この記事では「依拠」について解説する。

端的に言えば依拠の意味は「よりどころ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元大手予備校校舎長で大学入試の国語指導歴が長いライターのみゆなを呼んです。一緒に「依拠」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/みゆな

元大手予備校校舎長、現在は教育系のライター。国語、特に現代文の指導経験が豊富。難解な言葉や表現を中高生がスラスラ理解できるように解説するのが大得意。

「依拠」の意味や語源・使い方まとめ

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「依拠」は「いきょ」と読みます。読み方は難しくないのですが、日常会話であまり使う言葉ではありませんね。そのため正しい意味と言われるとちょっと…という方も多いようです。「依拠」はニュースやビジネスの交渉の場、また著作権などの話題で登場する言葉なので、知っていて損はありません。

今回は「依拠」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「依拠」の意味は?

「依拠」には、次のような意味があります。

あるものに基づくこと。よりどころとすること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「依拠」

「依拠」の意味を一言で言うと「よりどころ」です。物事や存在を頼りにするということを表します。例文を見てみた方が理解しやすいと思いますので、後述の「例文」項目をぜひ読んでみてください。

著作権の世界では「依拠性」という言葉が登場します。「依拠性」とは他人の著作物の内容を知って、その他人の著作物の内容に基づいて著作物を作出していることを指す言葉です。意図的に相手の作品を真似た場合は著作権侵害にあたりますが、他人の著作物について全く知らずたまたま作品が似通ったという場合はう著作権侵害にはあたりません。

「依拠」の語源は?

次に「依拠」の語源を漢字の意味から確認しておきましょう。

「依」は「頼る、従う」という意味です。また「拠」は「何かをするための頼りとなる足場」という意味を持っています。この2つの漢字が組み合わさった「依拠」は、ある物事・存在を頼りにするという意味になりました。

\次のページで「「依拠」の使い方・例文」を解説!/

「依拠」の使い方・例文

「依拠」は例文を見ながら理解したほうが分かりやすい言葉です。いくつか例を見ていきましょう。

1.あのマーケティング理論は行動経済学に依拠している。
2.新しいマンションは新耐震基準法に依拠して建てられる予定だ。
3.今回の裁判は先例に依拠して判決が下された。

例文を見て分かるように「依拠」は法律や裁判、ビジネスシーン等の堅い場面で使われることが多い言葉です。また「依拠」という名詞も存在しますが、実際に使われるときには「依拠する」と動詞になることが多い点も知っておきましょう。

例文1は「マーケティング理論は行動経済学を土台にしている」という意味になります。例文2は「マンションは新耐震基準法を守って建てられる」という意味、例文3は「先例をもとにして下された判決」という意味です。「よりどころ」というと抽象的で理解が難しいのですが、このように例文に当てはめてみると「依拠」が持つニュアンスが良く分かりますね。

「依拠」の類義語は?違いは?

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「依拠」は「先例・基準・法規等に基づく」という意味だということが分かりましたね。他にも似た意味を持つ言葉はあるのでしょうか?似ている点と区別が必要な点を整理してみましょう。

その1「依存」

依存」は「依」の字が共通している点でも分かるように、「依拠」のの類語です。「依存」は「頼っていること、寄りかかること」という意味ですが、依拠より頼り度合いが強いのが特徴ですね。頼っている対象がなくなると成り立たなくなるほどの状況を表します。

「スマホ依存」という言葉がありますが、これはないと生活が成り立たなくなるほどにスマホに依存してしまっている状態を指す言葉です。「依拠」はよりどころとする対象がなくなっても成り立つ点が「依存」との違いとして押さえましょう。たとえば「前例に依拠した判断」は、たとえ前例がなくなったとしても成り立ちますね。

\次のページで「その2「準拠」」を解説!/

その2「準拠」

準拠」は「教科書準拠」といった表現で見たことがある方も多いのではないでしょうか。「準拠」は依拠よりも、よりどころとしたものへの従い度合いが強い点が特徴です。「教科書準拠」というのは、単に教科書を参考にしているというだけではなく、教科書の内容に徹底的に忠実に作られている、という意味になります。

その3「則する」

「即する」は「ある物事を手本とし従うこと、ある理論や規則に従うこと」という意味です。「依拠」するより 従うニュアンスが強い点で、「準拠」に近いかもしれませんね。「基準に依拠する」というと「基準を参考にして」という意味ですが、「基準に則する」というと「基準に従う」という意味になります。

「依拠」の対義語は?

