この記事では「すっぽかす」について解説する。

端的に言えばすっぽかすの意味は「約束を破る」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「すっぽかす」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「すっぽかす」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説していく。

「すっぽかす」の意味や語源・使い方まとめ

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「すっぽかす」という言葉は、みなさん聞いたことがあるでしょう。すっぽかされた事・すっぽかした事もあるかもしれませんね。どちらにしてもあまりいい意味では使われていません。今回はそんな「すっぽかす」という言葉を詳しく解説していきます。

それでは早速「すっぽかす」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「すっぽかす」の意味は?

「すっぽかす」には、次のような意味があります。

1.すべきことをしないで放置する。
2.そのままうち捨てておく。
3.約束を破る。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「すっぽかす」

「すっぽかす」とは、「放置する・うち捨てておく・約束を破る」の意。するべき事を放置したり約束を破るなどは、してはならない事ですね。もし周りの友人にそういう人がいたらどう思うでしょうか?もしかしたらうっかりしていただけかもしれません。でもそれが2回続けば、きっとその人はもう誘われなくなるでしょう。ビジネスならもっと厳しい判断をされます。会議をすっぽかす・打ち合わせをすっぽかされたなどあってはならないですし、問題が大きくなれば会社にも損失を出しかねません。

そういったことを考えると「すっぽかす」とは、人間性を疑われるような行いであり、絶対にしてはならない事とわかりますね。

「すっぽかす」の語源は?

次に「すっぽかす」の語源を確認しておきましょう。

「すっぽかす」という言葉は、方言のようにも感じませんか?ですがれっきとした共通語なのです。「すっぽかす」は「すっ」と「ほかす」の2つの言葉から成っていて、「すっ」は例えば「素っ頓狂(すっとんきょう)」や「素っ裸(すっぱだか)」のように前に置いて後ろの言葉を強める語ですよ。「ほかす」は関西の方言で「捨てる」の意味の「ほかす」が破裂音化し、「ぽかす」になったとされています。ですので漢字にすると「素っ放す」で、ほったらかしておくという意味からきていますよ。

\次のページで「「すっぽかす」の使い方・例文」を解説!/

「すっぽかす」の使い方・例文

「すっぽかす」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.彼はいつも約束をすっぽかす
2.どんな事情があれ、何度もすっぽかすのはよくない。
3.最終打ち合わせをすっぽかすなんて、どうしたんだろう。

3つの例文を挙げてみました。意味を知るとその事の重大さがよく分かりますね。例文1は「いつもすっぽかす彼」は、周りからの信用はすでに失っているでしょう。例文2を見てもらうと分かるように、「どんな事情があれ」いけない事だと言っています。「すっぽかす」とは「連絡もせずに約束を破る」事なので、当然相手にも迷惑をかけますし心配もさせてしまいますね。なので「どんな事情があれいけない事」と言っていますよ。最後に例文3ですが、最終打ち合わせという大事な会議をすっぽかしてしまった人はどうなるのでしょうか?仕事に穴を空けるという事は、会社としてもそれなりの制裁は必要になってくるでしょう。

信用だけでなくそれまでの地位も失いかねないのが「すっぽかす」という行為ですよ。

 

「すっぽかす」の類義語は?違いは?

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「すっぽかす」には、どんな類義語があるでしょうか?

その1「ドタキャン」

「ドタキャン」とは、「決行直前になって不参加すること」の意。つまり「土壇場でキャンセルする」から「ドタキャン」と短縮して言われるようになりました。「すっぽかす」も「ドタキャン」も相手が来ないという点は同じですが、「ドタキャン」は、連絡を入れるけど、「すっぽかす」は連絡すら入れない、という点が大きく違いますよ。どちらも相手に迷惑をかける行為には変わりありませんが、連絡すらしない「すっぽかす」の方がよりタチが悪いですね。

\次のページで「その2「反故にする」」を解説!/

その2「反故にする」

「すっぽかす」や「ドタキャン」よりももう少し堅い表現として「反故にする」があります。「ほごにする」と読み、「不要な物として捨てる・約束を破る」という意味を持っていますよ。ビジネスシーンでは、「約束を破る・契約を無効にする」ような場合に用いられます。

「すっぽかす」が「約束をほったらかす」のに対して、「反故にする」は「約束自体をなかったことにする」の意味合いが強いので、その点が両者の違いになりますよ。

「すっぽかす」の対義語は?

