この記事では「咎める」について解説する。「咎める」は知名度としてはまあまあで、そう難しいものでなくても文学なんかにはよく出てくるから、知ってる人も多いでしょう。ですが意味はいくつもあり、意外に全部知っているという人は少ないという側面も持っているな。元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「咎める」の意味や使い方、派生語などを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「咎める」ってどういう意味?

image by iStockphoto

「咎める」の意味は以下の通りです。

1.悪いことをしたと心を痛める。
2.傷やはれものをいじって悪くする。また、悪くなる。
3.過ちや罪・欠点などを取り上げて責める。非難する。
4.怪しんで問いただす。

出典:goo辞書「咎める 意味」

「咎める」は意味が4つもある言葉です。似たような意味に考えられるものもあるかもしれませんが、定義上異なるためきちんと確認してください。また、以前から知っていたという人も漏れが無いか知識の確認をした方が良いでしょう。

その1:自分の心が痛む「咎める」

「咎める」には「自分で自分を責める」という意味があります。多くは自分で何か悪いことをしたという自覚があり、それを気にしている際に使われることが多いです。使い方としては「良心が咎める」「気が咎める」などと表現し、自分の心が自分を内側から攻めているという言い回しになります。

また、このとき他人が自分を責めているかどうかは関係がありません。他人が自分の落ち度に気づいていようといまいと、自分が自分を責めている状態を示します。

\次のページで「その2:身体的な怪我に関わる「咎める」」を解説!/

その2:身体的な怪我に関わる「咎める」

「咎める」は「傷や腫れものに触れて悪化させる」「傷やはれものが悪くなる」という意味も持っています。単純に悪化した場合と、人の手で悪化を促してしまった場合、両方に使えるというわけです。この場合の「傷/腫れ物」は身体的な外傷を指しており、心理的なものは一切指していません。

「咎める」という言葉は4つ意味を持っていますが、直接身体に関わる意味はこの1種類だけになります。また、「咎める」の4つの意味の中ではやや登場頻度が低く忘れられがちであるため、しっかり覚えておきましょう。

その3:人を責める際の「咎める」

「咎める」には「人を責める」という意味もあり、誰かが誰かの過ちやミスを非難する際に使用されます。「咎める」は自分で自分を責めるという意味もありますが、その意味とこの意味はある意味正反対であり、こちらの「咎める」に自己反省のニュアンスは一切ありません。

また、「相手を責める」という意味を持つ言葉は他にもさまざまですが、中でも「咎める」はとても強いニュアンスを持っています。単に責めるという以上に、強い調子で相手を叱責するイメージでとらえてください。「咎める」の持つ4つの意味の中では比較的登場頻度が高く、「咎める」というとまずこの意味を連想する人も少なくないでしょう。

その4:人に詰問される場合の「咎める」

「咎める」は相手に疑問を抱き問いただす際にも使用される言葉です。単に物をたずねるのではなく、相手を怪しんだ上で話をさせようとしているため、とても強いニュアンスになります。

相手の過失を確信しているわけではないため、過ちを責めるという行為ではありません。あくまで怪しいと思っているだけであり、話の内容としては質問になりますが、口調の強さはミスを責めているときとあまり変わらないくらいのイメージでとらえておくと良いでしょう。

「咎める」についてもっと深く知ろう!

image by iStockphoto

辞書上の意味が頭に入ったら、次はより深く細かいことを知っていきましょう。読み方や使い方など、一つの言葉に対して学ぶべきことはたくさんあります。すべてを一度に覚える必要はありませんが、一度でも知っておくと忘れたとしても後から思い出す可能性はそう低くありません。

「咎める」の読み方って?

「咎める」の読み方は「とがめる」です。「める」は送り仮名であるため、漢字としては「咎」と書いて「とが」と読みます。「とが」は訓読みとなり、音読みは「きゅう」ですが、「とが」と読むケースの方がやや多いです。

「咎める」ってどう使う?

