この記事では「うだうだ」について解説する。
端的に言えば「うだうだ」の意味は「どうでもいいことを、いつまでもしたり言ったりするさま」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「うだうだ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/flicker

仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。

「うだうだ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「うだうだ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「うだうだ」の意味は?

「うだうだ」には、次のような意味があります。

〘副〙 (形容詞「うだうだしい」の語幹から。「と」を伴うこともある) とりとめもなく、締まりのないさま。また、「うだうだ言う」の形で、ばかげたことや、いいかげんなことを言うさま。ぐずぐず。

出典:コトバンク

「うだうだ」は有意義なことをしない様子を表し、惰性に流された結果、無為・怠慢な状況を反省する暗示があります。また「うだうだ」は「うかうか」に似ていますが、「うかうか」は精神的に散漫なため、不注意・不用意・無為になっている状況を反省する暗示がありますよ。例えば「西洋人は必ず話の途中で質問をするので、うだうだ聞いていられない」は誤りで、正しくは「西洋人は必ず話の途中で質問をするので、うかうか聞いていられない」となります。

「うだうだ」の語源は?

次に「うだうだ」の語源を確認しておきましょう。「うだうだ」は「うだうだしい」から派生した言葉です。「うだうだしい」は間が抜けてぽかんとしているさまを意味します。この「うだうだしい」から転じて、惰性に流されて有意義なことをしない様子を表すようになりました。

\次のページで「「うだうだ」の使い方・例文」を解説!/

「うだうだ」の使い方・例文

「うだうだ」の使い方について例文を挙げて解説していきます。この言葉は、たとえば以下のように用いられますよ。

1.兄は以前は朝日新聞社に勤務していが、新しくビジネスを始めると言い出し会社を簡単に辞めて今はプータローで毎日うだうだしている。詳しい内容はあなたには伝えなかったが、兄はそんなタイプではなかったので少し疑問を持った。

2.叔父はアプリで無料配信の動画を再生したり、ユーザー登録したサイトの電子サービスを利用してプレミアム商品などを手軽に購入したり、毎日うだうだとした生活につかっている。

3.彼女はスウェーデンから日本語と俗語の勉強をしに日本の田舎に移り住んだが、今日までうだうだと暮らしているうちにすっかり世情に疎くなってしまった。

ここでは「うだうだ」のそれぞれの用法について説明しますね。「兄はプータローで毎日うだうだしている」など例文1のように「…している」が付くと状態を表す述語になります。また例文2のように「叔父はうだうだとした生活につかっている」などは「と」が付いて述語にかかる修飾語になる用法。さらに例文3のように「彼女は田舎でうだうだと暮らしているうちに、すっかり世情に疎くなってしまった」などは「…した」が付いて名詞にかかる修飾語になります

「うだうだ」の類義語は?違いは?

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「うだうだ」と似たような意味をもつ言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

その1「うかうか」

「うかうか」は精神的に散漫になって事態に全力かつ真剣に対処しない様子を表し、主体が精神的に散漫で惰性に流された結果、不注意、不用意、無為になっている状況を反省する暗示があるでしょう。「一カ月の休暇をついうかうかと過ごしてしまった」では「と」が付いて述語にかかる修飾語になりますし、「その店はとても小さいので、うかうかしていると前を素通りしてしまう」などは「…している」などが付いて述語になります。「うだうだ」との違いは精神的に散漫で惰性に流された結果、不注意、不用意、無為になっているという点。

\次のページで「その2「うっかり」」を解説!/

その2「うっかり」

「うっかり」は行動をする際、精神的に散漫になっている様子を表し、主体が精神的に散漫になっている結果、不用意・不注意な状況になっていることを反省する暗示があります。ですが、その場限りの散漫さであり、惰性によって長期間を無為に過ごすという場合には「うかうか」を用いますよ。「うっかりミス」や「うっかり者」の形では名詞の用法になります。「うだうだ」との違いは主体が精神的に散漫になっている結果、不用意・不注意な状況になっている点でしょう。

その3「ぼやぼや」

「ぼやぼや」は思考が不明瞭になって集中していないことについて焦燥を感じる様子を表します。また、主体の思考が不明瞭になって集中できず事態に的確に対処できない様子を、話者が見て焦燥を感じる様子を表し、不快・怒りの暗示もありますよ。

「ぼやぼや歩いていると車にひかれるよ」などは単独で述語にかかる修飾語になりますし、「経験者だからといってぼやぼやしていると、若手に追い抜かれてしまう」では「…している」が付いて述語になりますよ。ちなみに「ぼやぼや」は「ぼやっ」の状態形ですが、話者の焦燥・怒りの暗示はより強くなります。なお「うだうだ」との違いは、主体の思考が不明瞭になって集中できず事態に的確に対処できないという点でしょう。

「うだうだ」の対義語は?

