国語言葉の意味

【慣用句】「霞を食う」の意味や使い方は?例文や類語を読書家ライターがわかりやすく解説!

よお、ドラゴン桜の桜木建二だ。この記事では「霞を食う」について解説する。

端的に言えば霞を食うの意味は「浮世離れ」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

高校生の頃は霞を食うような暮らしに憧れていた、読書家ライターの伊勢雄真を呼んだ。一緒に「霞を食う」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/伊勢雄真

理工学部に所属する現役大学生。読書が好きで自然科学分野から人文学・社会科学まで幅広く読む。
読書で培った様々な知識と理系の勉強で養った論理的思考力で、みなさんを「霞を食う」の奥深い世界に誘おう。

「霞を食う」の意味や語源・使い方まとめ

image by PIXTA / 65845516

それでは、「霞を食う」の世界を見に行きましょう。

「霞を食う」の意味は?

「霞を食う」の意味は次の通りです。

[仙人は霞を食って生きているといわれているところから]浮世離れして、収入もなしに暮らすことのたとえ。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「霞を食う」

「霞を食う」の辞書的な意味は上記の通りです。読みはそのまま「かすみをくう」ですね。

まずは字面をたどってみましょう。霞とは空気中に浮かんでいるさまざまな細かい粒子のために、遠くがはっきり見えない現象のことを指します。では、似たような意味の霧が何か分かりますか?地表や海面付近で大気中の水蒸気が凝結して、無数の微小な水滴となって浮遊する現象です。似たような意味ですね。実は、平安時代より前は霞と霧は混合されていましたが、現在では春は霞、秋は霧と分けています。また、霧や霞が薄い帯状になることも霞と言いますよ。そんな霞を食べて生きていけるなんて思えませんよね。霞を食べて生きている仙人が現実的でないことから浮世離れしたという意味になったのです。

霞という漢字にも着目しましょう。あめ冠の下の部分が「か」という音読みを示しているので、形声文字です。この部分は仮という意味を持ち、雨にはなれなかった水蒸気という意味になります。

さて、では「浮世」とは何でしょうか。もともとは「憂き世」と言って、辛いことの多い世の中という意味でした。それが、漢語ではかない世の中という「浮世(ふくせ)」の影響を受け、定めのない人の世の中という意味に変化して「浮き世」となりました。

「霞を食う」の語源は?

次に霞を食うの語源を確認しましょう。といっても辞書の引用で示した通り、「仙人が霞を食べて生活していることから」というのが語源となります。

では、仙人とはどのような存在なのでしょうか。仙人は漢民族の古くからの願望である不老不死の体術を取得し、俗世を離れ山に隠れ住む、理想的な人のことです。超人的な存在といったところでしょうか。古代中国の民間信仰を基盤とした、不老長老・現世利益を主な目的とした宗教である「道教」の理想とされています。そういった、一般人とはかけ離れた存在のために、「浮世離れした」という意味が生じたのです。

\次のページで「「霞を食う」の使い方・例文」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: