
1.あの事故について誰も私の責任を追及しないが、自分自身気が「咎めて」仕方がない。
2.今日、社長は休みだよ。右足の傷が「咎めて」仕事にならないそうだ。
3.彼女は欠陥商品の原因について、大勢から「咎められた」が、私的には批判を受けるほどのことはしていない。
4.先日会った警官は無実の私に、犯人に取調べをするような態度で何をしているのか「咎めて」きた。
例文の数字は、「咎める」の意味説明トピックの番号と揃えています。「咎める」は動詞であるため、送り仮名はその場その場で変化する言葉です。意味が4つありそれぞれ異なるとはいえ、誰かの不実や失敗を理由に人を責めるという部分は共通している場合が多くなります。4つの意味が混同されがちなのは、なまじ意味が近いからという点も大きいです。

一見同じ意味であっても、よくよく考えたら同じ言葉で意味が違うというのは、ままあるケースだな。
「咎める」の派生語や関連性のある語は?

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「咎める」には派生語や関連のある言葉もさまざまにあります。全てを紹介することはできませんが、代表的なものを一部紹介するのでこれを機会に覚えてください。
そもそも「咎」って何?
「咎(とが)」とはそもそも、漢字一字で「間違い/過失/責められるべき失敗」という意味を持っています。これは誰かや自分を責めるというニュアンスはなく、単純に「罪」という言葉の類語と捉えて問題ありません。「咎める」は自分や相手の「咎」に対して、何かしらの行動をとることを指している言葉、とも言えるわけです。
使い方も「罪」とほとんど同じになり、「持つ」などよりも「ある/抱く」などを繋げる方が一般的になります。
「咎め立てる」ってどういう意味?
「咎め立てる」も関連語です。これは「強く咎める」という意味であり、「咎める」に輪をかけて相手を非難するニュアンスが強まりることになります。「囃し立てる」など、「立てる」という言葉が後ろにつくと一般的には度合いが強まるという意味があり、相当に強い言葉で非難している様子がわかるでしょう。
なお、「咎め立てる」は傷の悪化の意味にはほぼ使用されません。
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