この記事では「むしゃくしゃ」について解説する。

端的に言えばむしゃくしゃの意味は「不愉快」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

大手企業に35年以上勤務し仕事でたくさんの文章を扱ってきたベテランのKAIKAIを呼んです。一緒に「むしゃくしゃ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/KAIKAI

東京の大手企業に35年以上勤務し、仕事でたくさんの文章を扱ってきた経験を持つ。学生時代から国語が得意で言葉の意味には自信あり。

「むしゃくしゃ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「むしゃくしゃ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「むしゃくしゃ」の意味は?

「むしゃくしゃ」には、次のような意味があります。

1.いらいらして気分が晴れないさま。
2.頭髪やひげなどが乱れているさま。もじゃもじゃ。
3.気分が晴れないこと。また、その気分。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「むしゃくしゃ」

1の意味の場合は副詞になり、「むしゃくしゃする」あるいは「むしゃくしゃとする」という言いまわしでよく使われます。2の意味の場合は形容詞で、「もじゃもじゃ頭」など言うのです。この意味では最近は使われることは少なくなりました。3の意味の場合は名詞として使われています。1と3の意味の場合は発音する時、アクセントが先頭の「む」にありますが、2の意味の場合はアクセントが後ろの「しゃくしゃ」にあるのです。

「むしゃくしゃ」の語源は?

次に「むしゃくしゃ」の語源を確認しておきましょう。

「むしゃくしゃ」は「むさしくさし」が語源です。「むさ」は不潔で汚れている、「くさ」はい嫌な臭いがすることの意味となります。合わせて「むさしくさし」になり、「嫌な臭いがするほど汚らしい」という意味になりました。そして「むさくさ」と省略されて使われるようになり、意味も転じて「いらいらする」とか「気分が晴れない」ことを表すようになったのです。

\次のページで「「むしゃくしゃ」の使い方・例文」を解説!/

「むしゃくしゃ」の使い方・例文

「むしゃくしゃ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.不快なことばかりでむしゃくしゃ(と)する。
2.彼は髪の毛をむしゃくしゃにして起き上がった。
3.彼の無礼な態度からくるむしゃくしゃを私は友達にぶつけた。

1の例文は「いらいらして気分が晴れないさま」を表しています。「むしゃくしゃする」というように補助動詞の「する」とセットになって使われまることが多いです。2の例文は「髪の毛が乱れているさま」で、最近では使われることはめずらしいですね。3の例文は「むしゃくしゃ」は名詞で使われており、「いらいらする気持ち」の意味です。

例文のように「むしゃくしゃ」は「やきもき」などのように今後起きることに対する不安な気持ちを表すと言うよりは、叱られたりした事実に対してすっきりしない今の自分の精神状態を表しています。

「むしゃくしゃ」の類義語は?違いは?

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「むしゃくしゃ」の類義語は何というのでしょうか。

その1「かりかり」

「かりかり」は、「怒ったりして気持ちが高ぶっていらだっている様子」のことです。「電車が来ないのでかりかりする」とか「あんまりかりかりしないでくれ」などと使われます。一方、「むしゃくしゃ」は「叱られたことなどが原因で今の気分が晴れない様子」のことであり、両者はニュアンスが違うのです。「かりかり」は、「状況がわかっているうけれども、その状況が気持ちを高ぶらせる」というニュアンスになります。その点は「むしゃくしゃ」と共通です。状況が見えなくて不安な場合は「やきもき」などを使います。

\次のページで「その2「やきもき」」を解説!/

その2「やきもき」

「やきもき」「状況がわからなくて気になったり不安な気持ちになったりすること」です。状況がわかっている「むしゃくしゃ」や「かりかり」とはその点で異なります。例えば「彼をやきもきさせてから連絡しよう」とか「やきもきしているうちに試合が終わった」などと使われるのです。

「むしゃくしゃ」の対義語は?

「むしゃくしゃ」の対義語について見てみましょう。

その1「ほっこり」

「ほっこり」は物を約意味の「ほこる」という言葉が語源です。それが、「体を動かすと温かくなる状態」を言うようになり、さらに転じて「穏やかな様子やあたたかい様子」を意味するようになりました。「ほっこりする」は、「温かいものに触れて気持ちが穏やかになる」という意味です。いやされるものを見たり聞いたりしたときに使われます。例えば「子猫を見てほっこりした」とか「ほっこりする映画を観る」などと言うのです。

その2「心温まる」

「心温まる」(こころあたたまる)とは、「温かい人情を感じておだやかな気持ちになる」とか「心が救われる」といった意味です。「あの人の話は心温まるエピソードだ」などと使われます。

よく似た言葉で「こころ穏やかになる」(こころおだやかになる)がありますね。こちらは「精神状態が落ち着いていて、ゆったりしている」という意味になります。「温泉に入ると、心穏やかになる」などと使われるのです。

「むしゃくしゃ」の英訳は?

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「むしゃくしゃ」は英語では何と言うのでしょうか。

「fretful」

「むしゃくしゃ」の英訳は「fretful」です。「fretful」は「いらいらする」と言う意味になります。                    I was fretful all day because of making a mistake at acting (私は演技でミスしたので一日中むしゃくしゃしていた)

そのほか、「むしゃくしゃする」の意味では get irritated、be irritated、 become frustrated、get prickly    get impatient  などの言いまわしがありますね。  He got irritated by  her oundsbout way of talking. (彼は彼女の遠回しな言い方にむしゃくしゃした)

\次のページで「「むしゃくしゃ」」を解説!/

「むしゃくしゃ」

この記事では「むしゃくしゃ」について説明してきました。

現代は勉強やビジネスでストレスを感じることが多く、「むしゃくしゃ」した気持ちになることが多々あります。「むしゃくしゃ」した気持ちを抑えることも大切です。深呼吸や瞑想をして自分の気持ちをうまくコントロールするようにしましょう。最近は衝動的な行動をセーブして適切な問題解決やコミュニケーションににつなげる「アンガーマネジメント」という手法も注目されています。このような手法を身に着けて「むしゃくしゃ」することなく、上手にストレスを解消していきましょう。

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国語言葉の意味

「むしゃくしゃ」の意味や使い方は?例文や類語をたくさんの文章を扱ってきたライターがわかりやすく解説!

この記事では「むしゃくしゃ」について解説する。

端的に言えばむしゃくしゃの意味は「不愉快」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

大手企業に35年以上勤務し仕事でたくさんの文章を扱ってきたベテランのKAIKAIを呼んです。一緒に「むしゃくしゃ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/KAIKAI

東京の大手企業に35年以上勤務し、仕事でたくさんの文章を扱ってきた経験を持つ。学生時代から国語が得意で言葉の意味には自信あり。

「むしゃくしゃ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「むしゃくしゃ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「むしゃくしゃ」の意味は?

「むしゃくしゃ」には、次のような意味があります。

1.いらいらして気分が晴れないさま。
2.頭髪やひげなどが乱れているさま。もじゃもじゃ。
3.気分が晴れないこと。また、その気分。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「むしゃくしゃ」

1の意味の場合は副詞になり、「むしゃくしゃする」あるいは「むしゃくしゃとする」という言いまわしでよく使われます。2の意味の場合は形容詞で、「もじゃもじゃ頭」など言うのです。この意味では最近は使われることは少なくなりました。3の意味の場合は名詞として使われています。1と3の意味の場合は発音する時、アクセントが先頭の「む」にありますが、2の意味の場合はアクセントが後ろの「しゃくしゃ」にあるのです。

「むしゃくしゃ」の語源は?

次に「むしゃくしゃ」の語源を確認しておきましょう。

「むしゃくしゃ」は「むさしくさし」が語源です。「むさ」は不潔で汚れている、「くさ」はい嫌な臭いがすることの意味となります。合わせて「むさしくさし」になり、「嫌な臭いがするほど汚らしい」という意味になりました。そして「むさくさ」と省略されて使われるようになり、意味も転じて「いらいらする」とか「気分が晴れない」ことを表すようになったのです。

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