「沽券」の使い方・例文
それではここで「沽券」の使い方を例文を使って見ていきましょう。「沽券にかかわる」という使われ方がほとんどだと思われますが、それ以外の言い回しも可能です。例えば、以下のように使うことができます。
1.秘書に頭を下げるのは、社長としての沽券にかかわる。
2.ある著者は連載の打ち切りを言い渡され、人気作家としての沽券を失った。
例文1で使われているような「沽券にかかわる」というのが、「沽券」という単語を使った最も一般的な慣用句でしょう。ややいかめしい印象を与え、絶対に秘書に頭を下げたくないという強い意志が現れています。また、この言葉を使う人は上から目線であることが多いでしょう。
例文2は「沽券にかかわる」という形ではない「沽券」の使用例で、「値打ち」「体面」といった意味で用いられています。このように「沽券」は慣用句の一部としてだけではなく、単純に名詞として使用することも可能です。ただし「沽券にかかわる」という言い方が一般的であるため、濫用してしまうと不自然な文章になりかねないので注意しましょう。
その1「矜持」
「矜持」は「きょうじ」と読み、「自分を誇る気持ち」や「自負」といった意味があります。「沽券」とほぼ同じような意味で、言葉を入れ替えても問題なく意味が通じるでしょう。ただし語源からして「沽券」の方が「(人としての)値打ち」という意味が強く出ていると思われます。
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