「そもそも論」ってどんな論?
「そもそも」の名詞的意味に「最初」とあるように、議論の当初の目的や前提条件に立ち返る論調のことを「そもそも論」と言います。議題になっていることの目的を思い出して論点がずれていないか再確認したり、検討課題の前提条件が見落とされたりしないようにするのに、効果てきめんです。
『そもそもこの件の目的は~』といった具合に、「そもそも」の言葉を皮切りに論じられることが多いため、「そもそも論」と呼ばれます。
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「そもそも論」は話しの流れを一刀両断!
「そもそも論」は他の人を半強制的に原点に立ち返らせる論法であるため、多用すると嫌がられることも。「そもそも論」に従うとき、それまで話し合ってきたことをいったん白紙にされることもしばしば。そうなると、議論に費やした時間と熱意が無駄になります。
議題に対してなにか具体的な方策を決定することが、会議の成果物です。議論が白熱して妙案が出てきているようなタイミングでは、『そもそもね』と言いたくなる気持ちを、グッとこらえることも大切なことでしょう。
たまには必要な「そもそも論」:マッキンゼーのゼロ発想
先述の通り会議の成果物は、具体的な方策です。これに対して「そもそも論」は、本質的な目的を再確認すること。目的と方策はレベル(階層)の違うもので、通常、目的に向かうための方策はいくつもあります。
ところが会議の場がヒートアップしすぎると、しばしば目的が忘れられがち。方策を決定すること自体が、目的になってしまっている場面もよく見かけます。そんなときこそ『そもそも論』の出番というわけですね。
優秀な経営者を輩出しているマッキンゼー(外資系コンサル)には、『ゼロ発想』というコンセプトがあります。これは「そもそも必要ないのでは?」と、ゼロである場合を考えてみること。事業などの問題解決を考える前に、事業の必要性を考えて捨てる勇気を持つことで、問題の本質が見えてくるそうです。
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「そもそも」と原点に立ち返ることも大切
この記事では「そもそも」の意味について、類語や英語訳を交えて解説しました。社会人の多くの方が耳にしているであろう「そもそも論」についても、考察をご紹介しています。
「そもそも」はもともと、接続詞として話しを説き起こすのに使われていました。接続詞として文頭に来ていたことから名詞的な「最初」という意味が加わり、現在に至っています。「そもそも論」は、「最初=原点」に回帰する効果のある論調でしたね。原点回帰することで、複雑化しすぎたことが驚くほどすっきりと見えてくることもあります。ただ次のステップを考えずに乱用すると、『ただ言いがかりをつけてくる人』と評されてしまいますのでご注意を。
この記事が、原点回帰の要所を押さえた「そもそも」使用の一助になれば幸いです。