「うだうだ」と反対の意味を持つ言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

その1「せっせ」

「せっせ」は他のことを考えずに一心に行動する様子を表します。ふつう単一の行動を反復して一心に行う様子を表し、一心不乱・真面目・勤勉の暗示がありますよ。例えば「ミツバチは蜜を求めてせっせと飛び回る」などが基本的な用法であり、また「そんなにせっせと貯めこんでどうするの」などは主体が一心に貯金に励んでいるのを話者が揶揄している状態です。ちなみに「せっせせっせ」という表現は協調形。なお「せっせ」は「しこしこ」に似ていますが、「しこしこ」はさらに見る者の揶揄の暗示が強くなり、ややマイナス寄りのイメージの語になります。

その2「ばりばり」

「ばりばり」は精力的に働く様子を表し、有能・精力(エネルギー)・最盛期の暗示があります。「若い頃はばりばり仕事をこなしたものだ」などは単独で述語にかかる修飾語になりますし、「ボンズは現役ばりばりの大リーガーだ」では「の」が付いて名詞にかかる修飾語になりますよ。ここでは「うだうだ」の対義語として「ばりばり」について説明しましたが、「ばりばり」は他にも硬くて薄い物が連続して破壊される音や、物の表面に非常に強い張力が働いている様子を表す擬態語でもあります。

「うだうだ」の英訳は?

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「うだうだ」の英訳にはどのようなものがあるのでしょうか。英語で「うだうだ」と言い表す時の例をさっそく見ていきましょう。

\次のページで「「going on and on」」を解説!/

「going on and on」

「going on and on」は「長々と、くどくど」という意味。「He spends every day going on and on」で「彼は毎日うだうだと過ごしている」、「My sister got sick while living on and on」で「姉はうだうだと生活しているうちに病気になりました」と訳すことができます。

「うだうだ」を使いこなそう

この記事では「うだうだ」の意味・使い方・類語などを説明しました。

人は社会の中で暮らしているといっても、何でも思いのままに行動できるものではありませんね。その社会の決まりや常識的な慣習というものがあって、それに従いながら自分の道を歩んでいます。また、人生競争で差が生ずるのはやむを得ないことです。先頭を行くか遅れを取るかは運もありますが、その人の資質や世渡りの才覚によるところも大きいでしょう。ですが、うだうだと安逸な生活に安住することなく努力することが何より大切ですよ。

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国語言葉の意味

「うだうだ」の意味や使い方は?例文や類語をプロダクション編集者がわかりやすく解説!

この記事では「うだうだ」について解説する。
端的に言えば「うだうだ」の意味は「どうでもいいことを、いつまでもしたり言ったりするさま」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「うだうだ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/flicker

仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。

「うだうだ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「うだうだ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「うだうだ」の意味は?

「うだうだ」には、次のような意味があります。

〘副〙 (形容詞「うだうだしい」の語幹から。「と」を伴うこともある) とりとめもなく、締まりのないさま。また、「うだうだ言う」の形で、ばかげたことや、いいかげんなことを言うさま。ぐずぐず。

出典:コトバンク

「うだうだ」は有意義なことをしない様子を表し、惰性に流された結果、無為・怠慢な状況を反省する暗示があります。また「うだうだ」は「うかうか」に似ていますが、「うかうか」は精神的に散漫なため、不注意・不用意・無為になっている状況を反省する暗示がありますよ。例えば「西洋人は必ず話の途中で質問をするので、うだうだ聞いていられない」は誤りで、正しくは「西洋人は必ず話の途中で質問をするので、うかうか聞いていられない」となります。

「うだうだ」の語源は?

次に「うだうだ」の語源を確認しておきましょう。「うだうだ」は「うだうだしい」から派生した言葉です。「うだうだしい」は間が抜けてぽかんとしているさまを意味します。この「うだうだしい」から転じて、惰性に流されて有意義なことをしない様子を表すようになりました。

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