理科生物

植物の「光合成」を発見した科学者「インゲンホウス」について理系研究アシスタントがわかりやすく解説

よぉ、桜木建二だ。今回は「光合成」を発見した科学者について説明していくぞ。植物が二酸化炭素を吸収し、酸素を放出する過程で光が必要不可欠であるという、「光合成」については中学生の理科で習うから知っているよな。カルビン回路が発見されたのは20世紀に入ってからなので最近の話だ。それ以前の光合成に関する研究を行っていた人物がいて、その理論を発展させたり否定したりして現在に繋がっていると思う。では、いったい誰がいつ「光合成」について発見したのかということについて生物に詳しいライターmimosa(ミモザ)と一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/mimosa

幼いころから地方の自然豊かな環境で育ってきたので、自然が大好き。もともと文系出身で、独学で生物学、分子生物学、微生物学を勉強し、現在医学系研究所の研究アシスタントとして理系の世界へ飛び込んだ。理科が苦手な方へも興味を持ってもらうべくわかりやすい説明を心掛けている。

光合成を発見した「インゲンホウス」とは

光合成を発見した「インゲンホウス」とは

image by Study-Z編集部

「インゲンホウス」なんて初めて聞く人も多いのではないかと思いますよ。私も最初は「インゲン(野菜)+ホウス(馬)」なんだろう、それはと思っていましたから。(笑)それはさておき、インゲンホウスについて説明していきますね。インゲンホウス(ヤン・インゲンホウス Jan Ingenhousz)はオランダの医学者、植物生理学者、化学者、物理学者であり、18世紀に活躍したのですよ。1730年に生まれ、1799年に68歳で亡くなられています。以下、詳しくインゲンホウスの功績について見ていきましょうね。

医学者としてのインゲンホウス

医学者としてのインゲンホウス

image by Study-Z編集部

インゲンホウスは、もともとは医学者でした。1753年にルーヴェン・カトリック大学で医学博士号を取得して、その後さらにライデン大学で学び1765年に開業医になりました。開業してから3年の1768年には、ウィーンのハプスブルク家の人々に対して天然痘の予防接種を成功させていますよ。そして、オーストリア皇后のマリア・テレジアのお抱え医師になったのでした。

18世紀当時、天然痘は世界的に流行していましたが、特にヨーロッパでの流行はすさまじく、5千万人が天然痘により亡くなっています。天然痘の予防接種といえば、「ジェンナーの種痘」が有名ですが、彼が成功させたのは、1798年のことです。インゲンホウスは、ジェンナーよりも先に種痘を成功させていたのですね。ちなみに、ハプスブルク家についてご存じない方は、当サイトにハプスブルク家についての記事がありますので、是非ご覧になってくださいね。

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