
その2「いいかげん」
「いいかげん」は中途半端で徹底しない様子を表す表現。また、物事が不徹底である結果、無責任である様子を表しますよ。そして無責任であることについて、慨嘆と憤慨の暗示がこもります。「彼はいい加減な成功では満足しない」などは名詞にかかる修飾語の用法で、「先方にはいい加減に返事をしておいた」などは述語にかかる修飾語の用法。「いいかげん」は「てきとう」に似ていますが、「てきとう」はその場の状況に適合するというニュアンスがあります。「なまじ」との違いは物事が不徹底である結果、無責任である様子を表すという点でしょう。
その3「ほどほど」
「ほどほど」は悪影響が出ないような程度である様子を表しますよ。「競馬が好きなのはいいけれど、うちの人ったらほどほどってことがわかんないのよ」などが基本的な名詞の用法です。また「酒はほどほどにしておいたほうがいいぞ」などは後ろに勧告や命令の表現を伴って、「悪影響の出ない程度でやめろ、それ以上はやるな」という禁止の意味に。「冗談もほどほどにしろ」はそれ以上冗談を言うことを禁止するという意味です。とても冷静な表現で、憤慨の暗示はそれほど強くはありません。ちなみに「ほどほど」は「いいかげん」に似ていますが、「いいかげん」は程度が適当で好ましいというニュアンスで、打消しや逆説の表現を伴う場合には感情的なニュアンスになり、憤慨と怒りの暗示が強くなります。なお「なまじ」との違いは好ましくない結果を招く様子は表さないという点でしょう。
「なまじ」の対義語は?
「なまじ」と反対の意味を持つ言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。
その1「なにがなんでも」
「なにがなんでも」はあらゆる困難を排除して目的を完遂しようとする様子を表し、述語にかかる修飾語として用いられます。また、どんな事態になっても目的を完遂しようとする主体の強い意志を暗示しますよ。主体の意志が客観的な情勢に左右されないというニュアンスですので、しばしば主体の強情さや強引さの暗示をもつことがあります。なお、この「なにがなんでも」は「なんとしても」に似ていますが、「なんとしても」はあらゆる手段を尽くして目標を実現する様子を表し、主体の義務感と切迫感の暗示を伴う表現でしょう。
その2「なんとしても」
「なんとしても」はあらゆる手段を尽くして目標の実現を希望する様子を表し、述語にかかる修飾語として用いられますよ。しばしば義務・希望の表現を伴い、あらゆる手段を尽くして目標を実現することについて主体の義務感や切迫感の暗示を伴います。そのため目標実現を希望する程度は非常に高いです。ちなみに「なんとしても」は「なんとかして」や「どうにかして」などに似ていますが、「なんとかして」は到達目標に視点があり、話者の熱意の暗示がありますし、「どうにかして」は手段のほうに視点があります。
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