この記事では「予め」について解説する。

端的に言えば予めの意味は「前もって」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国立大で国語学を学んだライターのタケルを呼んです。言葉の解説を得意としていて、大学時代はクイズサークルに所属していたので雑学にも詳しい。一緒に「予め」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タケル

某国立大で日本語学を専攻していた。実はアドリブが全く利かない。出掛ける前日のうちに、予め手荷物から着る服まですべて用意しておかないと気がすまないタイプだ。

「予め」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「予め」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「予め」の意味は?

「予め」には、次のような意味があります。

物事の始まる前に、ある事をしておくさま。前もって。「予め調べておく」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「予め」

「予」という漢字自体は難しくはないはずです。小学校3年生で習います。しかし、「予め」と送り仮名が付いた形で読めなかった人は多いのではないでしょうか。「予め」は「あらかじめ」と読みます。

言葉の意味でしたら、漢字の「予」から推測できたでしょう。「前もって」という意味となります。物事が始まる前に準備などをするということです。

「予め」の語源は?

次に「予め」の語源を確認しておきましょう。

かつては「余裕を持って始める」ことを「有らく始め」(あらくはじめ)と言っていました。この「あらくはじめ」が「あらかじめ」に変化して、漢字も「予」の字を当てて「予め」と書かれるようになったとされます。

\次のページで「「予め」の使い方・例文」を解説!/

「予め」の使い方・例文

「予め」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.今日の仕事が終わりしだい予め電話入れとくわ。
2.提出期限は明日の閉庁時刻までとなりますので、予めご了承いただけますようお願いします。
3.果たしてゴールデンウイークにまとまった休暇が取れるかまだ分からないが、他に休める日なんてないので予め旅行の計画だけでも立てておこうか。

例文1と3のように、ごく普通の会話でも「予め」は使われます。しかし、「予め」はカジュアルに使われることが少なく、「前もって」や「事前に」などが好んで使われる傾向です。それよりも、例文2のようにビジネスシーンなどのかしこまった場面で「予め」を耳にするでしょう。

「予め」は「前もって」や「事前に」よりも硬い表現となるため、ビジネスの場でも使っていいとされます。しかし、実際に「予め」を使用する際には注意しなければなりません。なぜかと言うと、「予め」という漢字の読みは常用外だからです。話し言葉で「予め」と言うのは問題ありませんが、文書で「予め」と表記するのを良しとしない場合もあります。したがって、平仮名で「あらかじめ」と表記したほうが無難でしょう。

「予め」の類義語は?違いは?

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ところで、「予め」の類義語は何でしょうか。違いとともに見ていきましょう。

「先立って」

「予め」の類義語に「先立って」があります。読みは「さきだって」です。よく「せんだって」と読む人も見られますが、正しい読み方ではありません。「先立って」は「さきだって」と読みましょう。

「先立って」には2つの意味があります。1つは「前もって、さきに出かけて」です。ここまでは「予め」とは同じ意味であると捉えてよいでしょう。もう1つの意味が「予め」にはありません。「さきごろ、先日」という意味が「先立って」にはあります。たとえば「先立ってお会いした際〜」は「先日会ったとき〜」をかしこまって言う形です。

他には「先に」「前に」「かねて」なども「予め」の類義語と言っていいでしょう。「前々から」や「かねてより」など、言葉が重なって意味を強調しているものもあります。

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「予め」の対義語は?

さらに「予め」の対義語も見ていきましょう。

「行き当りばったり」

まず、「行き当りばったり」は「いきあたりばったり」と「ゆきあたりばったり」のどちらでもかまいません。辞書には両方の読みが掲載されているケースが見られます。

「行き当りばったり」の意味は「計画を立てないで成り行きに任せること」です。語源は想像できるでしょう。「進んで行って突然ばったりと出会う」です。「予め」とは違い、事前の準備がないという点が対照的と言えます。

「予め」の英訳は?

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ついでに「予め」の英訳も見ておきましょう。

「beforehand」「in advance」

「予め」という意味がある英語の副詞に「beforehand」があります。「call beforehand」で「予め伝える(電話する)」、「prepare beforehand」で「予め準備する」です。

それ以外には、「in advance」も良いでしょう。「advance」は「前進(する)」という意味の名詞または動詞で、前に「in」を付けて「予め」となります。「pay in advance」で「予め支払う」、つまりは「前払い」です。

または「previously」や「antecedently」、「ahead」などでもかまいません。「前もって」や「事前に」などと和訳されることの多い英単語も含まれています。

「予め」を使いこなそう

この記事では「予め」の意味・使い方・類語などを説明しました。

ビジネスの世界は根回しが大事です。どんな仕事でも「予め」準備をしなければなりません。しかし、相手のニーズに答えることも必要とされます。たとえば、文書を交わす際は漢字で「予め」かそれとも「あらかじめ」と平仮名にすべきかなどです。仕事をスムーズに進めるためにも「予め」準備しておくことは忘れずに、そして「予め」という言葉の意味を十分に理解しましょう。

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国語言葉の意味

「予め」の意味や使い方は?例文や類語を雑学大好きwebライターがわかりやすく解説!

この記事では「予め」について解説する。

端的に言えば予めの意味は「前もって」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

国立大で国語学を学んだライターのタケルを呼んです。言葉の解説を得意としていて、大学時代はクイズサークルに所属していたので雑学にも詳しい。一緒に「予め」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タケル

某国立大で日本語学を専攻していた。実はアドリブが全く利かない。出掛ける前日のうちに、予め手荷物から着る服まですべて用意しておかないと気がすまないタイプだ。

「予め」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「予め」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「予め」の意味は?

「予め」には、次のような意味があります。

物事の始まる前に、ある事をしておくさま。前もって。「予め調べておく」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「予め」

「予」という漢字自体は難しくはないはずです。小学校3年生で習います。しかし、「予め」と送り仮名が付いた形で読めなかった人は多いのではないでしょうか。「予め」は「あらかじめ」と読みます。

言葉の意味でしたら、漢字の「予」から推測できたでしょう。「前もって」という意味となります。物事が始まる前に準備などをするということです。

「予め」の語源は?

次に「予め」の語源を確認しておきましょう。

かつては「余裕を持って始める」ことを「有らく始め」(あらくはじめ)と言っていました。この「あらくはじめ」が「あらかじめ」に変化して、漢字も「予」の字を当てて「予め」と書かれるようになったとされます。

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