この記事では「くどくど」について解説する。
端的に言えば「くどくど」の意味は「話や文章が長々しつこくて煩わしいさま、同じことをしつこく繰り返すさま、思い切りの悪いさま」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「くどくど」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/flicker

仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。

「くどくど」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「くどくど」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「くどくど」の意味は?

「くどくど」には、次のような意味があります。

〘副〙 (「と」を伴って用いることもある。形容詞「くどし」の語幹を重ねた語)

① しつこく繰り返して言うさま、うるさく長々としゃべるさまを表わす語。

② 思いきりの悪いさまを表わす語。ぐずぐず。くよくよ。

出典:コトバンク

「くどくど」は同一の内容を何度も繰り返して述べる様子を表す擬態語。愚痴・弁解・説明など同一の内容を繰り返し何度も述べる様子を表し、聞き手の迷惑・侮蔑・嫌悪・不快の暗示を伴います

「くどくど」の語源は?

次に「くどくど」の語源を確認しておきましょう。「くどくど」は「口説く」から派生した言葉です。それでは「口」と「説」の漢字の成り立ちについて説明しましょう。「口」は口の形を描いた字です。「説」は言葉を表す「言(ごんべん)」と、述べる意味の音を示す「エツ」とを合わせた字。言葉で自分の考えを「のべひろめる」意味を表します。

\次のページで「「くどくど」の使い方・例文」を解説!/

「くどくど」の使い方・例文

「くどくど」の使い方について例文を挙げて解説していきます。この言葉は、たとえば以下のように用いられますよ。

1.お袋はくどくどと女房の愚痴ばかり言う。最初はあまり相手にしないようにしていたが、最近ではこちらも根負けして執拗なダメ出しに付き合っている。

2.先日、夫は帰りが遅いことを大事なお客様との打ち合わせが長引いて等とくどくど言い訳した。たいてい部下の会社での愚痴に付き合っているのだろうけど、いい加減のところで切り上げてくればいいものを。

3.エンコーディングについてくどくどと文字で説明するより図解したほうが早い。その方がデコードやコードの勉強にもなるだろう。

4.企業へのご要望という項目があったので、便利な機能をたくさん付けて欲しいといった内容をくどくどと書き連ねてしまった。

5.国語教師は生徒全員に対して提出期限を守らなかったと感情をあらわにしてくどくどと説教して回った。

例文1からは愚痴を言われることが煩わしいという気持ちが伝わってきますし、例文2からははっきりしない思い切りの悪いさまが言い訳のように聞こえると思われている様子が伺えます。例文3は長々と話すこと、例文4は長々と書くこと、例文5は説教することについてしつこいと感じていますよ。

「くどくど」の類義語は?違いは?

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「くどくど」と似たような意味をもつ言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

その1「くだくだ」

「くだくだ」は不必要な内容を何度も繰り返して述べる様子を表す副詞説明や弁解・説教など、まとまってはいるが聞き手にとって不必要な内容を何度も繰り返し述べる様子を表し、聞き手の迷惑・不快・焦燥の暗示を伴います。また「くだくだ」は「くどくど」や「ごたごた」に似ていますが、「くどくど」は繰り返される内容が同一で聞き手の侮蔑・嫌悪の暗示が強く出ますし、「ごたごた」は聞き手にとって不快で煩雑な内容を多量に言い立てる様子を表し不快と怒りの暗示があるでしょう。なお「くどくど」との違いは「くどくど」は同一の内容を何度も繰り返して述べる様子を表す点です。

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その2「ごたごた」

「ごたごた」は不快で煩雑な内容を多量に言い立てる様子を表し、単独で「言う」などの述語にかかる修飾語になります。話者が発言を騒音ととらえている暗示があり、不快と怒りの暗示がありますよ。この「ぐだぐた」は「ごちゃごちゃ」や「ぐだぐた」に似ていますが、「ごちゃごちゃ」は発言の細部は問題にせず全体を騒音ととらえており、怒りよりは慨嘆の暗示が強くなります。また「ぐだぐだ」は不必要な内容を繰り返し述べる様子を表し、不快・焦燥・怒りの暗示があるでしょう。なお「くどくど」との違いは「くどくど」は愚痴・弁解・説明など同一の内容を繰り返し何度も述べる様子を表す点です。

その3「くどくどしい」

「くどくどしい」は非常にくどい様子を表します。また、何度も同じことを繰り返すのが不快な様子を表す「くどい」の実感として強調した語おもに言語行為について用いられ、人の性質を表す語としては用いられません。「彼は遅刻の理由をくどくどしく弁解した」のように述語を修飾する形としては「くどくどと」のほうがよりふつうに用いられます。なお「くどくど」との違いは「くどくどと」は擬態語なのに対して「くどくどしい」は形容詞だという点でしょう。

「くどくど」の対義語は?

「くどくど」と反対の意味に近い言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

その1「さばさば」

「さばさば」は執着がなくなって爽快である様子を表す擬態語。例えば「大家のおじさんは短気だがさばさばした人だ」は「…した」が付いて名詞にかかる修飾語になりますし、「洗いざらい言ってやってさばさばしたよ」は「…する」が付いて述語になります。また、しばしば主体に不利な状況において主体の側の問題を全て解決してあとに何も残ってない様子を表し、あきらめ・爽快の暗示があるでしょう。「さばさば」は「さっぱり」に似ていますが、「さっぱり」は執着がなくて爽快である様子を表し清涼感・快感の暗示はありますが、あきらめの暗示はありません。

その2「さっぱり」

「さっぱり」は否定の程度が非常にはなはだしいことを誇張する様子を表しますよ。例えば「医者にもらった薬を飲んだがさっぱり効かない」などは単独で打消しや否定を伴う述語にかかる修飾語になりますし、「冷夏でビールの売り上げはさっぱりだった」などは「だ」が付いて述語になります。「さっぱり」は肯定の可能性がまったくないことを表し、話者がその理由を理解していない暗示がありますよ。またこの「さっぱり」は「ぜんぜん」に似ていますが「ぜんぜん」は理由については言及しません。

その3「あっさり」

「あっさり」は執着が少なく淡泊である様子を表す擬態語。「和食は一般にあっさりしている」や「兄は物事にこだわらないあっさりとした性格だ」など一般に濃厚なものより淡泊なものを好む日本文化の特徴が表れています。この「あっさり」は「さっぱり」に似ていますが、「さっぱり」は執着がなくて爽快である様子を表し清涼感の暗示がありますよ。また「あっさり」は物事が簡単に決着がつく様子を表しますし、「その小学生は難問をあっさり解いた」など物事が予想に反して簡単に決着がつくことについて物足りなさの暗示があります。この「あっさり」は「すんなり」に似ていますが、「すんなり」は物事が抵抗なく進行・成就する様子を話者が意外性の暗示を伴って述べますよ。

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「くどくど」の英訳は?

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「くどくど」の英訳にはどのようなものがあるのでしょうか。英語で「くどくど」と言い表す時の例をさっそく見ていきましょう。

「harp on one string」

「harp on one string」は「同じことを繰り返す、くどくど説教する」という意味です。「Education teachers are hated because they say the same thing」で「教育指導の先生は同じことをくどくど言うので嫌われている」、「Briefly tell us what happened, you don't have to mess around」で「何が起こったか手短に話してください、くどくど言う必要はありません」となりますよ。

「くどくど」を使いこなそう

この記事では「くどくど」の意味・使い方・類語などを説明しました。「くどくど」は同一の内容を何度も繰り返して述べる様子を表す擬態語。愚痴・弁解・説明など同一の内容を繰り返し何度も述べる様子を表し、聞き手の迷惑・侮蔑・嫌悪・不快の暗示を伴うと解説しましたね。また「くどくど」は「くだくだ」や「ごたごた」に似ていますが、「くだくだ」は聞き手が不必要だと感じている様子を表し、迷惑・不快・焦燥の暗示を伴いますし、「ごたごた」は聞き手にとって不快で煩雑な内容を多量に言い立てる様子を表し、不快・怒りの暗示がありますよ。ニュアンスの違いに注目しましょう。

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国語言葉の意味

「くどくど」の意味や使い方は?例文や類語をプロダクション編集者がわかりやすく解説!

この記事では「くどくど」について解説する。
端的に言えば「くどくど」の意味は「話や文章が長々しつこくて煩わしいさま、同じことをしつこく繰り返すさま、思い切りの悪いさま」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「くどくど」の意味や例文、類語などを見ていきます。

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仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。

「くどくど」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「くどくど」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「くどくど」の意味は?

「くどくど」には、次のような意味があります。

〘副〙 (「と」を伴って用いることもある。形容詞「くどし」の語幹を重ねた語)

① しつこく繰り返して言うさま、うるさく長々としゃべるさまを表わす語。

② 思いきりの悪いさまを表わす語。ぐずぐず。くよくよ。

出典:コトバンク

「くどくど」は同一の内容を何度も繰り返して述べる様子を表す擬態語。愚痴・弁解・説明など同一の内容を繰り返し何度も述べる様子を表し、聞き手の迷惑・侮蔑・嫌悪・不快の暗示を伴います

「くどくど」の語源は?

次に「くどくど」の語源を確認しておきましょう。「くどくど」は「口説く」から派生した言葉です。それでは「口」と「説」の漢字の成り立ちについて説明しましょう。「口」は口の形を描いた字です。「説」は言葉を表す「言(ごんべん)」と、述べる意味の音を示す「エツ」とを合わせた字。言葉で自分の考えを「のべひろめる」意味を表します。

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