体の仕組み・器官理科生物

「スワンメルダム」って誰?赤血球の発見者について医学系研究アシスタントがわかりやすく解説

よぉ、桜木建二だ。科学の進歩は目覚ましい。宇宙のことについて実態として知れたのは天体望遠鏡が発明されたからだ。では、目に見えない、もしくは小さすぎて見えない世界を発見できたのは顕微鏡が発明されたからだ。顕微鏡と言えば、レーウェンフックやロバート・フックが有名だが、極微小な世界の新発見をしたうちの一人にスワンメルダムという人物がいるぞ。スワンメルダムという人物を初めて聞く人も多いと思うが、彼は短い生涯の中でもたくさんの功績を残しているぞ。そのほとんどが彼の死後に評価されたのだけれどな。スワンメルダムについて生物に詳しいライターmimosa(ミモザ)と一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/mimosa

幼いころから地方の自然豊かな環境で育ってきたので、自然が大好き。もともと文系出身で、独学で生物学、分子生物学、微生物学を勉強し、現在医学系研究所の研究アシスタントとして理系の世界へ飛び込んだ。理科が苦手な方へも興味を持ってもらうべくわかりやすい説明を心掛けている。

ヤン・スワンメルダムとは

image by iStockphoto

ヤン・スワンメルダム(Jan Swammerdam)はオランダの生物学者であり解剖学者です。スワンメルダムは、1637年にオランダのアムステルダムで生まれ、1680年に43歳という若さでこの世を去っています。日本が江戸時代だった時に博物学者、解剖学者として活躍したのですよ。

また歴史上顕微鏡を使って解剖を行った最初の人でもあるのですよ。昆虫の生活史を研究したり、解剖学的研究で筋肉収縮の実験もしています。

そして、赤血球の発見もしており、彼の短い生涯の中で多くの輝かしい業績を残していますが、彼の生前はこれらの発見の著作物は出版されていませんでした。

スワンメルダムの生い立ち

image by iStockphoto

スワンメルダムは、オランダのアムステルダムのとある裕福な家庭に生まれました。父は世界中を飛び回る薬種商(文献によっては薬剤師とも)でした。そのため、自宅には各地から集められた様々なアイテムや珍しい動物などが博物館のように所狭しと陳列されていたそうです。

スワンメルダムが物心ついてからそのような環境で育ってきたのもあり、成長してからもずっと一日の大半は博物館のような自宅の空間で過ごしていたと言います。

スワンメルダムにとって、知的好奇心を駆り立てるフィールドだったのでしょうね。

スワンメルダムと顕微鏡

スワンメルダムが生きていた17世紀には、顕微鏡が発明されていました(せいぜい最高倍率200倍ほどですが。)。彼は顕微鏡を使って、小さな昆虫を観察し、微小な世界を探求することにすっかり魅せられていました。それは、朝から晩まで観察しては丁寧にレポートにまとめ上げるほど彼を熱中させていたそうなのですよ。父親から、家督を継ぐのか研究を続けるのかと迫られたとき、彼は財産を投げうって、研究を続ける道を選択してしまったのですね。

彼はその後医学を学びましたが、体調を崩して医師としては働いていません。晩年は、宗教家として活躍したとも言われていますよ。

\次のページで「スワンメルダムの功績」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: