

なんかの漫画で『一向に構わん』ってセリフをみたことがあるが、「一向に」ってなんとなく否定的な言葉ってイメージだよな。だいたいの意味はわかりそうだが、改めて説明しろ、と言われると戸惑わないか?
今回は上司の指示に一向に従わないライターである、ぷーやんを呼んだ。その頑固な頭で、「一向に」の意味と使われ方について、説明してもらおう。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/ぷーやん
webライター歴6年。鍛えられた語彙と文章力は本業でも発揮され、社内ルールの書き換え担当に。興味のないことや気に食わないことは一向に受け入れずに、周囲の人をやきもきさせている。
「一向に」の意味って?

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辞書を用意する前に、言葉の意味を調べるには読み方がわからないといけませんよね。「一向に」は「いっこうに」と読みます。「ひとむきに」ではないのでご注意を。それでは、「一向に」の意味をみていきましょう。
辞書にみる「一向に」
まずは、「一向に」を辞書でみてみましょう。
[副](「一向に」の形で用いる)
1全然。まったく。「何を言われても―に動じない」
2(あとに打消しの語を伴って)ちっとも。少しも。「―に存じません」「服装には―に構わない」
3ひたすら。いちずに。
「その儀では候はず、―御一家の御上とこそ承り候へ」〈平家・二〉
4いっそのこと。むしろ。
「さもなくば―に時宗が首討って」〈浄・大磯虎〉
出典:デジタル大辞泉(小学館) 「一向」
1と2の意味で用いられることが、ほとんどではないでしょうか。多くの場合、『一向に○○ない』という形で見かけますね。
例文で「一向に」の使い方を確認!
辞書で「一向に」の意味をみましたが、使い方の実例も知りたいところでしょう。以下に「一向に」を使った例文を示します。
1.夏休みの自由研究のテーマを一向に決められないので、ヒントを得るためにネット検索した。
2.待てども待てども、一向に来る気配がない。
3.私の班は情報も意見も常に共有する体制を取っているので、班長の自分が数日いなくても、一向に問題ない。
いずれの例文も、「まったく」あるいは「ちっとも」と読み替えても、「一向に」違和感がありませんね。
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