
「ちゃっかり」の使い方・例文
「ちゃっかり」の使い方について例文を挙げて解説していきます。この言葉は、たとえば以下のように用いられますよ。
1.彼は特別席が空いているのをいいことに、料金も払わずちゃっかり座り込んだ。無料でサービスを受けられると考えたのかスマホで動画を再生し始め、安心してふるさとに帰って行った。
2.混雑に紛れて列の先頭に並んでしまうとはちゃっかりした奴だ。こういうタイプはどさくさに紛れて他人を出し抜くことに比較的長けているんだよな。あなたの学校にも真っ先に先生にチクったり悪口を吹き込んだりする奴がいるだろう。
3.だれに似たのかあの子はちゃっかりしてるよ。用を頼めば足代を要求するんだもの。昨日はクラブ活動の帰りにおすすめのプレミアムパンケーキが食べたいとせがまれて、サンシャインまで連れて行ったんだよ。少しは遠慮してくれ。
4.最近の子はみんな、飯は上司がおごるものだと思い込んでいるちゃっかりやで、「ごちそうさま」の一言もない。すこしは感謝の気持ちを口にしてもいいだろう。俺はお前らのサポーターか。
ここでは「ちゃっかり」の用法について説明しましょう。例文1は単独で名詞にかかる修飾語、例文2は「…した」が付いて名詞にかかる修飾語になります。また例文3は「…している」が付いて述語、例文4は「ちゃっかり屋」の形で名詞を作りますよ。
その1「抜け目ない」
「抜け目ない」は手抜かりなく自分の利益をはかる様子を表す形容詞。述語にかかる修飾語として連用形で用いる場合には「抜け目なく」を用い、名詞にかかる修飾語や述語で用いる場合には「抜け目がない・抜け目のない」などの連語の形を用いることが多いです。また「抜け目ない」は自分の利益をはかることに油断がなく、訪れた機会を無駄にしない様子をやや客観的に述べるニュアンスがあり、怒りや慨嘆の暗示は少ないでしょう。
ちなみに「抜け目ない」は「ずる賢い」や「小賢しい」などに似ていますが、「ずる賢い」が悪意のある賢さを表し嫌悪の程度が高く、「小賢しい」では主体に対するはっきりした侮蔑の暗示のある点が異なります。なお「ちゃっかり」との違いは「ちゃっかり」は自分の利益になるように要領よく行動する様子を表す点。
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