この記事では「いざこざ」の言葉の意味を説明する。
「いざこざ」とは簡単に言うと社会生活におけるもろもろの「小さな争いごと」。ちょっとした口げんか、気持ちのすれ違い、トラブルなどをひっくるめて「いざこざ」と表現する。より詳しい意味、ニュアンスなどを知ることで使えるシーンが増えるでしょう。
今回、語学系主婦ライターの小島ヨウを呼んです。一緒に「いざこざ」の言葉を説明していく。

ライター/小島 ヨウ

言葉の使い方、漢字の意味に興味を持ち、辞典で調べまくるアナログ主婦ライター。分かりやすく、読みやすい文章を心がけている。

「いざこざ」の意味・使い方

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人が集まれば、考え方・価値観の違いなどでちょっとした言い争いは日常茶飯事で起こります。意見をつらぬきたい、お金が欲しい、恋人になりたい…気持ちと願望・都合などが交差して、様々なトラブルに発展することはまれではありません。そんな家庭内や個人間の不和やケンカなどを総じて「いざこざ」と表現します。

それでは、言葉の意味や類語、対義語などを詳しくみていきましょう。

「いざこざ」の意味

それではまず辞書で「いざこざ」の意味を調べてみます。

もめごと。争いごと。ごたごた。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「いざーこざ」より

辞書の意味はシンプル過ぎて、ちょっとわかりづらいですね。「もめごと」と「ごたごた」の意味は類語の項で説明するので置いておきますね。

「いざこざ」とは物事がうまくいかなくて混乱したり、ちょっとした争いが起こっていたり、面倒が発生していたりすることです。単発でなく、次々とまた同時にあれこれ起こると「いざこざが絶えない」という表現になります。

「いざこざ」の語源

語源、由来ははっきりとしていないようですが、江戸時代後期(1780年ごろ)から、双方の意見が合わずにもめることをいさくさ・いざこざ、といっていたようです。

「いさくさ」の意味は「いざこざ」と同じですが、ほかにも「ぐずぐず・つべこべ」「苦情・文句」など。また同時期の談義本で「委細巨細(いざこざ)」と使われています。「委細(いさい)」は細かく詳しいこと、「巨細(こさい)」は大きなことと小さなことの意味です。「紛糾」をいざこざとふりがなにした小説の一節もありますが、いずれにせよ「いざこざ」はひらがなで使われています。

「いざこざ」の使い方・例文

使ってみる方が意味をよく理解できるかもしれません。例文でチェックしましょう。

\次のページで「「いざこざ」の類語は?」を解説!/

1.借金、交通事故、離婚…兄の家族はいざこざが絶えない。
2.厄介な上司、同僚とのいざこざに耐えられず、彼女は会社を辞めた。
3.社内の権力闘争、親戚どうしのいざこざに巻き込まれ、彼は波乱の人生を送った。

どの例文も、個人や家族親戚間の争い・混乱などを「いざこざ」と表現しています。1.は具体的に出来事を羅列していますが、2.3.はさまざまな面倒や不穏で不快な事柄をひっくるめて「いざこざ」との表現です。

「いざこざ」の類語は?

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では、「いざこざ」の類語を確認していきましょう。今、説明してきた中でもたくさんの類語を使っていますね、詳しく説明します。

もめごと:争いごと

「もめごと」は争いごと、いざこざ、ごたごたのことで、漢字では「揉め事」と書きます。「揉」の漢字はもむこと・もんでやわらかくすることですが、あることが原因で争いが起こることを「もめる」と表現。「PTAの役員選びでもめた」「お金のことで夫婦がもめる」と使われ、そういった出来事を「もめごと」と表します。

ごたごた:雑然としたもめごと

「ごたごた」は大きく2つの使い方があり、アクセントで違います。まず、最初の「ご」にアクセントを置く「ごたごた」は副詞で、雑然としたごちゃごちゃな様・混乱や争いが起こっている様子を表現。「部屋がごたごたしている」「交際相手とごたごたした」と使われます。

二字目以降の「たごた」にアクセントを置く「ごたごた」は名詞・形容動詞。「実家とごたごたが絶えない」と「いざこざ」と同様に使ったり、「机の上のごたごたを整理する」と乱雑に散らかった物品そのものを表したりします。

雑然(ざつぜん)はいろんなものが入り混じってまとまりがない様。人間関係、物事であれ、雑然が「ごたごた」のニュアンスです。「いざこざ」は個人の争い・混乱全般をいうので、ここに言葉の違いがあります。

悶着(もんちゃく):感情や意見の食い違いによるもめごと

「悶着」は感情や意見の食い違いから起こるもめごとを意味します。ちょっとした騒動を表して「一悶着(ひともんちゃく)」と漢数字の「一」を付けて使われることが多い言葉です。剣呑な雰囲気から「一悶着ありそうだ」と予測でも用いります。

「いざこざ」の対義語はなんだろう?

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「いざこざ」がなければ、私たちは平穏無事な生活をしていられます。お互いいがみあたったり、けんかしたりしないこと、が「いざこざ」の対義語になるのではないでしょうか。抽象的な言葉ですが、ご紹介します。

平和:おだやかなこと

「平和(へいわ)」とは戦争や紛争、心配やもめごとがなく、おだやかな状態です。「穏(おだ)やか」とは、静かでのどか、安らかなこと。「世界に平和を」「平和な暮らしがしたい」と、誰しも望んでいることではないでしょうか。

和平(わへい):仲直りして平和になること

「和平(わへい)」は人や国が争いをやめて仲直りして、平和になることです。「すれ違いをしっかり話し合って彼と和平した」「国境の小ぜりあいを止め、和平の道を探る」と使われます。

「いざこざ」を英訳してみよう!

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では、「いざこざ」を英語で表してみましょう。日本語でも使われる「トラブル」が英語でも有効ですよ。ほかにも類語はたくさんありますが、比較的簡単で使えるものをご紹介します。

trouble:面倒、不具合

「trouble」は心配、悩み、面倒なこと、迷惑からもめごと、ごたごたまで様々な意味で使える単語です。日本語同様、故障や病気などにも対応します。

\次のページで「bother:もめごと、騒ぎ」を解説!/

・He always has family troubles.
(彼は家のいざこざが絶えない)
・I was in big trouble.
(大きな悩み事があった)
・She has stomach trouble.
(彼女は胃が病んでいる)

bother:もめごと、騒ぎ

「bother」も悩ます、邪魔をする、困ったこと、と訳される単語です。「My sister is bothering me.」(妹にいらいらする)と使われます。

「bother」は邪魔をしたり心配をかけたりして誰かを困らせる・イライラさせるというニュアンスの英単語。「annoy」はもう少し強く、いやなことで相手を悩ませる意、「worry」は不安や気苦労で心配させる意の言葉です。

「いざこざ」だらけの日常、ストレスにご注意

この記事では「いざこざ」の意味・使い方・類語などを説明しました。「いざこざ」は意見・価値観の違いで起こる個人間の不和・争い・混乱のこと。「もめごと」「ごたごた」などの類語があり、英語でも「trouble」が使われることが分かりましたね。

口は災いの元、ネットの書き込みを慎重にしていても、巻き込まれるのが「いざこざ」。ささいなことがこじれて大事件になったニュースもちまたにあふれています。人は「いざこざ」の渦中で生活しているのでしょう。心が病まないよう自衛しなければなりませんね。

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国語言葉の意味

「いざこざ」って何?意味や使い方・「ごたごた」との違い・類語などを語学系主婦ライターがわかりやすく解説

この記事では「いざこざ」の言葉の意味を説明する。
「いざこざ」とは簡単に言うと社会生活におけるもろもろの「小さな争いごと」。ちょっとした口げんか、気持ちのすれ違い、トラブルなどをひっくるめて「いざこざ」と表現する。より詳しい意味、ニュアンスなどを知ることで使えるシーンが増えるでしょう。
今回、語学系主婦ライターの小島ヨウを呼んです。一緒に「いざこざ」の言葉を説明していく。

ライター/小島 ヨウ

言葉の使い方、漢字の意味に興味を持ち、辞典で調べまくるアナログ主婦ライター。分かりやすく、読みやすい文章を心がけている。

「いざこざ」の意味・使い方

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人が集まれば、考え方・価値観の違いなどでちょっとした言い争いは日常茶飯事で起こります。意見をつらぬきたい、お金が欲しい、恋人になりたい…気持ちと願望・都合などが交差して、様々なトラブルに発展することはまれではありません。そんな家庭内や個人間の不和やケンカなどを総じて「いざこざ」と表現します。

それでは、言葉の意味や類語、対義語などを詳しくみていきましょう。

「いざこざ」の意味

それではまず辞書で「いざこざ」の意味を調べてみます。

もめごと。争いごと。ごたごた。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「いざーこざ」より

辞書の意味はシンプル過ぎて、ちょっとわかりづらいですね。「もめごと」と「ごたごた」の意味は類語の項で説明するので置いておきますね。

「いざこざ」とは物事がうまくいかなくて混乱したり、ちょっとした争いが起こっていたり、面倒が発生していたりすることです。単発でなく、次々とまた同時にあれこれ起こると「いざこざが絶えない」という表現になります。

「いざこざ」の語源

語源、由来ははっきりとしていないようですが、江戸時代後期(1780年ごろ)から、双方の意見が合わずにもめることをいさくさ・いざこざ、といっていたようです。

「いさくさ」の意味は「いざこざ」と同じですが、ほかにも「ぐずぐず・つべこべ」「苦情・文句」など。また同時期の談義本で「委細巨細(いざこざ)」と使われています。「委細(いさい)」は細かく詳しいこと、「巨細(こさい)」は大きなことと小さなことの意味です。「紛糾」をいざこざとふりがなにした小説の一節もありますが、いずれにせよ「いざこざ」はひらがなで使われています。

「いざこざ」の使い方・例文

使ってみる方が意味をよく理解できるかもしれません。例文でチェックしましょう。

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