この記事では「来訪」について解説する。

端的に言えば、来訪の意味は「人が訪ねてくること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元は全国紙の記者で、ライター歴20年のトラコを呼んです。一緒に「来訪」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/トラコ

全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。

「来訪」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速、「来訪」の意味や語源、使い方を見ていきましょう。

「来訪」の意味は?

まず初めに「来訪」には、次のような意味があります。

[名](スル)人が訪ねてくること。「旧友が来訪する」「来訪者」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「らい-ほう【来訪】」

来訪の意味はシンプルで、人が訪ねてくる、という意味です。「旧友が来訪する」「来訪者」といった使い方をします。

敬語で「ご来訪」と丁寧に、目上の人に対してビジネスでのメールやお礼で使われることも。似た表現で「ご訪問」とも言います。

類義語として来宅、対義語として往訪などがあるのを、まずは覚えておきましょう。

「来訪」の語源は?

次に、「来訪」の語源を確認しておきます。来訪の語源そのものは、はっきりわかっていません。

来訪の「訪」は、「たずねる、おとずれる」という意味の漢字です。もともと「身分の高い人のところへ行き、自分の計画を実現するために話をする」といった意味があります。

そして、「来」を組み合わせることで、「相手がこちらへ訪ねてくる」という意味になりますので、覚えておいて損はありません。

「来訪」の使い方・例文

続いて、「来訪」の正しい使い方を、例文を使って見ていきましょう。

\次のページで「「来訪」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.自分の留守中だった時の来訪者に、意外な名前を見つけた。
2.婚約者による突然の来訪にまごつき、つい慌ててしまった。
3.近隣の都道府県からの観光来訪への期待が高まっている。
4.出産入院中の来訪者への手土産におすすめの品々。

例文1は、自分がいない間に訪問して来た人のこと。例文2は、来訪が突然だったため、戸惑ってしまった様子が目に浮かびます。

そして、例文3は、観光で当地へ訪れて来る人々のことを指す表現。例文4も、訪ねてくる人のことです。

いずれの表現も、人が訪ねて来る、という意味は共通なのがわかります。

「来訪」の類義語は?違いは?

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次に、「来訪」の類義語について、それぞれの意味を調べてみましょう。来訪の類義語として「訪問」「訪れ」「来臨」「短い訪問」「面会」「訪い」「門戸を叩く」「推参」など多くあります。

その1「訪問」

まず、来訪の最もよく知られている類義語は「訪問」です。

訪問の意味は、来訪の「人が訪ねてくること」に加え、「他人の家などを訪れること」もあります。つまり、来訪だと自分や自社など一人称が中心なのに対し、訪問はあなたや相手といった二人称、三人称の意味合いも。

「会社訪問」「友人宅を訪問する」など、非常によく使われる言葉です。

その2「門戸を叩く」

「門戸を叩く」の意味は「相手の家などを訪問すること」です。家、というのがポイントで、会社や病院、学校などを訪問する時、来訪は使われても、門戸を叩くとはあまり言いません。

家庭訪問する、家に入るといった表現が、門戸を叩くの類義語となります。

その3「来臨」

来臨」は「らいりん」と読みます。主に2つの意味があり、「(ミーティングや催しなどに)出席する行為」「短い社交的な訪問」です。後者のほうが、来訪に似た意味となります。

特に、来臨は、尊敬する人や目上の人の来訪を意味する場合が多いので、覚えておきましょう。

\次のページで「その4「推参」」を解説!/

その4「推参」

推参」は「すいさん」と読みます。漢字自体はそれほど難しくはないものの、普段あまりなじみがない言葉かもしれません。

この推参の意味は「相手の元へ押しかけること」です。来訪と似た意味合いはあるものの、押しかけるのはあまりよい意味とは言えません。

推参という言葉から、ネガティブな意味がイメージしづらいですが、失敬や無礼に当たる行為でもあり、注意したいところです。

「来訪」の対義語は?

