

端的に言えば名残の意味は「過ぎ去った後の気配」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ドラマやアニメなど、数多くの映像字幕を作成した経験があるNagiを呼んだ。一緒に「名残」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/Nagi
映像翻訳スクール出身。翻訳、チェッカー以外にも、CC字幕(クローズドキャプション)の制作多数。言葉を文字で表現する「字幕」の世界に数多く触れてきた経験を活かして、分かりやすく解説する。
「名残」の意味や語源・使い方まとめ

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「名残」の読み方は「なごり」です。日常的に使われているので、誰もが知る言葉ではないでしょうか。歌詞や小説などにもよく出てくる表現ですよね。
それでは早速「名残」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「名残」の意味は?
「名残」には、次のような意味があります。
1.事が終わったあとに残る気分や影響
2.別れるときの心残り。
出典:実用新国語辞典 特装版(三省堂)「名残」
「名残」の意味は上記の2つが基本ですが「物事の最後、子孫、病後の影響」などを表現する際にも使えます。「名前が残る」から派生した言葉だと思っていませんでしたか?「名残」の漢字は当て字です。そのため、どの国語辞典で調べても「名前が残る」に関連する意味は記載されていません。普段から辞書を引く習慣をつけておかないと、間違った解釈のまま使ってしまうおそれがあるので気をつけたいですね。
「名残」の語源は?
ここで「名残」の語源を確認しておきましょう。「名残」の語源は「波」と「残り」を合わせた「波残り」です。この「なみのこり」が「なごり(余波)」に音変化したといわれています。もともとは、打ち寄せた波が引いた後に残る、海水や海藻のことなのです。
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