

同じ管でも、内部を通る物質に違いがあるんだな。
道管の周囲には、それを支える細胞などが存在します。そのような細胞や、いくつかの道管はまとまって存在しているのですが、この部分を木部(もくぶ)とよんでいるのです。
師管も、複数本が集まり、そのまわりには師管を支える細胞などが存在します。それらをまとめて師部(しぶ)とよびましょう。
このような、木部と師部をまとめて維管束(いかんそく)といいます。

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双子葉類では、茎の維管束が円を描くように規則正しく並んでいるのに対し、単子葉類では、ばらばらと散らばるように存在しているという違いがあります。
これに加え、細胞分裂を盛んに行う細胞の集まっているところである、形成層(けいせいそう)の存在にも着目してください。双子葉類では、茎の維管束の木部と師部のちょうど真ん中あたりに形成層が存在しますが、単子葉類では形成層がありません。
葉のつくりと働き
植物にとって葉(leaf)は、光合成をおこなうための器官です。光合成によってデンプンなどの有機物をつくり出し、エネルギー源とするのが、植物のもつ大きな特徴ですね。
葉には茎から続く道管や師管が通り、水や養分のやりとりを可能にしています。それらの維管束が葉の表面に見える姿が葉脈(ようみゃく)です。葉脈の形は植物を分類するときの大きなヒントとなります。
双子葉類では、葉脈は網目のように広がる網状脈(もうじょうみゃく)。単子葉類では、葉脈が平行にはしる平行脈(へうこうみゃく)がみられます。

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葉には表裏があります。光合成をする細胞小器官である葉緑体がたくさんあるのは、日光に当たりやすい葉の表側の細胞です。
葉の裏側には、気孔という孔がたくさん見られます。これは気体の交換をするための特別な孔で、孔辺細胞という細胞によって形作られているんです。
花のつくりと働き
花(flower)には種子をつくるという重要な役目があります。種子からは次世代が生育しますので、花は生殖のための器官だと言い換えることができますね。
花には花弁(いわゆる花びら)、おしべ、めしべなどが存在しますが、その数や色、大きさは植物によってさまざまです。
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