

端的に言えば科白の意味は「俳優が劇中で話す言葉」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
情報誌系のライターを10年経験した柊 雅子を呼んだ。一緒に「科白」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/柊 雅子
イベントの司会や雑誌の記事作成を仕事としてきたライター、柊 雅子。中学~高校時代は演劇部だったという彼女が「科白」について解説する。
「科白」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「科白」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「科白」は「せりふ」と読みますが、「かはく」という読み方もあります。
「科白」(せりふ)の意味は?
「科白」(せりふ)には、次のような意味があります。
1.俳優が劇中で話す言葉。
2.人に対する言葉。言いぐさ。
3.きまり文句。
4.理屈や言い分を並べること。談判すること。
5.支払いをすること。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「科白」
#1 俳優が劇中で話す言葉としての「科白」
科白(せりふ)とは舞台やドラマ等で登場人物が話す言葉。なので科白は活字で目にするより、耳で聞くものだと思っていませんか?
しかし、科白は活字という形をとって私たちの周りに溢れています。雑誌や単行本だけではなく、今ではスマホを使って簡単に読めるようになったマンガ。マンガも作者の考えたシナリオを作者が生み出した登場人物を通して表現するので、ドラマとマンガは類似したものといえます。そのマンガのふきだしの中に表される登場人物の言葉(ネーム)が「科白」ですね。
#2 人に対する言葉としての「科白」
私たちはあまりに不義理なことを言った人物に対して「よくもまぁ、そんな科白が言えたもんだ!」と言ったりしますよね。
また関西ではあまりに白々しく、芝居がかった言い訳をする人に「ようそんな白々しい科白、言えたなぁ」と言ったりします。このように科白という言葉は台本に書かれているものを指すだけではなく、私たちが日常会話で普通に使う言葉でもあるのです。
#3 決まり文句としての「科白」
私の息子達が小さい頃よく使った科白に「一生のお願い!」があります。特に何かを買ってもらいたい時にこの「一生のお願い」という科白が使われました。
このように決まった状況においてパターン化して用いられる言葉を「決まり文句」と言います。息子達のこの「決まり文句」は「一生のお願い」と言いながら何度も使われたものです。
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