この記事では「たゆまぬ」について解説する。

端的に言えばたゆまぬの意味は「緩まない、怠けない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

放送業界の制作現場の最前線で10年の経験を積んだsinpeito88を呼んです。一緒に「たゆまぬ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/sinpeito88

放送局の現場で10年間、ニュース原稿などを日々執筆。より正確な情報を届けられるよう言葉の探求を続けている。

「たゆまぬ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「たゆまぬ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。まず、たゆまぬは、漢字で表記すると「弛まぬ」となります。「弛む」という言葉の否定形です。

「たゆまぬ」の意味は?

「たゆまぬ」は、「弛まない」と同じ意味です。今回は、「弛まない」の意味から引用してご紹介します。

緩む、怠ける、などの意味の「弛む」を否定した表現

出典:実用日本語表現辞典「弛まない」

「たゆまぬ」は「弛む」という言葉の否定形です。「弛む」には「緊張がゆるむ、油断する、なまける、勢いが弱まる、疲れる、くたびれる、張ったものがたるむ、ゆるむ」といった意味があり、これらを打ち消した表現となります。

「たゆまぬ」という表現の後に続く言葉は、「努力」や「研鑽」など継続することが肯定される名詞が続くことが主です。よって、「たゆまぬ」と来れば、「何かを続けてよくやってきた」という文章が想定されます

「たゆまぬ悪行」などのように、ネガティブな名詞に対しては使うことが出来ないので注意が必要です。

「たゆまぬ」の語源は?

次に「たゆまぬ」の語源を確認しておきましょう。漢字では「弛まぬ」と書き、「弛む」の否定形です。「弛む」は物理的に張っていたものが緩くなってしまった状態を指しています。ぴんと張った弦などが緩み、張りが無くなる感じです。よって、「たゆまぬ」は、まるで、何かの弦や糸がぴんと張られているように、気を張って、意識を高い状態を保って頑張っている状態を継続しているときに使われます。

\次のページで「「たゆまぬ」の使い方・例文」を解説!/

「たゆまぬ」の使い方・例文

「たゆまぬ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

テストは、毎日の勉強などたゆまぬ努力が着実に結果として表れるものだ。

「たゆまぬ」に一番接続する表現は「努力」です。「たゆまぬ努力」という表現は、そのまま覚えてしまった方が良いでしょう。また「倦まず弛まず」という言葉もあります。これも「飽きたりせず、怠けたりもせず」という意味です。

「たゆまぬ」の類義語は?違いは?

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「たゆまぬ」は「怠ることなく励みつづける」ことを意味しているので、そうした意味を持つ「不断」や「飽くなき」「ストイック」といったものが類義語として挙げられます。

その1「不断」

「不断」は「とだえないで続くこと、また、そのさま」という意味です。「たゆまぬ」同様に、「怠ることなく励み続ける」状態をさして使うことが出来ます。その一方で「優柔不断」のように「決断力に乏しいこと。また、そのさま。」を表すことも可能です

これは「たゆまぬ」との大きな違いとなります。「不断」はポジティブにも、ネガティブにも使用できるのです。

\次のページで「その2「飽くなき」」を解説!/

1.システムの不具合などにもめげず、不断の努力で投稿を続け、雑誌にも掲載された。

2.優柔不断な社長のせいで、私の職場は長年停滞した雰囲気だ。

その2「飽くなき」

「飽くなき」は「飽くことがない、どこまでも満ち足りることがなく、物事を追求しようとするさま」という意味です。「たゆまぬ」は「弛んだり、怠りそうなものを、そうはしないで続ける」というニュアンスなのに対し、「飽くなき」は「突き動かされるように、物事を追求し続けていく」状態を指しています。

言い換えれば、「好奇心」や「探求心」といった、強い気持ちによって「たゆむ」ことなどあり得ないような状態です。

研究者としての彼は飽くなき探求心で30年以上、生物と向き合っている。

その3「ストイック」

「ストイック」「目標等への到達のために、自分を厳しく律する」という禁欲的・求道的な姿勢や生き方を指す言葉です。こちらは、目標などに向けて、自分に対して「たゆまぬ」ことを課していくような生き方を指しています。

