
1の意味は「非常によく似ている」という意味での例文です。「まるで」という意味にも置き換え可能であり、例文の意味合いとしては「まるで美術品」「美術品そっくり」となります。
2の意味は「そのまま」という意味です。「そのまま」は「そっくりそのまま」という言葉があるように、しばしば「そっくりだ」という意味合いでも使用される言葉ですが、この場合は「かつてのまま」という意味の「そのまま」になります。したがって例文の意味は、「昔のままだ」ということです。
3の意味は「すべて/全部」という意味になります。そのため例文の意味としては、「全部ずぶ濡れ」ということです。
4の意味は唯一の接続詞であり、「そうは言っても」という意味になります。例文の意味としては、「そうは言っても難しい」という意味です。
「さながら」の難しいポイント
「さながら」を使用する上で難しいポイントは、4つも意味を持ちながら使用の際は非常に紛らわしいということです。たとえば上記のトピックにおける2番の例文では、「かつてと変わらない」という意味で「昔さながらだ」と表記しています。しかし、これを1番の「そっくり」という意味で取ると、「昔そっくりである」という文章になり、意味合い的に自然になってしまうのです。つまり、どちらとも取れるという状態が頻発してしまいます。
そのため、「さながら」を読み書きする際に真意に沿って正確にやり取りするには、文脈を読み取る力と慣れが必要です。
「さながら」について詳しく知ろう

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「さながら」の使い方は難しいことを上記のトピックで説明しましたが、それを差し引いても「さながら」については覚える必要のあることが多いです。本記事を参考に、押さえておきましょう。
「さながら」って品詞は何?
「さながら」の品詞は上記の引用に記載のある通り、副詞と接続詞です。「そうは言っても」という意味合いが接続詞であるのは比較的ピンときやすく、覚えやすいでしょう。残りの3つである「そっくりである」「かつてのままである」「全部」を示す意味合いは全て副詞です。
実際にテストなどの際は、「傍線部分のさながらの品詞を答えなさい」などという形式で出題されることが予想されます。「さながらと言ったら副詞だ」と思い込まず、副詞であり接続詞でもあることを踏まえて、文脈を読んだ上での回答が必要です。
「さながら」は古語なの?
「さながら」は現代でも使用されているため現代語ですが、同時に古典でもしばしば使用されているため古語であるとも言えます。しかし「さながら」を古語として調べてみると意味がいくつかあるのがわかりますが、その実現代語としての「さながら」とほぼ変わりません。もしも古典で出てきたとしても難しく考えすぎず、現代語と同様に考えましょう。
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