「咎める」は以下のように使用します。

\次のページで「「咎める」の派生語や関連性のある語は?」を解説!/

1.あの事故について誰も私の責任を追及しないが、自分自身気が「咎めて」仕方がない。
2.今日、社長は休みだよ。右足の傷が「咎めて」仕事にならないそうだ。
3.彼女は欠陥商品の原因について、大勢から「咎められた」が、私的には批判を受けるほどのことはしていない。
4.先日会った警官は無実の私に、犯人に取調べをするような態度で何をしているのか「咎めて」きた。

例文の数字は、「咎める」の意味説明トピックの番号と揃えています。「咎める」は動詞であるため、送り仮名はその場その場で変化する言葉です。意味が4つありそれぞれ異なるとはいえ、誰かの不実や失敗を理由に人を責めるという部分は共通している場合が多くなります。4つの意味が混同されがちなのは、なまじ意味が近いからという点も大きいです。

「咎める」の派生語や関連性のある語は?

image by iStockphoto

「咎める」には派生語や関連のある言葉もさまざまにあります。全てを紹介することはできませんが、代表的なものを一部紹介するのでこれを機会に覚えてください。

そもそも「咎」って何?

「咎(とが)」とはそもそも、漢字一字で「間違い/過失/責められるべき失敗」という意味を持っています。これは誰かや自分を責めるというニュアンスはなく、単純に「罪」という言葉の類語と捉えて問題ありません。「咎める」は自分や相手の「咎」に対して、何かしらの行動をとることを指している言葉、とも言えるわけです。

使い方も「罪」とほとんど同じになり、「持つ」などよりも「ある/抱く」などを繋げる方が一般的になります。

「咎め立てる」ってどういう意味?

「咎め立てる」も関連語です。これは「強く咎める」という意味であり、「咎める」に輪をかけて相手を非難するニュアンスが強まりることになります。「囃し立てる」など、「立てる」という言葉が後ろにつくと一般的には度合いが強まるという意味があり、相当に強い言葉で非難している様子がわかるでしょう。

なお、「咎め立てる」は傷の悪化の意味にはほぼ使用されません。

\次のページで「「咎める」という言葉を知っても「咎めない」こと」を解説!/

「咎める」という言葉を知っても「咎めない」こと

「咎める」という言葉は4つの意味を持っていますが、いずれもあまり歓迎すべき事態を指しているわけではないことは、学習の上ですぐにわかるでしょう。もちろん、時には自分や誰かを「咎める」ことも必要になります。しかし、何かを「咎めて」事態が好転することはそう多くありません。

「咎める」という言葉について知ることはおおいに結構ですが、みだりに行動に移すのは止めた方が良いでしょう。自分のことも相手のことも、できる限り咎めないで日々を過ごせれば、それに越したことはないことを覚えておいてください。

" /> あまり良くない事態?「咎める」の意味や使い方・派生語などを言葉大好きライターがわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

あまり良くない事態?「咎める」の意味や使い方・派生語などを言葉大好きライターがわかりやすく解説!

この記事では「咎める」について解説する。「咎める」は知名度としてはまあまあで、そう難しいものでなくても文学なんかにはよく出てくるから、知ってる人も多いでしょう。ですが意味はいくつもあり、意外に全部知っているという人は少ないという側面も持っているな。元建築系企業社員、現言葉大好きライターのsasaiを呼んです。一緒に「咎める」の意味や使い方、派生語などを見ていきます。

ライター/sasai

元会社員の現役フリーライター。言葉が好きで文章が好き。読むのも書くのも大好きで、海外小説からビジネス書まで何でも読む本の虫。こだわりをもって言葉の解説をしていく。

「咎める」ってどういう意味?

image by iStockphoto

「咎める」の意味は以下の通りです。

1.悪いことをしたと心を痛める。
2.傷やはれものをいじって悪くする。また、悪くなる。
3.過ちや罪・欠点などを取り上げて責める。非難する。
4.怪しんで問いただす。

出典:goo辞書「咎める 意味」

「咎める」は意味が4つもある言葉です。似たような意味に考えられるものもあるかもしれませんが、定義上異なるためきちんと確認してください。また、以前から知っていたという人も漏れが無いか知識の確認をした方が良いでしょう。

その1:自分の心が痛む「咎める」

「咎める」には「自分で自分を責める」という意味があります。多くは自分で何か悪いことをしたという自覚があり、それを気にしている際に使われることが多いです。使い方としては「良心が咎める」「気が咎める」などと表現し、自分の心が自分を内側から攻めているという言い回しになります。

また、このとき他人が自分を責めているかどうかは関係がありません。他人が自分の落ち度に気づいていようといまいと、自分が自分を責めている状態を示します。

\次のページで「その2:身体的な怪我に関わる「咎める」」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: