
「虚ろ」の使い方・例文
それではここで「虚ろ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。
1.この木は外側は立派だが、中身は虚ろだ。
2.人生に疲れ果てたサラリーマンが、虚ろな表情をしている。
3.慰めのフレーズが脳内で虚ろに響き渡る。
例文1は「空洞」という意味で用いられています。主に木のうろや鍾乳洞など自然界のものに対して用いられるのが主で、人工的なものや単純に空っぽである様子を表す言葉としてはあまり使われません。ただし「虚無」などの熟語になった場合はその限りではありません。
例文2は「虚脱状態」になっている様を表しており、生気を失った表情になっていることがわかるでしょう。この意味での「虚ろ」は辞書にも書かれている通り心や表情に対して使われることがほとんどです。表情はもちろんのこと、心理描写であっても状態を示す言葉として目に見える部分に出ていることが多いでしょう。
例文3は「むなしい」という意味で使われています。感情面でのむなしさを表すため、主に心理描写として用いられることが多いです。ただし単純に「虚ろな表情」と書いてしまった場合、「むなしい」よりも例文2のような「生気のない」という意味で取られる可能性が高いため、前後の文脈に注意が必要となってきます。
「抜け殻」
「抜け殻(または脱け殻)」は主に昆虫や爬虫類などが脱皮した古い皮のことを指しますが、これを比喩表現として用いた場合、「虚ろ」ととてもよく似た意味になります。
たとえば「○○の中が抜け殻である」といった書き方だと、内部がからであることが伝わるでしょう。更に「○○(人)は抜け殻のようだ」という表現であれば生気を失った状態やむなしさを表すことも可能です。「虚ろ」に虫の抜け殻といった意味はありませんが、比喩的な表現を含めた場合はこのような類義語を見出すこともできます。
\次のページで「「虚ろ」の対義語は?」を解説!/