この記事では「ちまちま」について解説する。
端的に言えば「ちまちま」の意味は「小さくまとまっているさま、ちんまり」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「ちまちま」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/flicker

仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。

「ちまちま」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「ちまちま」という日本語の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ちまちま」の意味は?

「ちまちま」には、次のような意味があります。

〘副〙 (「ちまぢま」とも。多く「と」を伴って用いる) 小さくまとまったさま、こぢんまりしているさまを表わす語。

出典:コトバンク

「ちまちま」は小さい物が小規模にまとまっている様子を表します。対象の状態がまとまってはいるが、スケールの大きさや雄大さがなく、卑小であることについて侮蔑・愛情の暗示を伴いますよ

「ちまちま」の語源は?

次に「ちまちま」の語源を確認しておきましょう。「ちまちま」は小さくてつまらぬさまを意味する「区区」から派生した言葉。ひらがなでは「ちまちま」と書きます。それでは「区」の漢字の成り立ちについて説明しましょう。国語辞典には区」の古い字は區と記載されています。ものをかこって区切る形の「かくしがまえ」と、いろいろなものの形の「品」とを合わせた字ですよ。いろいろなものを小さく整理して「くぎる」「しきる」意味を表します。語源を知るのは言葉の勉強にもなりますので、国語辞典や辞書などに収録されている単語をいろいろ調べてみるのもおすすめですよ。

\次のページで「「ちまちま」の使い方・例文」を解説!/

「ちまちま」の使い方・例文

「ちまちま」の使い方について例文を挙げて解説していきます。この言葉は、たとえば以下のように用いられますよ。

1.丸顔にかわいい目鼻がちまちまとついてて、お前の顔は日本人らしいよ。アフロの髪型もどういうわけか似合ってるし、叔父ながらもうすこしわかかったらほんとうに俺好みだね。

2.自分のところさえよければというようなちまちました考えは嫌いだね。時間を守らないのもひととしてどうかと思うし、謝らないのも感じがわるいよ。

3.その住宅地は新しい家ばかりだったが、なんとなくちまちましていた。

それでは「ちまちま」のそれぞれの用法について解説しましょう。「丸顔にかわいい目鼻がちまちまとついている」などは「と」が付いて述語にかかる修飾語としての用法となり、「自分のところさえよければというようなちまちました考えは嫌いだね」などは「…した」が付いて名詞にかかる修飾語の用法になります。さらに「その住宅地は新しい家ばかりだったが、なんとなくちまちましていた」などは「…している」が付いて述語としての用法になる。例文1は愛情、例文2は侮蔑の暗示を伴っていますよ。

「ちまちま」の類義語は?違いは?

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「ちまちま」と似たような意味をもつ言葉をご紹介します。その他の用語をさっそく見ていきましょう。

その1「ちんまり」

「ちんまり」は小規模にまとまっている様子を表します。また、組織や構造物などの全体が小規模にまとまっている様子を表し、卑小さの暗示がありますよ。「その書はちんまりとして面白みに欠ける」などは「…(と)して」が付いて述語にかかる修飾語になりますし、「彼の家はちんまりとしたささやかな代物だ」などは「…(と)した」が付いて名詞にかかる修飾語になります。「ちんまり」は「ちまちま」と似ていますが、「ちまちま」は小さい物が小規模にまとまっている様子を表し、侮蔑・愛情などの暗示を伴うでしょう

\次のページで「その2「ちびちび」」を解説!/

その2「ちびちび」

「ちびちび」は少量ずつ行う様子を表しますふつう少量ずつ消費する様子を表し、しばしば強い酒を少量ずつなめるように飲む場合に用いられますよ。消費以外の行動はあまり多くはなく、卑小さ・吝嗇の暗示があります。また「ちびちび」は「ちょびちょび」や「けちけち」に似ていますが、「ちょびちょび」は量が少ないことを強調し、吝嗇の暗示はありません。さらに「けちけち」は逆に吝嗇と見る者の不快・慨嘆の暗示が強くなります。なお「ちまちま」との違いは消費以外の行動はあまり多くはなく、卑小さ・吝嗇の暗示がある点でしょう。

その3「こぢんまり」

「こぢんまり」は小規模にまとまっている様子を表しますよ。組織や構造物などの全体が小規模にまとまっている様子を表し、完全・整備の暗示を伴います。ただし、しばしばスケールの小ささを表すときに用いることがあり、その場合にはややマイナスよりのイメージに。また「こぢんまり」は「ちんまり」に似ていますが、「ちんまり」の方が卑小さの暗示が強く、完全・整備の暗示は弱いです。なお「ちまちま」との違いは組織や構造物などの全体が小規模にまとまっている様子を表し、完全・整備の暗示を伴うという点でしょう。

「ちまちま」の対義語は?

「ちまちま」とはんたいの意味を持つ言葉をご紹介します。それでは「ちまちま」の反対語をさっそく見ていきましょう。

その1「めったらやたら」

「めったらやたら」は程度がはなはだしいことを誇張する様子を表す表現行動にかかる場合には、行動の頻度が非常に高いために程度がはなはだしいというニュアンスになりますし、状態にかかる場合には、状態の程度がはなはだしいことを誇張的に述べますよ。あまり好ましくない程度について用いることが多く、その場合には慨嘆の暗示を伴い、好ましいものの程度について用いる場合は、対象を評価するニュアンスになります。また「めったらやたら」は「むやみやたら」に似ていますが、「むやみやたら」には誇張の暗示が少なく、やや冷静な表現になっているでしょう。

その2「どかん」

「どかん」は一度に大量・大規模な行動が起こる様子を表す擬音語。「政府はどかんと二兆円も公共投資につぎ込んだ」などは大規模に衝動的に行動する場合で、「住民税は退職した翌年にどかんとくる」などは大規模な衝撃でダメージを受ける場合を言い表しています。驚きの暗示はありますが、慨嘆の暗示はありません。また「どかん」は「どん」に似ていますが、「どん」は重い物が衝突する様子を表し、衝突する音は低くてこもっており、腹に響くような衝撃の暗示がありますよ。

「ちまちま」の英訳は?

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「ちまちま」の英訳にはどのようなものがあるのでしょうか。英語で「ちまちま」と言い表す時の例をさっそく見ていきましょう。

\次のページで「「small」」を解説!/

「small」

「small」は「わずかな、少ない」という意味。「It has a small personality, so it has a sly impression」で「ちまちまとした性格なのでなんとなくせこい印象がある」、「Don't spend it small all the time, spend your money more boldly」で「ちまちまと使ってないでもっと大胆にお金は使いなよ」と表現できますよ。

「ちまちま」を使いこなそう

この記事では「ちまちま」の意味・使い方・類語などを説明しました。「ちまちま」は小さい物が小規模にまとまっている様子を表す言葉スケールの大きさや雄大さがなく、卑小であることについて侮蔑・愛情の暗示を伴うと解説しましたね。また「ちまちま」は「ちんまり」に似ていますが、「ちんまり」は結果として一つのかたまりに完了している暗示がありますよ。そのため「ちんまりした考えは嫌いだね」などは不適切な用例となります。覚えておきましょう。

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国語言葉の意味

「ちまちま」の意味や使い方は?例文や類語をプロダクション編集者がわかりやすく解説!

この記事では「ちまちま」について解説する。
端的に言えば「ちまちま」の意味は「小さくまとまっているさま、ちんまり」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「ちまちま」の意味や例文、類語などを見ていきます。

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仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。

「ちまちま」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「ちまちま」という日本語の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ちまちま」の意味は?

「ちまちま」には、次のような意味があります。

〘副〙 (「ちまぢま」とも。多く「と」を伴って用いる) 小さくまとまったさま、こぢんまりしているさまを表わす語。

出典:コトバンク

「ちまちま」は小さい物が小規模にまとまっている様子を表します。対象の状態がまとまってはいるが、スケールの大きさや雄大さがなく、卑小であることについて侮蔑・愛情の暗示を伴いますよ

「ちまちま」の語源は?

次に「ちまちま」の語源を確認しておきましょう。「ちまちま」は小さくてつまらぬさまを意味する「区区」から派生した言葉。ひらがなでは「ちまちま」と書きます。それでは「区」の漢字の成り立ちについて説明しましょう。国語辞典には区」の古い字は區と記載されています。ものをかこって区切る形の「かくしがまえ」と、いろいろなものの形の「品」とを合わせた字ですよ。いろいろなものを小さく整理して「くぎる」「しきる」意味を表します。語源を知るのは言葉の勉強にもなりますので、国語辞典や辞書などに収録されている単語をいろいろ調べてみるのもおすすめですよ。

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