

「いみじくも」は馴染みがない言葉のように感じるが、目上の人との対応やビジネスのシーンではよく使われているぞ。意味や使い方を理解するとコミュニケーションの幅が広がること間違いなしだ。
元外商で言葉を駆使してきたねことすなを呼んだ。一緒に「いみじくも」の意と使い方、語源や例文も見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/ねことすな
ホテル・百貨店で多くのお客様と接してきたライター。現在も言葉を最大のコミュニケーションツールとして日々活動しつづけている。元外商の経験から「相手の気持ちを創造する」言い回しが得意。
「いみじくも」の意味・語源は?

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「いみじくも」という言葉、「何となく聞いたことはあるけど意味や語源までは…」という方も多いのではないでしょうか。「いみじくも」は誤用されることがとても多い言葉です。正しい意味や使い方を語源なども一緒に確認していきましょう。
「いみじくも」の意味は「非常に上手く」
「いみじくも」には以下のような意味があります。
・《形容詞「いみじ」の連用形+係助詞「も」から》非常に上手く。適切に。
(出典 デジタル大辞泉 小学館)
マイナスのイメージを持つ印象がありますが実は相手の行動や言動に対して前向きにとらえたり、褒めたりするときに使われることが多い言葉です。
「いみじくも」の語源は「忌む(いむ)」
「いみじくも」の語源となる言葉は「忌む」(動詞)です。「いみじ」(形容詞)の連用形に「も」(助詞)がついたものですね。
「忌む」を由来とする言葉に「いみじ」(形容詞)があり、「いみじ」は「はなはだしい」という意味を持ちます。善悪どちらにも使われていましたが、現代では善にあたる「非常に上手く」というポジティブな意味だけが残りました。
語源というと難しく感じますが「いみじくも」の場合は「忌む」という善悪の「悪」をもつ言葉が、善悪両方の意味を持つ「いみじ」によって時代の流れとともに「非常に上手く」という善の部分が残ったということになるでしょうか。
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