文1は幼い頃父に叱られた記憶が蘇り体が恐怖で震えている息子と、怒りで手が震えている父親の姿が対極的で主従関係が影響している様子が伺えますね。また、例文2は地震が発生し人々が困惑している中、救出された乗客の中に祈るような気持ちで家族の顔を探しに走る姿が想像できます。さらに例文3からは手の痙攣といった症状から、もしかすると何かしらの病気に罹患しているのではないかと不安に思っている気持ちが伝わってくるでしょう。

「わなわな」の類義語は?違いは?

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「わなわな」と似たような意味をもつ言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

その1「がたがた」

「がたがた」は「がたがた言う」の形で不快で煩雑なことを言い立てるという意味を表し、禁止・疑問・打消しなどを伴う述語にかかることが多いです。くだけた下品な表現で女性はあまり用いない傾向にありますよ。また言い立てる内容というよりは音声の大きさやうるささを問題にした表現で、不快・嫌悪・煩雑の暗示があるでしょう。さらに対象を騒音として侮蔑する暗示もあります。この「がたがた」は「ごちゃごちゃ」などに似ていますが、「ごちゃごちゃ」は言い立てる内容が無秩序で煩雑な様子を表し、不快・慨嘆の暗示がありますよ。なお「わなわな」との違いは「わなわな」は慨嘆の暗示があるという点です。

\次のページで「その2「ぶるぶる」」を解説!/

その2「ぶるぶる」

「ぶるぶる」は連続して小刻みに振動する音や様子を表しますよ。例えば「彼は怒りのあまり唇がぶるぶる震えていた」などは、怒りが原因の体の生理的な防御反応として小刻みに震える様子を表しています。ちなみに「ぶるぶる」は「がたがた」や「ぴくぴく」に似ていますが、「がたがた」は主体の重心が上下左右に動いて全体が揺れる大きな震えの暗示がありますし、「ぴくぴく」は物体が連続して小刻みに動く様子を表し、不気味・滑稽・異常の暗示を伴うことがあるでしょう。なお「わなわな」との違いは、「わなわな」は怒り・恐怖・寒さ・病気などで人体やその一部が継続して大きく震える様子を表す点です。

その3「ぞくぞく」

「ぞくぞく」は全身に震えを感じる様子を表す擬態語。例えば「得体の知れない恐怖でぞくぞくした」は「する」が付いて述語になりますし、「足元からぞくぞくと震えがくるほど寒い」は「と」が付いて述語にかかる修飾語になります。震えの原因としては悪寒・寒さ・恐怖・不快・期待・興味・快感などがあり、これらの感覚がある程度以上の強さになって体の内部に生じたとき、皮膚の表面に起こる肉体的な防御反応を直接表す表現。また「ぞくぞく」は「ざわざわ」に似ていますが、「ざわざわ」は肌の表面を粗い物で摩擦されたように不快な様子を表します。なお「わなわな」との違いは「わなわな」は継続して大きく震える様子を表すという点でしょう。

「わなわな」の対義語は?

「わなわな」と反対の意味に近い言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

その1「にっこり」

「にっこり」は声を立てずに一回笑いかける様子を表す擬態語です主体が喜び・満足・快感・上機嫌などで相手に向かって一回笑いかける様子を表し、見る者の快感・共感の暗示があるでしょう。「にっこり」は「にんまり」に似ていますが、「にんまり」は主体が満足・快感・上機嫌などで思わず笑いをもらす様子を表し、笑いを隠ぺいする暗示と見る者の不快・違和感などの暗示があります。ちなみに「にこっ」は一回笑いかける瞬間の印象をとらえた表現。

その2「にこにこ」

「にこにこ」は声を立てずに連続して笑う様子を表しますよ。また主体が喜び・満足・快感・上機嫌などで笑う様子を表し、見る者の快感・共感の暗示があります。「にこにこ」は「にたにた」や「にやにや」に似ていますが、「にたにた」は主体があまり好ましくない意図で快感・満足などを感じて笑う様子を表し、見る者の不気味・不快の暗示があります。そして「にやにや」は主体が内心の余裕・快感・侮蔑などで連続して笑いをもらす様子を表し、見る者の不可解・不快などの暗示があるでしょう。

その3「にんまり」

「にんまり」は声を立てずに一回笑いをもたらす様子を表します。「大臣は希望のポストに指名され、にんまりとほくそ笑んだ」や「今年は猛暑でビール会社はにんまりしている」など、主体が満足・快感・上機嫌などで思わず一回笑いをもたらす様子を表し、しばしば笑いを隠ぺいする暗示がありますよ。また見る者の不快・違和感などの暗示もあります。「にんまり」は「にっこり」や「にやり」に似ていますが、「にっこり」は主体が喜び・満足・快感・上機嫌などで相手に向かって一回笑いかける様子を表し、見る者の快感・共感の暗示がありますし、「にやり」は主体が内心の余裕・快感・侮蔑などで思わず一回笑いをもたらす様子を表し、見る者の不可解・不快などの暗示があるでしょう。

\次のページで「「わなわな」の英訳は?」を解説!/

「わなわな」の英訳は?

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「わなわな」の英訳にはどのようなものがあるのでしょうか。英語で「わなわな」と言い表す時の例をさっそく見ていきましょう。

「tremble」

「tremble」は「震える、身震いする、ひどく心配する」という意味です。「She was trembling with anger」で「彼女は怒りでわなわなと震えていた」、「My hand trembled with a trap and I dropped the cup」で「手がわなわなと震えてカップを取り落としてしまった」となりますよ。

「わなわな」を使いこなそう

この記事では「わなわな」の意味・使い方・類語などを説明しました。「わなわな」は継続して大きく震える様子を表す擬態語。怒り・恐怖・寒さ・病気などで人体やその一部が継続して大きく震える様子を表し慨嘆の暗示があると解説しましたね。また「わなわな」は「がたがた」や「ぶるぶる」に似ていますが、「がたがた」は主体の重心が上下左右に動いて全体が揺れる大きな震えを表し慨嘆の暗示があり、「ぶるぶる」は主体の体軸に平行の小刻みな震えを表します。そのため「手がわなわな震えた」は「カップを取り落とした」、「手ががたがた震えた」は「受け皿が音を立てた」、「手がぶるぶる震えた」は「コーヒーがこぼれた」と解釈できますよ。それぞれの意味の違いを正しく理解し表現していきましょう。

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国語言葉の意味

「わなわな」の意味や使い方は?例文や類語をプロダクション編集者がわかりやすく解説!

この記事では「わなわな」について解説する。
端的に言えば「わなわな」の意味は「恐怖・興奮・寒さなどのためにわななき震えるさま」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「わなわな」の意味や例文、類語などを見ていきます。

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仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。

「わなわな」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「わなわな」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「わなわな」の意味は?

「わなわな」には、次のような意味があります。

[副](スル)激しい怒り・恐れ・寒さなどでからだが小刻みにふるえるさま。ぶるぶる。「わなわな(と)身をふるわせる」「怒りに唇をわなわなさせる」

出典:コトバンク

「わなわな」は継続して大きく震える様子を表す擬態語怒り・恐怖・寒さ・病気などで人体やその一部が継続して大きく震える様子を表し慨嘆の暗示があります。震え方は対象の全体が一度につき動かされるニュアンスがあるでしょう。

「わなわな」の語源は?

「わなわな」は擬態表現なので語源はありませんが、漢字で「戦戦」と書きます。それでは「戦」の漢字の成り立ちについて説明しましょう。「戦」は武器を表す「戈(ホコ)」と戦う意味の音を示す「單(セン)」とを合わせた字。武器を交えて「たたかう」意味を表します。

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