この記事では「投擲」について解説する。

端的に言えば投擲の意味は「投げること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

放送局の制作現場で働いて10年の経験を積んでいるsinpeito88を呼んです。一緒に「投擲」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/sinpeito88

放送局の現場で10年間、ニュース原稿などを日々執筆。より正確な情報を届けられるよう言葉の探求を続けている。

「投擲」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「投擲」の意味や使い方を見ていきましょう。まず、意味については動作に関して使われる場合と、競技を示す場合の2種類があります。

「投擲」の意味は?

「投擲」には、次のような意味があります。ちなみに「擲」の字は常用漢字外のため「投てき」と表記されている場合もあるので、注意が必要です。

1.投げうつこと。投げること。
2.投擲競技の略。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「投擲」

まず、「投擲」とは、「投げうつこと。投げること。」という意味があります。「投げうつ」とは、物体を放り投げるようなイメージ。さらに、投擲が指すところの「投げる」は、砲丸球などを投げるイメージです。どちらにしても、円盤投げの円盤なども含めて物体を遠くに投げることを指しています。

また、「投てき競技」そのものを指して使われることもあるのがこの「投擲」という言葉です。ハンマー投げや円盤投げ、砲丸投げといった陸上競技のことを指した用語でもあります。

野球のボールを投げることや、ラケットを使ってボールを打ち返すことについては「投擲」の限りではありません。

「投擲」の使い方・例文

それでは早速、「投擲」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

\次のページで「「投擲」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.昨年のシーズン最後に樹立した新記録を、早くも更新する投擲となった。
2.今年は、男子も女子もアジアでは投擲種目で優勝しているが、ヨーロッパとのレベルにはまだ差がある。

1では、投擲競技において「試技をすること」という意味合いで使われています。「手を使って、ものを遠くに投げる」ことを競う競技を行っていることを意味しているのです。このような場合に限らず、手りゅう弾などを投げて使うことも「投擲」が指し示す範囲に含まれます。

また、2では「砲丸投げ、円盤投げ、ハンマー投げ」といった投てき種目全般を指す形です。実際に日本は、アジアクラスではメダルを獲得する選手も多くいますが、世界規模の大会では中々結果を残せていません。

しかし、100m走やマラソンといった、身体能力や心肺機能に左右されがちな陸上競技において、ハンマーなどの道具を使う投擲競技は、テクニックも必要なため、日本人選手が体格で勝る欧米の選手と肩を並べることができる種目もあります。

「投擲」の類義語は?違いは?

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「投擲」の類義語として挙げられる言葉には、「投球」「送球」「放り投げる」といった言葉があります。それぞれの言葉と「投擲」の違いは、手を使って物体を投げる「物=球」に限定されるのが、「投球」であり「送球」です。

それだけではなく、投球と送球は投げる際に狙う場所も決められています。一方で「放り投げる」は、投げる方向などのすべてが定まっていないときにも使えるイメージです。また、物体に限らず仕事などにおけるノルマなど、実体のないものをどこかに放り投げてしまうという意味から、「途中でやめる」という意味でも使うことができます。

その1「投球」

「投球」とは「ボールを投げること。特に野球におけるピッチング。」を指します。「投擲」が円盤やハンマーなど、陸上競技における物体を投げる行為だったのに対して、投球は主に野球で使われる言葉、それもピッチャーが投げることに使われることが多い言葉です。

また、小石や手りゅう弾のようなものを投げる際にも「投球」は使うことはできません。

「投球」はピッチング以外の所で使われる際にも「ターゲットに対して、精密に狙う」イメージが強いのが特徴です。

1.夏の選手権に群馬代表で初出場の中村投手が、ミズノのグラブを振り上げて投球モーションに入った。

\次のページで「その2「送球」」を解説!/

その2「送球」

「送球」「球技において、他の選手にボールを手で送ること」を意味します。これも主に野球において、野手が他の野手にボールを投げることを指して使われる表現です。

一方で、「手でボールを送りながら前進し、ゴールに入れることで得点を狙う」特性を持つことから、ハンドボールを指す言葉としても使われています。

1.ひと冬超えて、送球の不安が解消されたことは、トレーニングに一部関連がある。

2.我が送球部の辞書に不可能の文字はない。

その3「放り投げる」

「放り投げる」には「乱暴に、無造作に投げる」「途中でやめる」といった意味があります。「投擲」のように遠くに投げることも意味合いに含まれますが、こちらはより粗雑に、目的意識、ターゲットがないイメージの際に使うと良いでしょう。

逆に動作としては「放り投げる」形であっても、ある程度投げる範囲が決まっている場合には「放り込む」なども使い勝手の良い表現として挙げられます。

また、「放り投げる」は「途中でやめる」という意味でも使われているのもよく知られているでしょう。実際の物体を投げるというよりも、「ノルマ」や「リハビリ」などの行為そのものをやめてしまうときに使うのです。

1.ガードが固く、パスターゲットが見つからないのでクォーターバックはやみくもにパスを放り投げた。

2.月間ノルマも、週間ノルマも到底クリアできないと、上司は仕事のすべてを後輩に放り投げた。

「投擲」の対義語は?

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「手を使って、物体を投げること」を意味するのが「投擲」です。対義語として挙げられるのは「手を使わないで物体を投げる」ことを意味する言葉か「手を使って、物体を投げないこと」を意味する言葉になります。

そのため、「投擲」という言葉に対する対義語はありません。

\次のページで「「投擲」を使いこなそう」を解説!/

「投擲」を使いこなそう

この記事では「投擲」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「手を使って、放り投げること」やハンマー投げ、円盤投げ、砲丸投げといった「投擲競技」を指す「投擲」

まとめると「ある一定の領域に向かって、対象物を放り投げる」イメージです。仕事を放り投げた先輩も、自分よりできる「後輩たち」に向かって放り投げているなら、それは、立派な「投擲」かも知れませんね。「投球」や「送球」などとの違いをしっかりと覚えて、使いこなしましょう!

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国語言葉の意味

「投擲」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「投擲」について解説する。

端的に言えば投擲の意味は「投げること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

放送局の制作現場で働いて10年の経験を積んでいるsinpeito88を呼んです。一緒に「投擲」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/sinpeito88

放送局の現場で10年間、ニュース原稿などを日々執筆。より正確な情報を届けられるよう言葉の探求を続けている。

「投擲」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「投擲」の意味や使い方を見ていきましょう。まず、意味については動作に関して使われる場合と、競技を示す場合の2種類があります。

「投擲」の意味は?

「投擲」には、次のような意味があります。ちなみに「擲」の字は常用漢字外のため「投てき」と表記されている場合もあるので、注意が必要です。

1.投げうつこと。投げること。
2.投擲競技の略。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「投擲」

まず、「投擲」とは、「投げうつこと。投げること。」という意味があります。「投げうつ」とは、物体を放り投げるようなイメージ。さらに、投擲が指すところの「投げる」は、砲丸球などを投げるイメージです。どちらにしても、円盤投げの円盤なども含めて物体を遠くに投げることを指しています。

また、「投てき競技」そのものを指して使われることもあるのがこの「投擲」という言葉です。ハンマー投げや円盤投げ、砲丸投げといった陸上競技のことを指した用語でもあります。

野球のボールを投げることや、ラケットを使ってボールを打ち返すことについては「投擲」の限りではありません。

「投擲」の使い方・例文

それでは早速、「投擲」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

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