残念ながら「依拠」に対義語はありません。「よりどころ」という意味の対義語を考えようとしても思いつきませんよね。

もしどうしても「依拠」の反対言葉が必要な場面になったら、「よりどころがなくても成り立つ」という意味から「独立」「自立」などが使えるかもしれません。文脈によって使い分けてみてください。

「依拠」の英訳は?

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最後に「依拠」の英訳を見てみます。何かをよりどころにするという概念は世界共通のもの。英語ではどのように表現するのでしょうか。

その1「reliance」

reliance」は「信頼、信用、頼ること、当てにすること、よりどころ」といったニュアンスを持つ英単語です。まさに「依拠」そのものですが「依拠」より「信頼」に重きを置いた表現になります。

She acted in reliance on his promises.
「彼女は彼の約束を依拠して(信頼して)行動した」

\次のページで「その2「to rely on」」を解説!/

その2「to rely on」

「rely」は「信頼する、当てにする、頼る」という意味です。実際に使われる際は「to rely on」という熟語になることが多いので気をつけましょう。

We can rely on his judgement.
「我々は彼の判断に依拠する(彼の判断を信頼する)」

「依拠」を使いこなそう

この記事では「依拠」の意味・使い方・類語などを説明しました。

法律など公的・専門的な場面で登場することが多い言葉のため、あまり馴染みなかったかもしれませんね。しかし社会人はいつなんどき、どんな場面に遭遇するかわかりません。法律と関わる機会もあるでしょう。そんなときに確実に使いこなせると、周囲からの信頼が増しますよ!しっかり覚えておきましょう。

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国語言葉の意味

「依拠」の意味や使い方は?例文や類語を元予備校校舎長がわかりやすく解説!

この記事では「依拠」について解説する。

端的に言えば依拠の意味は「よりどころ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元大手予備校校舎長で大学入試の国語指導歴が長いライターのみゆなを呼んです。一緒に「依拠」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/みゆな

元大手予備校校舎長、現在は教育系のライター。国語、特に現代文の指導経験が豊富。難解な言葉や表現を中高生がスラスラ理解できるように解説するのが大得意。

「依拠」の意味や語源・使い方まとめ

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「依拠」は「いきょ」と読みます。読み方は難しくないのですが、日常会話であまり使う言葉ではありませんね。そのため正しい意味と言われるとちょっと…という方も多いようです。「依拠」はニュースやビジネスの交渉の場、また著作権などの話題で登場する言葉なので、知っていて損はありません。

今回は「依拠」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「依拠」の意味は?

「依拠」には、次のような意味があります。

あるものに基づくこと。よりどころとすること。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「依拠」

「依拠」の意味を一言で言うと「よりどころ」です。物事や存在を頼りにするということを表します。例文を見てみた方が理解しやすいと思いますので、後述の「例文」項目をぜひ読んでみてください。

著作権の世界では「依拠性」という言葉が登場します。「依拠性」とは他人の著作物の内容を知って、その他人の著作物の内容に基づいて著作物を作出していることを指す言葉です。意図的に相手の作品を真似た場合は著作権侵害にあたりますが、他人の著作物について全く知らずたまたま作品が似通ったという場合はう著作権侵害にはあたりません。

「依拠」の語源は?

次に「依拠」の語源を漢字の意味から確認しておきましょう。

「依」は「頼る、従う」という意味です。また「拠」は「何かをするための頼りとなる足場」という意味を持っています。この2つの漢字が組み合わさった「依拠」は、ある物事・存在を頼りにするという意味になりました。

\次のページで「「依拠」の使い方・例文」を解説!/

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