

端的に言えば徒労の意味は「無駄骨」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
日本語が好きで日本文学科を卒業したハルを呼んだ。一緒に「徒労」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/ハル
日本語が大好きで日本文学科を卒業。現在は子供が言葉を覚えていく様子を見ながら日本語の奥深さを実感中。多くの人にそのよいところを紹介したいとの思いを込めて丁寧に解説する。
「徒労」の意味や語源・使い方まとめ

「徒労」という言葉、日常生活の中で使うことはあるでしょうか。使わなくてはいけない場面を想像すると、少し疲れてしまうかもしれませんね。どんな意味を持った言葉でしょうか。それでは早速「徒労」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「徒労」の意味は?
まず初めに「徒労」の意味を辞書で確認してみましょう。「徒労」には、次のような意味があります。
むだな骨折り。無益な苦労。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「徒労」
「徒労」は「とろう」と読みます。無駄なことに力を費やすことや、骨を折ってしたことが報われないさまを表す言葉です。一生懸命働いたり、努力したり、苦労したりしても、結局無駄で役に立たないさまを表します。努力をしても役に立たなかった、せっかくの努力も水の泡になってしまったといった時に使われる表現です。
「徒労」の語源は?
次に「徒労」の語源を確認しておきましょう。
「徒」という漢字には多くの意味があります。「乗り物に乗らずに歩く」「手に何も持たない」「むだ」「なかま」「弟子」「労役」などです。「道を行く」を意味する「ぎょうにんべん」と、「土」と「立ち止まる足」の象形から成り立ち、「道を行く時に乗物に乗らず、土を踏んで歩く」という意味を持つ文字なのですよ。「徒労」では「いたずらに。むだ。むなしい。役に立たない」という意味で使われていますね。
「労」という漢字には、「はたらく」「つかれる」「ねぎらう」といった意味があります。「たいまつを組み合わせたかがり火」と「力強い腕」の象形から成り立ち、力を燃焼させて「つかれる」、その疲れを「ねぎらう」という意味を持つ漢字が成り立ちました。
この二つの文字を合わせて、「骨折り損」を意味する言葉となったのです。
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