この記事では「おずおず」について解説する。
端的に言えば「おずおず」の意味は「おびえたり自信がなかったりしてためらうさま」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「おずおず」の意味や例文、類語などを見ていきます。

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仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。

「おずおず」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「おずおず」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「おずおず」の意味は?

「おずおず」には、次のような意味があります。

〘副〙 (「と」を伴って用いることもある) 恐れるようす。おずおず。おどおど。びくびく。

〘副〙 (動詞「おず(怖)」を重ねたもの。「と」を伴って用いる場合もある) 恐れや緊張でためらっているさま。おそるおそる。こわごわ。びくびく。おどおど。おじおじ。

〘副〙 (形容詞「こわい」の語幹を重ねた語。「と」を伴って用いることもある) おそるおそる。おっかなびっくり。びくびくしながら。

出典:コトバンク

「おずおず」はためらいながら行動する様子を表す擬態語です主体が懸念・危惧や自信のなさなどのために躊躇して、決断した行動がとれない様子を表しますが、恐怖や危惧の暗示はそれほど強くはありません。また「おずおず」は「おどおど」や「びくびく」に似ていますが、「おどおど」は懸念・危惧や不安のために態度が落ち着きがない様子を表しますし、びくびく」は恐怖や危惧のために精神的・肉体的に震えがくる様子を表し、おびえ・不快の暗示があるでしょう。

「おずおず」の語源は?

次に「おずおず」の語源を確認しておきましょう。「おずおず」は「怖じる」を重ねた言葉です。「びくびくおそれる、怖がる」をより強めた表現。それでは「怖」の漢字の成り立ちについて説明しましょう。「怖」は心を表す文字と恐れてびくびくする意味の音を合わせた字で「おそれる」や「こわがる」意味を表します。普段から国語辞典などを使って調べ物をすると語彙力がつく上に使えるフレーズが増加し、誤字・脱字も少なくなりますよ。

\次のページで「「おずおず」の使い方・例文」を解説!/

「おずおず」の使い方・例文

「おずおず」の使い方について例文を挙げて解説していきます。この言葉は、たとえば以下のように用いられますよ。

1.新入社員がおずおずと社長室に入っていく様子から内気で臆病な感じがした。関連会社にもシャイな新人が多いと聞く。心配だが可能な限り結果を出して欲しい。

2.「テストの時に和英辞典で用語や単語を調べた人」という問いかけに、一部の生徒がおずおずと手を挙げた。教師は「みんな、今後実施するテストでは辞典や辞書を使用しないでオールエスを目指そう」と励ました。

3.一年生議員はおずおずとした態度で質問した。

ここでは「おずおず」の用法についてそれぞれ説明しますね。例文1「新入社員がおずおずと社長室に入っていく」では「と」が付いて述語にかかる修飾語になりますし、例文3「一年生議員はおずおずとした態度で質問した」では「…(と)した」が付いて名詞にかかる修飾語になります。

「おずおず」の類義語は?違いは?

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「おずおず」と似たような意味をもつ言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

その1「おどおど」

「おどおど」は態度に落ち着きがない様子を表す表現。主体が懸念・危惧や不安のために、態度に落ち着きがない様子を表しますよ。例えば「男は警官の質問におどおどした態度で答えた」などは「…した」がついて名詞にかかる修飾語になりますし、「教授の鋭い指摘に思わずおどおどしてしまった」では「…する」がついて述語になります。「おどおど」は「おずおず」に似ていますが、「おずおず」は懸念・危惧や自信のなさなどのために、決断した行動がとれない様子を表しますが、恐怖や危惧の暗示は強くありません

\次のページで「その2「びくびく」」を解説!/

その2「びくびく」

「びくびく」は恐怖や危惧のために精神的・肉体的に震えがくる様子を表します主体が恐怖や危惧などのために精神的・肉体的に震えがくる様子を表し、おびえ・不快の暗示がありますよ。「逃亡中はいつもびくびくとおびえていた」などは「…と」が付いて述語にかかる修飾語になりますし、「落第したかと内心びくびくもので教授室に行った」では「びくびくもの」の形で名詞を作ります。「おずおず」との違いは恐怖や危惧のために精神的・肉体的に震えがくる様子を表す点でしょう。

「おずおず」の対義語は?

