

端的に言えばしたり顔の意味は「得意そうな顔」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
元大手予備校校舎長で大学入試の国語指導歴が長いライターのみゆなを呼んだ。一緒に「したり顔」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/みゆな
元大手予備校校舎長、現在は教育系のライター。国語、特に現代文の指導経験が豊富。難解な言葉や表現を中高生がスラスラ理解できるように解説するのが大得意。
「したり顔」の意味や語源・使い方まとめ

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「したり顔(がお)」という言葉を聞いて、どんな表情だと思い浮かべますか?日常会話やビジネスシーンでも使われる言葉ではありますが、正しい意味を知っているという人が案外と少ないのが「したり顔」です。この機会に「したり顔」の意味や語源・使い方をしっかり押さえてみましょう。正しい語彙知識はあなたの表現力をぐっと高めてくれますよ!
「したり顔」の意味は?
「したり顔」には、次のような意味があります。
うまくやったという顔つき。得意そうなさま。得意顔。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「したり顔」
「したり顔」は「してやったぜ!」という顔つきを指します。思い通りに事が運んだとき、うまくいったときは嬉しい気持ちになりますよね。高揚する気持ちは思わず表情に表れるもの。その時の得意満面な表情が「したり顔」です。またうまくいったときというのは、事の顛末を自慢したくなるものですね。「したり顔」には「自慢げな」「得意げな」という意味合いも含まれます。
「したり顔」を「物事を少し知っているからといって、見下したような態度をとる嫌な感じ」と良くない意味に捉える人もいまうすが、これは間違いです。「したり顔」に「知ったかぶり」という意味はありません。
「したり顔」の語源は?
「したり顔」の「したり」は、「◯◯をする」と使われている動作・行動を行う意味の動詞「す」の連用形「し」に完了の助動詞「たり」がくっついてできた言葉です。元々はうまく事が運んだ時に発する言葉でした。 その「したり」に表情の意味として「顔」をつけてできたのが「したり顔」です。「したり」を漢字で書くと「為たり」となります。
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