

端的に言えば所為の意味は「原因」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
情報誌系のライターを10年経験した柊 雅子を呼んだ。一緒に「所為」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/柊 雅子
イベントの司会や雑誌の記事作成を仕事としてきたライター、柊 雅子。「自分の失敗を他人の所為にする人間が増えた」と感じている彼女が「所為」について解説する。
「所為」の意味は?
「所為」には、次のような意味があります。
1.しわざ。振る舞い。
2.そうなった原因・理由。せい。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「所為」
「所為」の一般的な読み方は「せい」。日常の会話でよく使う「〇〇は××のせいだ」というあの「せい」です。しかし読み方は「せい」だけではありません。「所為」には「せい」の他にも読み方があるのです。
「〇〇の所為で××になった」というように物事の「原因」や「理由」を示す場合は殆ど「せい」と読みますが、「仕業」や「振る舞い」といった意味を表す場合は「せい」だけではなく「しょい」「そい」と読みます。このように「所為」という単語には三種類の読み方があるのです。
「所為」の語源は?
次に「所為」の語源を確認しておきましょう。
「所為」は漢文で用いられていた言葉です。漢文では「しょい」「そい」と読まれていたものが後に変化して「せい」になったと言われています。
「所為」を読み下すと「為せる所(なせるところ)」。「為せる」の意味は「おこなった」、「所」の意味は「事柄、こと」。なので「為せる所」は「おこなったこと」という意味になり、これは「仕業」「振る舞い」という言葉につながりますね。また「おこなったこと」により「結果」が生じることになり、「原因」という意味の「所為」につながっていくわけです。
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