来訪の対義語は「往訪」です。この往訪の意味について、見ていきましょう。

「往訪」

往訪の意味は「こちらから人を訪ねていくこと。訪問」です。来訪が、人が来るのに対し、往訪は人がやってくる逆の行為に当たります。

実際のところ、来訪と往来は、ビジネスの場においても間違いがとても多い漢字ですが、間違えたら大変です。「来訪の対義語は往訪」と、しっかり覚えておきましょう。

「来訪」の英訳は?

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来訪」の英訳についても、見てみましょう。

来訪を英語に訳すと「visiting」です。来訪者だと「visitor」「guest」「caller」といった英訳もあります。

その1「visiting」「visitor」

訪問を英訳すると「visiting」です。動詞の「visit」をそのまま名詞になっています。訪問者と、人間に限定すると「visiting」です。

例文を見てみましょう。

・What is the purpose for your visiting?

あなたの来訪する目的は?

・dismiss one's visitor

来訪者を退出させる

・a visit made by a person other than oneself

目上の人の来訪

・I have a visit from an expected person tomorrow.

明日ちょっと珍しい人の来訪を受ける。

その2「guest」

来訪する人のことを「guest」と表現することもあるのも、覚えておきましょう。

guestは、カタカナ英語のゲストでも、意味は多くあります。来訪客、招待客、顧客、来賓なども、すべてゲストです。

例文を見てみましょう。

\次のページで「その3「caller」」を解説!/

・a free parking lot for guests

来訪者向け(用)の無料駐車場

・look at someone's name on the guest register

来訪者名簿に書かれている名前を見る

その3「caller」

「caller」も、来訪者という意味です。ただ、短時間の訪問者という意味があり、この短時間の、というのがポイントになります。

例文を見てみましょう。

・a caller

来訪者、面会人、見舞客

・see a caller at the company

会社で接客をする

・a flow of callers

途切れない来訪者

・She was denied to callers.

来訪者は断られた。

「来訪」を使いこなそう

この記事では、「来訪」の意味・使い方・類語などを説明しました。

来訪は、主な意味は「人を訪ねてくること」のみですが、対義語で間違いやすい「往訪」をはじめ、類義語もとても多くあります。なにより、ビジネスシーンで使われることが多いため、上手に使いこなしていく必要があり、正しい意味と使用方法を把握するのが大事です。

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国語言葉の意味

「来訪」の意味や使い方は?例文や類語を元新聞記者がわかりやすく解説!

この記事では「来訪」について解説する。

端的に言えば、来訪の意味は「人が訪ねてくること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元は全国紙の記者で、ライター歴20年のトラコを呼んです。一緒に「来訪」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/トラコ

全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。

「来訪」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速、「来訪」の意味や語源、使い方を見ていきましょう。

「来訪」の意味は?

まず初めに「来訪」には、次のような意味があります。

[名](スル)人が訪ねてくること。「旧友が来訪する」「来訪者」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「らい-ほう【来訪】」

来訪の意味はシンプルで、人が訪ねてくる、という意味です。「旧友が来訪する」「来訪者」といった使い方をします。

敬語で「ご来訪」と丁寧に、目上の人に対してビジネスでのメールやお礼で使われることも。似た表現で「ご訪問」とも言います。

類義語として来宅、対義語として往訪などがあるのを、まずは覚えておきましょう。

「来訪」の語源は?

次に、「来訪」の語源を確認しておきます。来訪の語源そのものは、はっきりわかっていません。

来訪の「訪」は、「たずねる、おとずれる」という意味の漢字です。もともと「身分の高い人のところへ行き、自分の計画を実現するために話をする」といった意味があります。

そして、「来」を組み合わせることで、「相手がこちらへ訪ねてくる」という意味になりますので、覚えておいて損はありません。

「来訪」の使い方・例文

続いて、「来訪」の正しい使い方を、例文を使って見ていきましょう。

\次のページで「「来訪」の類義語は?違いは?」を解説!/

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