この記事では「ちんちくりん」について解説する。

「ちんちくりん」は身長や衣服のサイズが「小さいこと」を表す言葉です。方言かどうか気になるところですが、実際はどうなのでしょう。また、場合によっては相手に悪い印象を与えるため、使い方を把握してしっかり使いこなす必要がある。

大学では日本文学を学び、塾講師時代には特に国語の指導に力を入れていたというカワナミを呼んです。意味や使い方・例文・類語を一緒に詳しく見ていきます。

ライター/カワナミ

国語を愛する元塾講師。普段から気になった言葉の意味をすぐに調べるのがクセとのこと。かつては小中学生に向けて、今はweb上で、「丁寧にわかりやすく」伝えることをモットーにしている。

「ちんちくりん」の意味・語源

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「ちんちくりん」の意味は「小さいこと」

まずは「ちんちくりん」の意味です。

1背が低いこと。また、そのさま。背の低い人をあざけっていう語。
2背丈に比べて衣服が短すぎること。また、そのさま。つんつるてん。「ちんちくりんな(の)去年の服」

デジタル大辞泉(小学館)「ちんちくりん」

「ちんちくりん」の意味は2つあります。1つ目は「背が低い」ことをからかう意味。2つ目は「衣服の丈が短い」という意味です。1つ目のからかいの言葉として使う場合、馬鹿にしたり悪く言ったりという意味合いが含まれるため、注意してください。最近ではどちらかというと、耳にするのは2つ目の方でしょう。

「珍竹林」「珍痴苦林」という漢字表記も見かけますが、当て字です。多くは「ちんちくりん」とひらがなで表されます。

「ちんちくりん」の語源は?

語源は諸説あり、定かではありません。江戸時代に生まれた言葉のようですが、時期についても不詳です。ここでは特に説得力のある説をご紹介しましょう。

漢字表記について、「珍竹林」や「珍痴苦林」は当て字であると説明しましたが、また別の書き方に「軽尺酷零」というものもあります。それぞれ一字ずつが「軽(ちん)=小さい、尺(ち)=小さい・短い、酷(く)=ひどく・とても、零(りん)=細かい・小さい・半端」という意味です。すべてを合わせると「小さく、とても半端である」となり、「ちんちくりん」の言葉の意味とも繋がりますね。

「ちんちくりん」は方言?

「ちんちくりん」は方言ではありません。北海道や東北地方、大阪府、広島県、愛媛県の方言であるという説もありますが、言葉そのものは全国的に確認されています。

ただし、意味合いに若干の地域差はあるようです。例えば東京では主に背の低いことを「ちんちくりん」と表すのに対し、大阪では衣服の丈の短いことが主になっているなど、違いがあります。

\次のページで「「ちんちくりん」の使い方・例文」を解説!/

「ちんちくりん」の使い方・例文

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「ちんちくりん」の使い方

「ちんちくりん」を「背が低い」という意味で使うことは、つまり相手を馬鹿にしたり悪く言ったりすることになります。そのため、最近では使われることが少なくなってきました。

では「衣服の丈が短すぎること」という意味で使う場合はどうでしょうか。一見問題がなさそうです。しかし「ちんちくりん」という言葉そのものに良い印象を持っていない人もいるでしょう。誤解を招くことを避けるためにも、慎重に扱ってください

「ちんちくりん」を使った例文

1子供の頃はちんちくりんとからかわれたのが悔しくて、背を伸ばそうと一生懸命牛乳を飲んだものだ。
2ネット通販で買った服が届いたので喜んで着てみたが、ちんちくりんだった。
3高価な時計を勧められたが、ちんちくりんの自分には似合わない。

1の「ちんちくりん」は、背が低いことをからかう意味です。2は服を着てみたものの、袖や裾の丈が十分でないことを「ちんちくりん」と表現しています。

また3は「不釣り合い」・「不恰好」という意味です。実際の背丈や衣服の状態に関わらず使われます。辞書には載っていない意味ですが、このように使われることは少なくありません。自分自身を卑下する形で使っています。

「ちんちくりん」の類義語は?

続いて「ちんちくりん」の類義語を見ていきましょう。

\次のページで「「つんつるてん」:衣服が小さく、丈が短いさま」を解説!/

「つんつるてん」:衣服が小さく、丈が短いさま

「つんつるてん」は衣服が小さく、丈が短いさまを言います。「ちんちくりん」の「丈が短い」という意味と重なることから、地域によって「つんつるてん」とも「ちんちくりん」とも表すようです。また「頭が完全にはげていること。そのさま」も意味しますが、こちらは本来の意味とは別に、語感から後付けされたものです。

由来とされる説の1つに、丈が短い衣服が上に上がるさまを「寸釣天」(すんつるてん)=寸法が天に釣り上がると表現したところから転じたと言うものがあります。

「ずんぐり」:太くて短いさま

「ずんぐり」は「太く丈が短いさま」を言います。人にも物にも使える言葉です。関連する言葉に「ずんぐりむっくり」がありますが、「背が低くて太っている」様子を表します。これは「ずんぐり」に「丸みがある」という意味の「むっくり」むっくりが合わさって出来ました。

「侏儒」:背丈が並外れて低い人

「侏儒」(しゅじゅ)は「背丈が並外れて低い人、こびと」「見識のない人を軽蔑して言う言葉」という意味です。朱儒(しゅじゅ)とも書きます。人を表す言葉のため、「ちんちくりん」の「衣服の丈が短いさま」という意味はありません。

「矮小」:丈が短く背の低いこと

「矮小」(わいしょう)とは「丈が短く背の低いこと」を意味します。「矮小化」(わいしょうか)という表現の方が耳にする機会が多いかもしれません。「矮」という字には、それだけで「低い・短い・背が低い」といった意味があります。そこに「小」を合わせて意味を強調しているのです。

「矮」を使った言葉はほかにも、「矮躯」(わいく)・「矮星」(わいせい)・「矮樹」(わいじゅ)・「矮屋」(わいおく)などがあります。

「ちんちくりん」の対義語は?

