

端的に言えば「むざむざ」の意味は「残念に思いながら何のなすこともないさま、惜しげのないさま、無造作なさま」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んだ。一緒に「むざむざ」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/flicker
仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。
「むざむざ」の意味は?
「むざむざ」には、次のような意味があります。
[副]価値あるものが無造作に失われるさま。やすやすと。「せっかくのチャンスをむざむざ失ってたまるか」「むざむざ(と)捨てるわけにはいかない」
出典:コトバンク
「むざむざ」は価値のある物が失われるのを残念に思う様子を表します。また、話者にとって非常に価値のある対象がほうっておけば失われてしまうのを残念に思う様子を表し、対象への愛惜・反省・慨嘆・悔恨・怒りの暗示を伴うでしょう。
「むざむざ」の語源は?
「むざむざ」の語源ははっきりとはわかっていませんが、漢字では「無残無惨」と書きます。それでは「無残無惨」の漢字の成り立ちについて説明しましょう。「無」は人がたもとに飾りをつけて踊っている姿を描いた字です。後に「ない」意味に使われるようになりました。また「残」は死をあらわす「かばねへん」と切る意味の音を示す「せん」とを合わせた字。切り殺すことから「そこなう」「むごい」意味を表しますよ。そして「惨」は心をあらわす「りっしんべん」と針の意味の音を示す「参」とを合わせた字。心を針で指すことから「こころがいたむ」意味を表します。
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