
「委細」は自分で使うことはあまりない言葉ですが、字面をみる限り「細かいこと」って意味でしょうと想像できるな。同じような意味のことを伝えたいなら、俺だったら「詳細」と言いそうです。ところが「委細」と「詳細」は、厳密には意味が違うんだってよ。間違って使って恥をかくところだったぜ。
今回は細かいことばかりに気を取られて、なかなか進歩しないライターのぷーやんを呼んです。「委細」の意味と使われ方について、説明してもらう。
- 「委細」の意味とは?
- 「委細」を辞書でみてみよう!
- 例文で「委細」の使い方を確認!
- 意外と多い?「委細○○」
- 「委細」の類義語には何がある?それぞれの違いは?
- 詳細:細部まで詳しいこと
- 仔細:詳しい事情・特別の理由
- 「委細」「仔細」「詳細」の違いとは?
- 「委細」の対義語3選!
- 概略:大体の内容
- あらすじ:およその筋道・あらまし
- 大意(たいい):おおよその趣旨
- 「委細」は英語ではなんという?
- detail:委細・詳細
- particulars:委細・詳細
- 夏目漱石の作品にも登場!「委細頓着」
- 夏目漱石の『夢十夜』とは?
- 『第六夜』に出てくる「委細頓着」
- 『第六夜』はどう解釈すればいい?
- 「委細」は気づけど気にしすぎずに
この記事の目次

ライター/ぷーやん
webライター歴6年。鍛えられた語彙と文章力は本業でも発揮され、社内ルールの書き換え担当に。『木をみて森をみず』な細かくてせせこましい性格。
「委細」の意味とは?

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「委細」は桜木先生の仰るように、なかなか自分で使うことはない言葉かもしれませんね。しかしそういった言葉でも、職場や学校の書類や、街中で触れることがあるかもしれません。そんな「委細」について、まずは意味をしっかり押さえていきましょう。
「委細」を辞書でみてみよう!
辞書で単語の意味を引くには、読み方を知らなければなりませんね。「委細」は「いさい」と読みます。それでは、「委細」を辞書でみてみましょう。
1 細かく詳しいこと。詳しい事情。詳細。「―は面談の上で」
2 (副詞的に用いて)細かいことまですべて。万事。「―承知した」
出典:デジタル大辞泉(小学館) 「委細」
辞書での意味を見る限り、桜木先生がご指摘されている「詳細」との違いがちょっと分からない、という方も多いのではないでしょうか。この点については、あとで類義語のご紹介とともに示します。
例文で「委細」の使い方を確認!
単語を辞書引きしただけでは、その使い方にはまだ不安が残るものです。次に、「委細」の使い方を例文で示します。
1.人物像の委細を把握するためには、実際に会ってみるのが手っ取り早い。
2.ことの委細はわかった。今回のケンカについては、君の方に落ち度があると思うよ。
両方とも名詞として「委細」を使っています。人となりや出来事の背景や事情を含んだ、詳しいことという意味ですね。辞書にある副詞的な用法には、次の項でご紹介します。
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