この記事では「その節は」について解説する。

端的に言えばその節はの意味は「過去のある出来事」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

幼少期から様々な分野の本を読み、知識を深めてきた川瀬を呼んです。一緒に「その節は」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/川瀬

幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読む度に、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。

「その節は」の意味や語源・使い方まとめ

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皆さんも「その節は」という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。「その節はありがとうございました。」など、日常生活は勿論、ビジネスシーンでも頻繁に使われる言葉になります。大体の意味のイメージはつくでしょうが、正しい意味と使い方を理解しておくことは大切です。それでは早速「その節は」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「その節は」の意味は?

「その節は」には、次のような意味があります。

過去のある時点、ある出来事。話し手と聞き手が共に関わっている事柄を指し、「その節はどうも」などと言うように用いられる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「その節は」

「その節(せつ)」とは、「過去のある出来事」を指す言葉です。例えば、「その節はありがとうございました」とすると、過去のある出来事について感謝している事が分かるでしょう。また、「その節は」はビジネスシーンでもよく使われる言葉で、目上の方に対しても、使う事が出来るのです。是非社会人なら使いこなせるようにしたいワードでしょう。

「その節は」の使い方・例文

「その節は」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「その節は」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.その節はどうもありがとうございました。
2.その節は多大なるご迷惑おかけしてまい、大変申し訳ありませんでした。
3.その節はお世話になりました。

例文1は、会話を始めるきっかとして「その節は」を用いた例です。例えば、1週間前に一緒に仕事を行った人とたまたま出くわした際に、「その節はどうもありがとうございました。」と使う事が出来ます。「その節はどうもありがとうございました」と使う事で、あまり親しくない相手でも、スムーズに会話に入る事が出来るでしょう。また、「その節は大変お世話になりました。」の方が、丁寧な言い回しになるため、使い分けるのがいいでしょう。

例文2と3は、「謝罪文」として「その節は」を用いた例になります。「その節はどうも」「その節はありがとうございました。」など、感謝の気持ちを伝える際に使われる事が多いですが、実は謝罪をする時にもよく使われるのです。「その節は」は、過去を指している場合、感謝と謝罪のどちらでも使用できます。

「その節は」の類義語は?違いは?

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「その節は」とは、「過去のある時点、ある出来事」を指す言葉でした。そんな「その節は」の類義語はどのようなものなのでしょうか。

その1「その際」

「その際」とは、「ある特定の時点または場合を指すときの表現」「その時」を指す言葉です。「その際」は、過去の出来事ではなく、「現在」または「未来」の出来事に対して使用します。つまり、「その説は」と正反対の意味を持っているのです。

・その際はご迷惑おかけするかもしれませんが、ご一考お願いいたします。

・明日の15時に、御社までご挨拶にお伺いいたします。その際は、どうぞよろしくお願いいたします。

・稀に誤作動によって非常ベルが鳴る場合があります。その際は、冷静な行動を心掛けるよう、お願い致します。

\次のページで「その2「その折」」を解説!/

その2「その折」

「その折」とは、「その時、その際」という意味。「その際」と意味は非常に酷似していますが、「その折」は明確な時間や場所を意味していなく、出来事を特定する事が出来ません。この事から、「その折」を使う際は、時期や機会など、広い範囲の出来事を指す際に使用しましょう。

また、明確な時期を指さない事から、遠い過去の出来事にも使用できるのです。

・先日の件に関しての資料を送付させ頂きました。お手すきの折はご確認いただければ助かります。

・まだ娘が小学生の折には、大変お世話になりました。

・お近くにお越しの折には、ぜひお知らせいただきたく、お待ち申し上げております。

その3「以前は」

「以前は」は、「その時より前」を表します。「その節は」と同様に、過去の出来事を表す際に使われますが、「以前は」は過去の出来事全般を表すため、「その節は」ほど具体的に指しません。

・以前は、この場所に立派な建物が建っていたが、既になくなっている。

・以前は、こちらの部署で大変お世話になっておりました。

・彼は以前の姿と違って、今はものすごくかっこよくなった。

「その節は」の英訳は?

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「その節は」は、英語でどう表現するのでしょうか。

「on that occasion」

「その節は」を、英語で表す場合「on that occasion」を使用するのがいいでしょう。「occasion」は、「時間」や「時」を表す言葉で、「on tha occasion」とすると、「その時」「その節は」という意味になります。実際に例文も見ていきましょう。

\次のページで「「その節は」を使いこなそう」を解説!/

・Thank you for all your help on that occasion.(その節はありがとうございました。)

・Thank you for your kindness on that occasion.(その節はお世話になりました。)

・Thank you so much for taking care of my kid when I was out.その節は(私が外出してる時)子供の面倒を見てくれてありがとうございました)

「その節は」を使いこなそう

この記事では「その節は」の意味・使い方・類語などを説明しました。「その節は」は、「その相手との過去のある出来事」を指す言葉です。挨拶やお礼、謝罪にも使う事が出来る、とても便利な言葉でもあります。また、目上の人へ使う事もでき、気持ちよく仕事を始める事が出来る大切な言葉なのです。過去を指す言葉なので、未来の出来事を表す、「その際は」と一緒に覚えておくといいでしょう。

「その節は」を使いこなせるようになると、会話のきっかけ作りやビジネスシーンでのスムーズなやり取りに繋がります。社会人として、正しい意味の理解と使い方を心掛けていきましょう。

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国語言葉の意味

「その節は」の意味や使い方は?例文や類語を読書家Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「その節は」について解説する。

端的に言えばその節はの意味は「過去のある出来事」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

幼少期から様々な分野の本を読み、知識を深めてきた川瀬を呼んです。一緒に「その節は」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/川瀬

幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読む度に、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。

「その節は」の意味や語源・使い方まとめ

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皆さんも「その節は」という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。「その節はありがとうございました。」など、日常生活は勿論、ビジネスシーンでも頻繁に使われる言葉になります。大体の意味のイメージはつくでしょうが、正しい意味と使い方を理解しておくことは大切です。それでは早速「その節は」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「その節は」の意味は?

「その節は」には、次のような意味があります。

過去のある時点、ある出来事。話し手と聞き手が共に関わっている事柄を指し、「その節はどうも」などと言うように用いられる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「その節は」

「その節(せつ)」とは、「過去のある出来事」を指す言葉です。例えば、「その節はありがとうございました」とすると、過去のある出来事について感謝している事が分かるでしょう。また、「その節は」はビジネスシーンでもよく使われる言葉で、目上の方に対しても、使う事が出来るのです。是非社会人なら使いこなせるようにしたいワードでしょう。

「その節は」の使い方・例文

「その節は」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「その節は」の類義語は?違いは?」を解説!/

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