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「ちんちくりん」の対義語も見ていきます。「ちんちくりん」は背の低さや衣服の丈の短さを表す語です。反対の意味として「背が高い」「衣服のサイズが大きい」という意味の言葉をご紹介します。

「のっぽ」:細身で背の高いこと

「のっぽ」は「細身で背の高いこと」です。また、そういった人のことを表します。某子供番組の「ノッポさん」は有名ですね。比喩的に細長い物を「のっぽ」と表現する場合もあります。

\次のページで「「だぶだぶ」:衣服が大きすぎる様子」を解説!/

「だぶだぶ」:衣服が大きすぎる様子

「だぶだぶ」は「衣服が大きすぎる様子」という意味です。「だぼだぼ」「ぶかぶか」とも言い換えられます。ほかに、「体に肉がつきすぎた様子」「水などの液体が中で揺れ動く様子」という意味も持っている言葉です。

「ちんちくりん」の英訳は?

英訳すると次のような単語になります。

「undersized」「short」「dwarfish」

「undersized」:「普通より小さい、小型の」
「dwarfish」:「並外れて小さい、おとぎ話の小人のような」
「short」:短い

「undersized」「dwarfish」は共に「背の低いこと」「short」は「衣服の丈が短いこと」を「ちんちくりん」と同様に示すことが出来る単語です。

「ちんちくりん」を使うときには要注意!

この記事では「ちんちくりん」の意味や例文・類義語・対義語について解説しました。「ちんちくりん」は方言ではなく、全国的に使われる言葉です。ただし、からかったり馬鹿にしたりというニュアンスの強い言葉であることから、特に親しい間柄で使うのに留めておくのがいいでしょう。誤解を招いてトラブルになることのないよう、慎重に。

一方で言葉の響きだけを取ると、非常に面白く印象的です。類義語で紹介した「つんつるてん」もそうですが、響きを楽しめるのは日本語の醍醐味の1つですね。

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国語言葉の意味

「ちんちくりん」は方言?意味や使い方・例文・類義語を元塾講師ライターが丁寧にわかりやすく解説!

この記事では「ちんちくりん」について解説する。

「ちんちくりん」は身長や衣服のサイズが「小さいこと」を表す言葉です。方言かどうか気になるところですが、実際はどうなのでしょう。また、場合によっては相手に悪い印象を与えるため、使い方を把握してしっかり使いこなす必要がある。

大学では日本文学を学び、塾講師時代には特に国語の指導に力を入れていたというカワナミを呼んです。意味や使い方・例文・類語を一緒に詳しく見ていきます。

ライター/カワナミ

国語を愛する元塾講師。普段から気になった言葉の意味をすぐに調べるのがクセとのこと。かつては小中学生に向けて、今はweb上で、「丁寧にわかりやすく」伝えることをモットーにしている。

「ちんちくりん」の意味・語源

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「ちんちくりん」の意味は「小さいこと」

まずは「ちんちくりん」の意味です。

1背が低いこと。また、そのさま。背の低い人をあざけっていう語。
2背丈に比べて衣服が短すぎること。また、そのさま。つんつるてん。「ちんちくりんな(の)去年の服」

デジタル大辞泉(小学館)「ちんちくりん」

「ちんちくりん」の意味は2つあります。1つ目は「背が低い」ことをからかう意味。2つ目は「衣服の丈が短い」という意味です。1つ目のからかいの言葉として使う場合、馬鹿にしたり悪く言ったりという意味合いが含まれるため、注意してください。最近ではどちらかというと、耳にするのは2つ目の方でしょう。

「珍竹林」「珍痴苦林」という漢字表記も見かけますが、当て字です。多くは「ちんちくりん」とひらがなで表されます。

「ちんちくりん」の語源は?

語源は諸説あり、定かではありません。江戸時代に生まれた言葉のようですが、時期についても不詳です。ここでは特に説得力のある説をご紹介しましょう。

漢字表記について、「珍竹林」や「珍痴苦林」は当て字であると説明しましたが、また別の書き方に「軽尺酷零」というものもあります。それぞれ一字ずつが「軽(ちん)=小さい、尺(ち)=小さい・短い、酷(く)=ひどく・とても、零(りん)=細かい・小さい・半端」という意味です。すべてを合わせると「小さく、とても半端である」となり、「ちんちくりん」の言葉の意味とも繋がりますね。

「ちんちくりん」は方言?

「ちんちくりん」は方言ではありません。北海道や東北地方、大阪府、広島県、愛媛県の方言であるという説もありますが、言葉そのものは全国的に確認されています。

ただし、意味合いに若干の地域差はあるようです。例えば東京では主に背の低いことを「ちんちくりん」と表すのに対し、大阪では衣服の丈の短いことが主になっているなど、違いがあります。

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