この「ストイック」という言葉の語源は、古代ギリシャ哲学のストア派という学派の思想「ストイシズム」です。ストイシズムの哲学・思想というのは、おおまかに言うと「自律・自制によって道徳的・倫理的な幸福を求めようとする考え方」となります。幸福を追求するにしても、その幸福は欲望・情動に囚われない冷静さの獲得によってこそ実現されるというものです。

しかし、最近では、「ストア派の思想」ということから離れて「禁欲的・求道的姿勢」を指して使われる機会が多くなっています。

彼は現役時代、日本代表という夢を実現すべく、揚げ物の衣は食べないなどストイックな食生活を続けた。

\次のページで「「たゆまぬ」の対義語は?」を解説!/

「たゆまぬ」の対義語は?

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「怠ることなく続けて励む」という「たゆまぬ」ですので、その対義語となるのは「怠惰」や「自堕落」です。どちらも、「怠けて、しまりのない」ことをさして使われます。

その1「怠惰」

「怠惰」は「なまけてだらしないこと。また、そのさま」という意味です。「たゆまぬ」とは違い、緊張の糸が切れてしまって、怠けている状況を指しています。

たゆまぬ努力をしていた学生時代と打って変わって、怠惰な暮らしをしていた。

その2「自堕落」

「自堕落」は「人の行いや態度などにしまりがなく、だらしないこと、また、そのさま、ふしだら」という意味です。まさに、弛んだり、怠ったりしないようにしている状態である「たゆまぬ」とは逆の状態を指しています。

目標を失った彼が自堕落な生活から抜け出したのは、彼女との出会いがきっかけだった。

「たゆまぬ」を使いこなそう

この記事では「たゆまぬ」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「たゆまぬ」は「弛まぬ」という「弛む」の否定形で、「怠ることや緩むことのないさま」を意味しています。

「努力」のように「続ける事が良しとされていること」に励み続けている状態を指して使われることが主となる言葉です。

しかし、「飽くなき」のように「自らの心に突き動かされて」というより、自制心をもって続ける感じ。

どちらであっても、大切なのは、やるべきことを「弛ませない」ことです。

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国語言葉の意味

「たゆまぬ」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「たゆまぬ」について解説する。

端的に言えばたゆまぬの意味は「緩まない、怠けない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

放送業界の制作現場の最前線で10年の経験を積んだsinpeito88を呼んです。一緒に「たゆまぬ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/sinpeito88

放送局の現場で10年間、ニュース原稿などを日々執筆。より正確な情報を届けられるよう言葉の探求を続けている。

「たゆまぬ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「たゆまぬ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。まず、たゆまぬは、漢字で表記すると「弛まぬ」となります。「弛む」という言葉の否定形です。

「たゆまぬ」の意味は?

「たゆまぬ」は、「弛まない」と同じ意味です。今回は、「弛まない」の意味から引用してご紹介します。

緩む、怠ける、などの意味の「弛む」を否定した表現

出典:実用日本語表現辞典「弛まない」

「たゆまぬ」は「弛む」という言葉の否定形です。「弛む」には「緊張がゆるむ、油断する、なまける、勢いが弱まる、疲れる、くたびれる、張ったものがたるむ、ゆるむ」といった意味があり、これらを打ち消した表現となります。

「たゆまぬ」という表現の後に続く言葉は、「努力」や「研鑽」など継続することが肯定される名詞が続くことが主です。よって、「たゆまぬ」と来れば、「何かを続けてよくやってきた」という文章が想定されます

「たゆまぬ悪行」などのように、ネガティブな名詞に対しては使うことが出来ないので注意が必要です。

「たゆまぬ」の語源は?

次に「たゆまぬ」の語源を確認しておきましょう。漢字では「弛まぬ」と書き、「弛む」の否定形です。「弛む」は物理的に張っていたものが緩くなってしまった状態を指しています。ぴんと張った弦などが緩み、張りが無くなる感じです。よって、「たゆまぬ」は、まるで、何かの弦や糸がぴんと張られているように、気を張って、意識を高い状態を保って頑張っている状態を継続しているときに使われます。

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