この記事では「いずれ」について解説する。
端的に言えば「いずれ」の意味は「何にしても、どのみち、いつとは言えないが近い将来」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「いずれ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/flicker

仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。

「いずれ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「いずれ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「いずれ」の意味は?

「いずれ」には、次のような意味があります。

[代]不定称の指示代名詞。どれ。どちら。どっち。

[副]

1 いろいろな過程を経たうえでの結果をいう。いずれにしても。結局。

2 あまり遠くない将来をいう。そのうちに。近々。

[代]不定称の指示代名詞。

1 限定されたものの中から選び出すものをさす。どのこと。どのもの。

2 不明・不特定の場所をさす。どこ。

3 不特定の人をさす。だれ。

出典:コトバンク

「いずれ」は複数のもののうちの一つについての疑問を表します。また、時間の進行に伴って自然に成就する様子も表しますよ。とてもかたい文章語で日常会話ではあまり用いられません。ふつうは「どれ」「どちら」を用いるでしょう。「いずれ」は述語にかかる修飾語として用いられることが多いですが、述語部分を省略して感動詞的に用いられることもあります。

「いずれ」の語源は?

次に「いずれ」の語源を確認しておきましょう。拾遺和歌集の中に「浜の真砂と我が恋といずれまされりおきつしまもり」という一節があります。真砂の数と我が恋の数、どちらが多いかと問いかけている内容ですが、この「いずれ」がそもそもの起こりだと言われていますよ。ちなみに漢字で「いずれ」は「何れ・孰れ」と書きます。それでは「何」の漢字の成り立ちについて説明しましょう。「何」は人あらわす「にんべん」と肩に荷物を担ぐ意味の音を示す「可」とを合わせた字です。後に、この字を疑問を表す言葉に使うようになったので、「かつぐ」「になう」というもとの意味には、同じ音の「荷」の字をあてて表しました。

\次のページで「「いずれ」の使い方・例文」を解説!/

「いずれ」の使い方・例文

「いずれ」の使い方について例文を挙げて解説していきます。この言葉は、たとえば以下のように用いられますよ。

1.選手たちはいずれ劣らぬつわものぞろいだ。みんながみんな達人と言ってもいい。

2.いずれが菖蒲か杜若。

3.どんなに隠しても真相はいずれわかるさ。チェック体制が甘いんだよ。

4.彼にはいずれはうちの課へ来てもらうつもりだ。

例文1は「いずれ劣らぬ□□」という慣用句で、どちらをとっても同じような□□という意味です。例文2はことわざで、どれがアヤメかカキツバタか分からないほどみな美しいという意味。美人や美しいものがたくさん並んでいるときなどの形容として用いられますよ。例文3は時間が進行しさえすれば他の条件には関係なくという意味。例文4は近い将来という意味で、物事が未来のある時点に確実に成就するという話者の確信が暗示されています。

「いずれ」の類義語は?違いは?

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「いずれ」と似たような意味をもつ言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

その1「どっちみち」

「どっちみち」は結果が決まっている様子を表し、述語にかかる修飾語として用いられます。過程はどうあれ結果が決まっていることについて納得とあきらめの暗示がありますよ。「どっちみち」は「いずれにしても」や「どうせ」に似ていますが、「いずれにしても」は客観的な表現で特定の感情を暗示しません。また「どうせ」は条件に関わらず、いつも一定の結果になることについての強い侮蔑の暗示があります。ちなみに「どっちみち」は「どのみち」と基本的に同じ意味ですが、「どのみち」のほうが文章語的で日常会話ではあまり用いられません。「いずれ」との違いは「いずれ」は時間の進行に伴って自然に成就する様子を表すという点でしょう。

\次のページで「その2「いずれにせよ」」を解説!/

その2「いずれにせよ」

「いずれにせよ」はある条件を考慮に入れて譲歩する様子を表し、述語にかかる修飾語として用いられます。また、条件を示す場合と条件を示さずに文頭に置いて用いる場合とがありますよ。「いずれにせよ」は「どっちにしても」という意味ですが、さまざまの条件を考慮に入れてもそれらに関係なく一定の結果なり判断なりが下るという意味で、とても客観的なニュアンスのある語です。

なお「どっちにしても」よりも度量の広さが暗示されています。ちなみに「どっちみち」「どうせ」などにも似たような意味がありますが、「どっちみち」には納得とあきらめの暗示、「どうせ」には侮蔑の暗示を伴いますよ。「いずれ」との違いは「いずれ」は複数のもののうちの一つについての疑問を表すという点です。

その3「どうせ」

「どうせ」は必ず一定の結果になることを侮蔑または自嘲する様子を表す副詞です。条件によらず必ず一定の結果になることを予め予測する文脈で用いられ、いつも同じ結果にしかならないことについて強い侮蔑の暗示があるでしょう。この「どうせ」は「しょせん」に似ていますが、「しょせん」はさまざまな条件にも関わらず、結果が予想どおり好ましくないというニュアンスであきらめと慨嘆の暗示があります。なお「いずれ」との違いは「いずれ」は時間の進行に伴って自然に成就する様子を表すという点でしょう。

「いずれ」の対義語は?

「いずれ」と反対の意味に近い言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

その1「いつになったら」

「いつになったら」は物事が成就する時についての疑問を表し、述語にかかる修飾語として用いられます。また物事の成就を待つ間の焦燥や期待の暗示がありますよ。物事が成就するがポイントですので、過去の時についての疑問の場合には用いられません

その2「まちどおしい」

「まちどおしい」は好ましいことの実現を強く望んでいる様子を表す形容詞将来の好ましいことを早く実現してほしいという気持ちで待ち望む様子を表します。「おまちどうさま」は慣用句。人を待たせた場合にその人の待ち望む気持ちをねぎらう意味で、「さぞ待ち遠しかったでしょう」という同情の気持ちから発した表現です。ただし、現在ではとても形式的になっていて食堂やレストランで注文された料理を届ける場合に用いられ、現実にどのくらい待たせたかは問題にしていません。待ち合わせをして相手を待たせた場合には「お待たせしました」のほうがよく用いられますよ。

「いずれ」の英訳は?

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「いずれ」の英訳にはどのようなものがあるのでしょうか。英語で「いずれ」と言い表す時の例をさっそく見ていきましょう。

\次のページで「「Either」」を解説!/

「Either」

「Either」は「どちらかの、いずれか一方の」という意味です。「Either Both work and play are necessary for good health」で「仕事と遊びはいずれも健康に必要である」、「Either You can choose Spanish, French or German」で「スペイン語、フランス語、ドイツ語のいずれかを選択できる」と表現することができますよ。

「いずれ」を使いこなそう

この記事では「いずれ」の意味・使い方・類語などを説明しました。「いずれ」は複数のもののうちの一つについての疑問や、時間の進行に伴って自然に成就する様子を表す副詞だと解説しましたね。また「いずれ」は「どのみち」や「どっちみち」に似ていますが、「どのみち」「どっちみち」は結果が決まっていることについて納得とあきらめの暗示があります。また「やがて」や「そのうち」などにも似ていますが、「やがて」は指す時間がとても離れていますし、「そのうち」は未来のある時間の幅を漠然と示し、しばしば無関心や無責任の暗示を伴いますよ。

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「いずれ」の意味や使い方は?例文や類語をプロダクション編集者がわかりやすく解説!

この記事では「いずれ」について解説する。
端的に言えば「いずれ」の意味は「何にしても、どのみち、いつとは言えないが近い将来」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「いずれ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/flicker

仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。

「いずれ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「いずれ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「いずれ」の意味は?

「いずれ」には、次のような意味があります。

[代]不定称の指示代名詞。どれ。どちら。どっち。

[副]

1 いろいろな過程を経たうえでの結果をいう。いずれにしても。結局。

2 あまり遠くない将来をいう。そのうちに。近々。

[代]不定称の指示代名詞。

1 限定されたものの中から選び出すものをさす。どのこと。どのもの。

2 不明・不特定の場所をさす。どこ。

3 不特定の人をさす。だれ。

出典:コトバンク

「いずれ」は複数のもののうちの一つについての疑問を表します。また、時間の進行に伴って自然に成就する様子も表しますよ。とてもかたい文章語で日常会話ではあまり用いられません。ふつうは「どれ」「どちら」を用いるでしょう。「いずれ」は述語にかかる修飾語として用いられることが多いですが、述語部分を省略して感動詞的に用いられることもあります。

「いずれ」の語源は?

次に「いずれ」の語源を確認しておきましょう。拾遺和歌集の中に「浜の真砂と我が恋といずれまされりおきつしまもり」という一節があります。真砂の数と我が恋の数、どちらが多いかと問いかけている内容ですが、この「いずれ」がそもそもの起こりだと言われていますよ。ちなみに漢字で「いずれ」は「何れ・孰れ」と書きます。それでは「何」の漢字の成り立ちについて説明しましょう。「何」は人あらわす「にんべん」と肩に荷物を担ぐ意味の音を示す「可」とを合わせた字です。後に、この字を疑問を表す言葉に使うようになったので、「かつぐ」「になう」というもとの意味には、同じ音の「荷」の字をあてて表しました。

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