

端的に言えば筆を擱くの意味は「執筆を終える」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
筆を擱いたときの顔が世界一清々しい、読書家ライター伊勢雄真を呼んだ。一緒に「筆を擱く」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/伊勢雄真
理工学部に所属する現役大学生。読書が好きで自然科学分野から人文学・社会科学まで幅広く読む。
読書で培った様々な知識と理系の勉強で養った論理的思考力で、みなさんを「筆を擱く」の奥深い世界に誘おう。
「筆を擱く」の意味は?
筆を擱くには次のような意味があります。
文章を書き終える。擱筆する。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「筆を擱く」
筆を擱くは「ふでをおく」と読みます。意味は上記の通りです。また、桜木先生も冒頭で言っていた通り「筆を擱く」を「筆を置く」とするのは誤用なので気を付けましょう。
詳しく見ていきましょう。筆は書くもの、書くこと、そして書いた文章の3つの意味があります。ここで言う筆は3点目の文章という意味ですね。筆は会意文字で、竹冠の下の部分が筆を持つ手を表す象形文字です。竹の筆から全体的な筆を指す字となりました。
次に擱くという難しい字がありますね。詳しく見ていきましょう。3つ意味があります。1つは置く、2つはやめる、3つは耐えるという意味です。漢字も詳しく見ていきましょう。つくりが音を表すので形声文字です。つくりの部分は門を止める杭という意味から、手で止めるという意味に繋がり、動かなくなるという意味になりました。
また、熟語にすると擱筆となります。もちろん同じ意味です。
「筆を擱く」の語源は?
ここでは筆を擱くの語源を紹介します。筆を擱くは、文章を書き終える際に机上に筆を置く姿からそのような意味になりました。また、擱くという字は物を置くという意味とやめるという意味があり、筆を置いて文章を書くのをやめるという二通りの意味があります。実際の意味合いは後者のみです。
「筆を擱く」の使い方・例文
筆を擱くの使い方を見ていきましょう。次の例文をご覧ください。
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