「すっぽかす」には対義語はあるのでしょうか?

「約束を守る」

「すっぽかす」の反対の意味は「約束を守る」です。

「遂行する」や「履行する」など型にはまった言い方はいくつかありますが、たとえば「遂行する」は、任務や仕事を遂行といった使われ方が一般的になっています。「履行する」は民法基本用語なので、「債務の内容を債務の本旨に従って実現すること」からくる「実行する」の意味になっていますよ。従って「すっぽかす」とはかけ離れてくるので、「約束を守る」が1番対義語としてふさわしいという結論になりました。

「反故」の対義語も調べてみましたが、やはり「相手と互いに取り決めを行なう」の意味の「約束」でしたよ。

「すっぽかす」の英訳は?

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「すっぽかす」は、英語だとどんな表現になるでしょうか。一緒に見ていきましょう。

「stand up」

「すっぽかす」を英語で表現すると「stand up」になりますよ。「stand up」は「立ち上がる」の意味で中学で習いますよね。「stand」という動詞が「立つ」なので、「立たせておく・待ちぼうけを食わせる」から「待たせる・待ちぼうけを食わせる」の意味も含まれているんですね。ただし、過去の出来事として指す表現なので、基本的には「stood up」と使うのが正解ですよ。例文を挙げるので参考にしてみてください。

「He always stood me up a promise.」(彼はいつも約束をすっぽかす。)

「I got stood up yesterday.」(昨日約束をすっぽかされた。)

\次のページで「「すっぽかす」を使いこなそう」を解説!/

「すっぽかす」を使いこなそう

この記事では「すっぽかす」の意味・使い方・類語などを説明しました。一度おさらいをしてみましょう。「すっぽかす」とは、「放置する・うち捨てる・約束を破る」といった意味でしたね。「ドタキャン」と同じ意味ですが、ドタキャンと違って連絡すらしないのが「すっぽかす」なので、人としてするべき行為ではないですね。

すっぽかすこともすっぽかされることも一人では成り立ちません。相手あっての事だからこそ、「約束を守る」「連絡をする」という当然の行いを省略してはいけませんよね。口約束だったけどもしかしたら待っているかもしれない、など相手の立場になって考えたり、通信手段が豊富になった事で「すっぽかす」という行為は確実に避けられますよ。

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国語言葉の意味

「すっぽかす」の意味や使い方は?例文や類語を読書好きWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「すっぽかす」について解説する。

端的に言えばすっぽかすの意味は「約束を破る」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「すっぽかす」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「すっぽかす」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説していく。

「すっぽかす」の意味や語源・使い方まとめ

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「すっぽかす」という言葉は、みなさん聞いたことがあるでしょう。すっぽかされた事・すっぽかした事もあるかもしれませんね。どちらにしてもあまりいい意味では使われていません。今回はそんな「すっぽかす」という言葉を詳しく解説していきます。

それでは早速「すっぽかす」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「すっぽかす」の意味は?

「すっぽかす」には、次のような意味があります。

1.すべきことをしないで放置する。
2.そのままうち捨てておく。
3.約束を破る。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「すっぽかす」

「すっぽかす」とは、「放置する・うち捨てておく・約束を破る」の意。するべき事を放置したり約束を破るなどは、してはならない事ですね。もし周りの友人にそういう人がいたらどう思うでしょうか?もしかしたらうっかりしていただけかもしれません。でもそれが2回続けば、きっとその人はもう誘われなくなるでしょう。ビジネスならもっと厳しい判断をされます。会議をすっぽかす・打ち合わせをすっぽかされたなどあってはならないですし、問題が大きくなれば会社にも損失を出しかねません。

そういったことを考えると「すっぽかす」とは、人間性を疑われるような行いであり、絶対にしてはならない事とわかりますね。

「すっぽかす」の語源は?

次に「すっぽかす」の語源を確認しておきましょう。

「すっぽかす」という言葉は、方言のようにも感じませんか?ですがれっきとした共通語なのです。「すっぽかす」は「すっ」と「ほかす」の2つの言葉から成っていて、「すっ」は例えば「素っ頓狂(すっとんきょう)」や「素っ裸(すっぱだか)」のように前に置いて後ろの言葉を強める語ですよ。「ほかす」は関西の方言で「捨てる」の意味の「ほかす」が破裂音化し、「ぽかす」になったとされています。ですので漢字にすると「素っ放す」で、ほったらかしておくという意味からきていますよ。

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