
その2「ぼけっ」
「ぼけっ」は意識が空白になっている様子を表す副詞です。主体の意識が空白になっているためにしばしば幼児的な表情をしているニュアンスで、幼稚・親愛の暗示があるでしょう。また「ぽけっ」は「ぼけっ」や「ぽかん」に似ていますが、「ぼけっ」は思考力などが衰えて焦点が合わず集中・緊張ともに失われている様子を表し、主体の無為・怠惰・耄碌と話者の慨嘆・侮蔑の暗示があります。また「ぽかん」は口を大きく空けて放心している様子を表し、思考の停止・不可解・無防備の暗示がありますよ。
その3「ゆるゆる」
「ゆるゆる」は余裕があるのを実感している様子を表しますよ。やや古風な表現で若い人は用いません。例えば「山間の湯治場にゆるゆると長逗留した」「君のことはいずれゆるゆると会長に紹介するつもりだよ」など述語にかかる修飾語になります。また、主体が心理的に解放されて余裕を実感している様子を表し弛緩の暗示があるでしょう。この「ゆるゆる」は「ゆるり」に似ていますが、「ゆるり」は余裕の実感が完結するニュアンスで安楽の暗示があります。
「clever」
「clever」は「抜け目のない、そつのない」という意味です。「You’re clever to force him into a difficult job」で「彼に難しい仕事を押し付けるなんて君もちゃっかりしている」、「That kid is really clever like his brother」で「あの子は兄に似て本当にちゃっかりしているよ」と表現することができますよ。
「ちゃっかり」を使いこなそう
この記事では「ちゃっかり」の意味・使い方・類語などを説明しました。「ちゃっかり」は自分の利益になるように要領よく行動する様子を表す擬態語。主体が自分の利益を要領よく確実に確保する様子を話者があきれ・嫌悪の暗示を伴って述べると解説しましたね。また「ちゃっかり」は「ぬけぬけ」に似ていますが、「ぬけぬけ」は主体が恥や遠慮もなく大胆に行動する様子をあきれの暗示を伴って述べます。そのため「特別席が空いているのをいいことに、ぬけぬけと座り込んだ」は間違った用法で、正しくは「特別席が空いているのをいいことに、ちゃっかりと座り込んだ」と表現しますよ。適切な表現を心掛けるようにしましょう。