「おずおず」と反対の意味を持つ言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

その1「でん」

「でん」は大きくて重いものが据えられている様子を表す擬態語。例えば「駅前に35階建てのビルがでんと鎮座している」では「と」が付いて述語にかかる修飾語になりますし、「社長はどんなときでもでんとして威厳がある」では「…としている」がついて述語になりますよ。「でん」を人間の態度について用いた場合は、威厳・貫禄があり物事に動じない様子を表します。また物について用いた場合は、大きく重い物が存在して容易に動かない不動の暗示がありますよ。「でん」は「どん」や「どっかり」に似ていますが、「どん」は重量があって安定している様子を表し、驚き・無造作・信頼の暗示があり、「どっかり」は大きな重いものを下す動作を表し、不動・重量・安定の暗示があります。

その2「どん」

「どん」は重量があって安定している様子を表しますよ。「と」がついて述語にかかる修飾語になり、驚き・無造作・安定・信頼の暗示があります。この「どん」は「でん」に似ていますが、「でん」は大きな重い物が据えられている様子を表し、威厳・貫禄と容易に動きそうもない不動の暗示があるでしょう。例えば「時代物の壺がどんと据えてある」からはずいぶんと重そうな壺であることが伝わってきますし、「時代物の壺がでんと据えてある」になると存在感があって高そうだなという印象を受けますよね。

「おずおず」の英訳は?

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「おずおず」の英訳にはどのようなものがあるのでしょうか。英語で「おずおず」と言い表す時の例をさっそく見ていきましょう。

「hesitantly」

「hesitantly」は「恥ずかしそうに、びくびくしながら」という意味があります。「he knocked on the door hesitantly」で「彼はおずおずとドアをノックした」、「My dad asked my mother hesitantly」で「父は母におずおずと尋ねました」と表現することができますよ。

\次のページで「「おずおず」を使いこなそう」を解説!/

「おずおず」を使いこなそう

この記事では「おずおず」の意味・使い方・類語などを説明しました。「おずおず」は主体が懸念・危惧や自信のなさなどのために躊躇して、決断した行動がとれない様子を表す表現でしたね。そのため「彼は落ち着かずにおずおずとあたりを見回した」は不適切な使い方になりますよ。正しくは「彼は落ち着かずにおどおどとあたりを見回した」です。「おずおずはためらいながら行動する様子」という点に着目して適切に表現するようにしましょう。

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国語言葉の意味

「おずおず」の意味や使い方は?例文や類語をプロダクション編集者がわかりやすく解説!

この記事では「おずおず」について解説する。
端的に言えば「おずおず」の意味は「おびえたり自信がなかったりしてためらうさま」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「おずおず」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/flicker

仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。

「おずおず」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「おずおず」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「おずおず」の意味は?

「おずおず」には、次のような意味があります。

〘副〙 (「と」を伴って用いることもある) 恐れるようす。おずおず。おどおど。びくびく。

〘副〙 (動詞「おず(怖)」を重ねたもの。「と」を伴って用いる場合もある) 恐れや緊張でためらっているさま。おそるおそる。こわごわ。びくびく。おどおど。おじおじ。

〘副〙 (形容詞「こわい」の語幹を重ねた語。「と」を伴って用いることもある) おそるおそる。おっかなびっくり。びくびくしながら。

出典:コトバンク

「おずおず」はためらいながら行動する様子を表す擬態語です主体が懸念・危惧や自信のなさなどのために躊躇して、決断した行動がとれない様子を表しますが、恐怖や危惧の暗示はそれほど強くはありません。また「おずおず」は「おどおど」や「びくびく」に似ていますが、「おどおど」は懸念・危惧や不安のために態度が落ち着きがない様子を表しますし、びくびく」は恐怖や危惧のために精神的・肉体的に震えがくる様子を表し、おびえ・不快の暗示があるでしょう。

「おずおず」の語源は?

次に「おずおず」の語源を確認しておきましょう。「おずおず」は「怖じる」を重ねた言葉です。「びくびくおそれる、怖がる」をより強めた表現。それでは「怖」の漢字の成り立ちについて説明しましょう。「怖」は心を表す文字と恐れてびくびくする意味の音を合わせた字で「おそれる」や「こわがる」意味を表します。普段から国語辞典などを使って調べ物をすると語彙力がつく上に使えるフレーズが増加し、誤字・脱字も少なくなりますよ。

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