

端的に言えば「さも」の意味は「そのように、そのとおりに、いかにも、よくも」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んだ。一緒に「さも」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/flicker
仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。
「さも」の意味は?
「さも」には、次のような意味があります。
[副]《副詞「さ」+係助詞「も」から》
1 そうも。そのようにも。「然もあろう」
2 確かにそれに違いないと思われるさま。いかにも。「然もうれしそうな顔をする」
3 まったく。実に。
《副詞「しか」+係助詞「も」から》[接]
1 前述の事柄を受けて、さらに別の事柄を加えるときに用いる。その上。「あの方は私の恩師で、―命の恩人だ」
2 前述の事柄を受けて、それに反する帰結を付け加えるときに用いる。それなのに。それでも。「あれだけ練習して、―勝てなかった」
[副]そんなにまでも。
出典:コトバンク
「さも」は典型的な状態に非常によく似て見えるのを誇張する様子を表し、様態を表す表現にかかる修飾語として用いられます。ややかたい文章語で、日常会話にはあまり登場しません。「さも」は対象の状態の外見が話者の目にはある典型的な状態によく似て見える点にポイントがあり、実際に主体がそのように意図しているか、事実はどうかについては言及しません。そこで、断定的な文の述語にはかからず、述語を修飾する語句として様態の内容を説明するにとどまることが多いです。
「さも」の語源は?
次に「さも」の語源を確認しておきたいところですが、残念ながら「さも」の語源は明確には分かっていません。ちなみに「さも」は漢字で「然も」と書きます。それでは「然」の漢字の成り立ちについて説明しましょう。「然」は火を表す「レンガ」と炎の意味の音を示す「ゼン」とを合わせた字。火が燃える意味を表します。後に「燃」が「そのとおり」「そうである」の意味に使われたので、もう一つ「火」を加えた「燃(ネン)」の字で「もえる」意味を表すようになりました。
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