

端的に言えば寂寥の意味は「もの寂しいこと」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
日本語が好きで日本文学科を卒業したハルを呼んだ。一緒に「寂寥」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/ハル
日本語が大好きで日本文学科を卒業。現在は子供が言葉を覚えていく様子を見ながら日本語の奥深さを実感中。多くの人にそのよいところを紹介したいとの思いを込めて丁寧に解説する。
「寂寥」の意味や語源・使い方まとめ

「寂寥」という漢字、正しく読めるでしょうか。なにやら寂し気な文字が並んでいますね。どんな意味をもつ言葉でしょう。
それでは早速「寂寥」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「寂寥」の意味は?
まず初めに「寂寥」の意味を辞書で確認してみましょう。「寂寥」には、次のような意味があります。
1.心が満ち足りず、もの寂しいこと。
2.ひっそりとしてもの寂しいさま。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「寂寥」
「寂寥」は「せきりょう」と読みます。人の心がもの寂しいことと、風景や雰囲気などがひっそりともの寂しいことの両方を表す言葉です。「もの寂しい」は「何となくさびしい、うらさびしい」ことを表しますが、「寂」も「寥」も「さみしい」という意味を持つ漢字ですから、「寂寥」は、さみしさの度合いが深い、とてもさみしいさまを表しています。
日常会話の中ではあまり使われることのない言葉かもしれませんが、小説や文章の中で見ることはあるでしょう。感情を表す言葉ですから「寂寥感」と用いられることも多いですね。
「寂寥」の語源は?
次に「寂寥」の語源を確認しておきましょう。
上記の通り、「寂」という漢字には「さびしい、さびれる、しずか、ひっそりしている」という意味があります。「わびさび」というのは漢字で「侘び寂び」と書くのですよ。また、僧が死んだことを表す文字として「明治九年寂(じゃく)」のように用いられることもある文字です。
「寥」は、「空虚でもの寂しい」という意味とともに、「がらんとして広い」という意味も持っています。
この二つの文字を合わせて、寂しさを強調するとともに、虚しさをも表す言葉となりました。
「寂寥」の使い方・例文
「寂寥」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
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